観光はゴールではない——日本地域国際化推進機構、「新生NEXTOURISM」として再始動 共同代表理事に元参議院議員の吉川ゆうみが就任
第5次観光立国推進基本計画への問題意識の反映をもってフェイズ1を完了。観光を入口に、観光まちづくり・食・工芸/アート・デジタルアート/AI・コンテンツIPの5領域で、事業組成から自走化を担う支援組織へ
一般社団法人 日本地域国際化推進機構(共同代表理事:伏谷博之・吉川ゆうみ、以下 NEXTOURISM)は、組織体制と活動領域を刷新し、「新生NEXTOURISM」(ネクスツーリズム)として再始動することを発表します。
■「観光はゴールではない。都市が未来と向き合うための方法である。」
共同代表理事制を導入し、代表理事の伏谷博之に加えて元参議院議員の吉川ゆうみが共同代表理事に就任、理事には風営法改正を主導し、その後も文化・観光・まちづくりやコンテンツ・IP領域においてルールメイキングを通じた新市場創出に取り組む弁護士の齋藤貴弘を新たに選任し、9名体制に拡充します。活動領域は、従来の観光DXを軸とした取り組みから、観光を入口とする5つの地域文化資源領域へと拡張します。
NEXTOURISMは、都市と地域の国際化に資する価値創造を担う中間組織として、観光を入口とした分野横断の取組と、国際市場への接続を通じて、世界から選ばれる都市と地域の実現を支援します。

■ 背景:第5次観光立国推進基本計画への反映をもって、フェイズ1が完了
2021年1月の発足以来、NEXTOURISMは、「観光新時代」を提唱し、観光DXを軸に、観光客と住民の双方が利益を享受する国際文化観光都市づくりの浸透に努めてきました。提唱にはじまり、自治体・企業との共創、そして国の事業での実践へと、活動は段階を踏んで深化してきました。
フェイズ1(2021〜2026)の主な歩み
・2021年1月 機構発足。コロナ禍による行動変容を起点とした「観光新時代」を提唱し、オンラインシンポジウムを開催
・2021年9月 「NEXTOURISM自治体プログラム」提供開始(伊勢市・豊島区・阿蘇市と提携)
・2022年〜 講演会シリーズ「NEXTOURISMアカデミー」・ワークショップ・年次シンポジウムを継続開催
・2023年 観光庁 観光再始動事業に参画。伊勢神宮・伊勢市で、ターゲットの興味関心を起点とした説明戦略の構築とインタープリター養成を担い、インタープリテーションツアーを造成
・2024年 観光庁「日本的寛容の発見」事業を実施。インタープリテーションのメソッドを軸に、京都・石川・富山を跨ぐ富裕層向け文化観光体験の高付加価値化に取り組む
・2024年 伊賀市の日本遺産魅力増進事業に協力。「忍者インタープリター」の育成・組織化に向けた基礎セミナーを実施
・2025年 12月には株式会社JTBコミュニケーションデザインと共同で、アフター万博の大阪の未来ビジョンを探る対話イベント「DIALOGUE FOR THE FUTURE CITY OSAKA」を開催
なかでも、地域の文化資源が持つ本質的な価値を、相手の興味関心を起点に伝える「インタープリテーション」と、その担い手であるインタープリターの養成は、機構が国の事業や地域との協働を通じて継続的に磨いてきた中核の方法論です。
2026年3月27日に閣議決定された第5次観光立国推進基本計画には、「地域住民と観光客双方の満足度」の向上が基本的な方針に掲げられ、文化資源の魅力を伝える解説作成やその担い手となる人材の育成・確保、職業としてのローカルガイドの確立が施策に明記されるなど、これらの活動を通じて提起してきた問題意識が取り込まれており、設立からのフェイズ1の役割は、社会的合意の成立をもって一区切りを迎えました。
一方でこの5年間に、観光領域単独の枠組みでは解ききれない構造的な課題も明確になりました。都市と地域の国際化、観光・文化資源の評価と活用、資金調達の選択肢の拡充、国際的視野を持つ人材の育成、分野横断的な現場対応力——いずれも観光の枠内にとどまらない広がりを持つ課題です。
■ 新生NEXTOURISM:観光を入口に、5つの地域文化資源領域へ
都市や地域の国際ブランドは観光だけで構築されるものではありません。食、伝統工芸、アート、デジタル、コンテンツIPなどが一体となってはじめて、地域の文化的な実力が国際的な意味へと翻訳されます。新生NEXTOURISMは、都市と地域の国際化に資する価値創造を担う中間組織として、観光という軸を温存しながら、次の5つの注力領域へ活動を拡張します。
・観光まちづくり/地方創生
・食と一次産業
・伝統工芸とアート
・デジタルアート/AI
・音楽などのコンテンツIPを生かした地域活性化
いずれも観光と切り離された別事業ではなく、観光が成立するための地域文化資源群として位置づけます。
■ 3つの役割:評価・プロジェクト組成・自走化と伴走
中間組織とは、それぞれの場所で専門性を磨いている主体を地域の文脈で編み、政策提言と公的資金や民間資金に接続することで、単独では成立しない事業を成り立たせる装置です。NEXTOURISMは自ら主役になるのではなく、これらの力が結ばれる場をつくり、事業が自走した後は地域に手渡します。具体的には、次の3つの役割を地域の文脈で連結して担います。
評価:国際標準による評価を地域に持ち込み、自治体・DMOと接続する
プロジェクト組成:産官学・国際パートナーを巻き込んだ事業を組成し、政策・資金へ接続する
自走化と伴走:自走段階で運営を地域に手渡しつつ、企画・ネットワーク・方法論で関与を続ける
あわせて、シンクタンクとドゥタンクを兼ね、省庁横断の支援策を地域起点で動かす中間組織として、政策資源と地域の現場の接続を中核機能としていきます。
■ 新体制:共同代表理事制を導入、理事9名体制へ
活動量と意思決定スピードの向上に見合う体制へと組織を再編します。共同代表理事制を導入し、代表理事の伏谷博之に加え、吉川ゆうみが共同代表理事に就任。理事を9名体制とし、吉川ゆうみ・齋藤貴弘を新たに選任します。あわせて業務執行理事制を新設し、執行と監督を分離します。
食・農林水産業、アート、観光の政策に一貫して取り組んできた吉川と、風営法改正を主導し、その後も文化・観光・まちづくりやコンテンツ・IP領域においてルールメイキングを通じた新市場創出に取り組む弁護士の齋藤貴弘(当機構アドバイザリーボードメンバーとして活動に参画)の理事就任は、5つの注力領域と政策接続を担う新生NEXTOURISMの推進力となります。
共同代表理事 伏谷 博之 ORIGINAL Inc. 代表取締役 / タイムアウト東京代表
共同代表理事(新任) 吉川 ゆうみ 名古屋芸術大学 特別客員教授 / 元参議院議員
理事(新任) 齋藤 貴弘 渥美坂井法律事務所 弁護士 / ナイトタイムエコノミー推進協議会 代表理事 /一般社団法人ザ・クリエイション・オブ・ジャパン(CoJ)代表理事
理事 國友 尚 アソビジョン株式会社代表取締役 /慶應義塾大学感動研グループ長
理事 牧野 友衛 一般社団法人メタ観光推進機構 代表理事
理事 田端 浩 株式会社 BRIDGE MULTILINGUAL SOLUTIONS 取締役 /公益財団法人 交通エコロジー・モビリティ財団 会長 / 元観光庁長官
理事 野澤 弘樹 一般社団法人 デロイトトーマツ戦略研究所 理事
理事 矢ケ崎 紀子 東京女子大学現代教養学部教授
理事 竹中 直純 株式会社メタコード 代表取締役 / デジタルハリウッド大学院教授
新任役員プロフィール

吉川 ゆうみ(共同代表理事)
名古屋芸術大学 特別客員教授、元参議院議員。1973年三重県生まれ。
欧州系審査会社にて環境・サステイナビリティ、農業・食、品質などの審査・コンサル業務に従事した後、三井住友銀行 上席部長代理として社会的課題解決に資する金融商品開発、企業支援、スタートアップ支援等に従事。2013年より参議院議員(〜2025年)。参議院 文教科学委員長、経済産業大臣政務官、内閣府大臣政務官、外務大臣政務官、自民党副幹事長、自民党女性局長等を歴任。自民党ナイトタイムエコノミー議連、ラグジュアリー観光議連の設立時より参画し、自民党アート市場活性化委員会では長年事務局長を務めるなど、日本におけるアートやナイトタイムの充実化、インバウンド観光やラグジュアリー観光の拡大に取り組む。専門は、観光、地方創生、アート、環境・サステイナビリティ、国際協力、食・農林水産業、経済産業分野等。

齋藤 貴弘(理事)
渥美坂井法律事務所 弁護士
一般社団法人ナイトタイムエコノミー推進協議会 代表理事
一般社団法人ザ・クリエイション・オブ・ジャパン(CoJ)代表理事
弁護士として各種法務コンサルティングを行うとともに、ルールメイキングを通じて新たな市場の創出を支援。ナイトエンターテインメントを規制する風営法の改正を主導し、改正後はナイトタイムエコノミー政策の立案・実装に携わってきた。近年は、伝統文化や歴史的建造物、国立公園等の自然資源、エンターテインメントをはじめとするコンテンツ・IP領域など分野を横断して活動し、文化・観光・まちづくりといった複合的な視点から、新たな価値の創出を目指している。著書に『ルールメイキング―ナイトタイムエコノミーで実践した社会を変える方法論』(学芸出版社)。
■ 代表コメント
共同代表理事 伏谷博之
「都市と地域を国際市場とどのように接続できるのかが重要さを増しています。訪日観光はインバウンド市場の拡大を目指しますが、役割はそこに留まりません。アウトバウンドも含めた2つの国際市場の間に立ち、橋渡しに貢献する必要があります。アウトバウンドとは、地域のコンテンツや地産品の世界での存在感を高め、消費を促すことです。新生NEXTOURISMは、都市と地域の国際化=国際市場への接続を支援します。地域に眠る価値を分野横断的に掘り起こし、統合的な戦略・計画をもって、事業としての自走化を目指します。世界から学び、世界市場に打って出る。吉川ゆうみさん、齋藤貴弘さんが共同代表理事・理事として参画し、NEXTOURISMの強みである、様々な分野の第一線の専門家の集積は、さらに厚みを増しました。理事、顧問、エキスパートネットワークで構成されるNEXTOURISMは、それ自体が、分野横断的な知恵と経験を集めた組織です。この布陣で、慣習にとらわれない市場開拓を目指します。」
共同代表理事(新任)吉川ゆうみ:
「コンサルタント、金融、政治という立場から、地域の企業や産業、人々に寄り添い、地域活性化に取り組んできました。政治家としての12年間は、食・歴史・文化・自然といった各地固有の価値を結びつけ、世界のニーズを見据えて磨くことで地域の力を日本の発展につなげられると確信し、挑戦をしてきました。観光産業は成長局面にあるものの、地域や都市が持つ価値を引き出し、人々の豊かさや誇りに結びついているとは未だ言い難い状況です。国宝などの伝統文化・産品・アニメ・映像・音楽・ゲーム・現代アート・食・健康・美など世界に誇るコンテンツも、海外で高く評価されながら日本発・世界基準で発信しきれておらず、本来得られるはずの利益や評価が日本に還元されていないのが現状です。デジタルやAIも活用し、日本の多様な価値を世界へ届け、地域や都市の魅力を経済的価値に変える。そんな世界から羨望を集める成長モデルを築きたいと考えています。地域の力を未来へつなぎ、日本の新たな成長に貢献できるよう、全力で取り組んでまいります。」
■ 今後の予定
2026年8月にキックオフ会を開催し、新しい活動方針などについて公表予定です。

一般社団法人 日本地域国際化推進機構
共同代表理事 伏谷博之、吉川ゆうみ
公式サイト
事務局:濱路
お問い合わせ:info@nextourism.jp
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