「新米を待つ声に応えたい」鳥取・田中農場から早期情報開示（第一報）― 高温障害と在庫切れを乗り越え、新たな体制で迎える令和7年度産の新米について ―

鳥取県八頭町にて米の生産・販売を手がける有限会社田中農場は、令和7年度産の新米出荷に向けた情報を、例年より約4ヶ月早いこの時期に公開いたしました。農家単独による新米価格と出荷計画の早期発表となります。

株式会社ダブルノット

2025年5月22日 10時30分

■昨年度の異常事態への反省とお詫び

昨年（令和6年度）の猛暑による品質低下により収量の低下によって、インターネット販売を中心とする個人のお客様への供給を3月末に停止。さらに、年間契約の法人のお客様にも本年度の新米出荷を待たずして在庫切れとなる事態を引き起こしました。これは、当農場初めてのことであったとはいえ、見通しの甘さ、生産・販売・在庫管理体制などすべてにおける問題でした。多くのお客様にご迷惑とご心配をおかけしましたこと、心よりお詫び申し上げます。

■過去最高の作付面積へ。体制は維持、生産性向上への挑戦

この反省をふまえ、田中農場では今年、作付面積を昨年比13％増の108haへと拡大し、過去最高の収穫量を目指しています。一方で、人員体制は現状維持とし、限られたリソースの中で一人ひとりの生産性を高める仕組みに挑戦。田植えも1ヶ月前倒しで実施し、例年10月だった新米出荷を、今年は9月に開始できる見込みです。さらに、個人向けには初となる「定期便制度」も導入、都度対応を極力減らし、米管理・精米作業を安定させることで、持続可能な販売体制を築いていきます。

■なぜこのタイミングで情報開示するのか？

「今年は買えますか？」「価格はどうなりますか？」——。昨年の混乱を受け、例年以上に多くのお問い合わせをいただいています。そこで当農場では、まずは主力品種「コシヒカリ」について、出荷時期・価格・予約開始情報を先行開示する判断に至りました。

■令和7年度産コシヒカリの価格10kg 10,908円（税込）

令和7年度産コシヒカリの小売価格は10kg 10,908円（税込）といたします。これは、昨年の販売価格から約60％の値上げとなります。大変心苦しいご案内ではありますが、今回の価格改定は、以下の背景によるものです。

肥料・資材・燃料など、農業を取り巻く生産コストの急激な上昇
異常気象や高温障害への対応に伴う栽培リスク対策費用
精米・包装・発送にかかる労務費とエネルギーコストの増加
次世代ファーマーの育成や労働環境改善に向けた持続的な投資

私たち田中農場では、こうした背景の中でも、可能な限り品質を守り、安定供給を維持する体制を整えてまいります。食卓に安心して届くお米をつくり続けるための判断として、何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします。

新たな取り組みとして、従来は法人向けに販売していた業務用30kg袋のお米を、今年から一部個人のお客様にもご提供することといたしました。こちらは、簡易選別を施した上での出荷となるため、小石や稲わらなどの混入の可能性があることをご理解のうえご利用いただければと存じます。

この「業務用形式」での販売価格は、通常小売価格から約30％お得に設定しています。精米・小分けなどの後処理をお客様ご自身で行っていただく形にはなりますが、その分、精米したての風味もお楽しみいただけます。この形式は、当農場にとっても作業負荷の軽減につながり、持続可能な運営を支えるひとつの選択肢となります。ぜひ、皆様のライフスタイルに合わせてご検討いただけますと嬉しく思います。