東京に新たなる「知のネットワーク」を生み出す──知と文化のインキュベーション拠点「Unknown Unknown」が神保町で開業
イベントスペース、ギャラリー、バー、ライブラリーからなる100㎡弱の複合施設。アカデミックインキュベーター/シンクタンクの一般社団法人デサイロが、企画・運営を実施。

一般社団法人デサイロは、知と文化のインキュベーション拠点「Unknown Unknown」を2026年2月7日に神保町でオープンしました。
「Unknown Unknown」はイベントスペース、ギャラリー、バー、ライブラリーからなる100㎡弱の複合施設であり、「2020年代」という時代の向かう先について考え、次なるイノベーション創出や社会制度の提案の起点となる「知と文化の創造」を目指しています。
Unknown Unknownのコンセプト

研究者やアーティストの役割が、知や表現のフロンティアを切り拓くこと──つまりは「知らないことすら知らないこと(Unknown unknowns)」を発見することだとすれば、AI(人工知能)があらゆる既知を回答できる時代において、その役割の重要性は増しているはずです。
これまで一般社団法人デサイロでは、人文・社会科学分野の研究者を中心に、次の時代を形づくる思想やアイデアを生み出すために、さまざまなプロジェクトに取り組んできました。Unknown Unknownでは、そうした第一線の研究者やアーティスト、クリエイター、起業家などが交わることで、新たなる知と文化を創造することを目指します。
その際に重要になるのが、「フォースプレイス(4th Place)」という考え方です。家(1st Place)、職場(2ndPlace)、公共空間やカフェ(3rd Place)に対し、新しい「つながり」の形として注目されているのが「4thPlace」です。そこは「意味づけ」や「自己革新」を可能にするコレクティブ(集団的)な場であり、サードプレイスのような「居心地の良い場所」ではなく、むしろ、不確実性や多様な視点を受け入れ、深く考え、成長するための挑戦的な場となります。
また、神保町というエリアは、古書と出版文化を中心とした知の集積地であり、2025年には『TimeOut』誌が選ぶ「世界で最もクールな街」ランキング1位に選ばれるなど、急速に注目が高まっています。神保町〜御茶ノ水エリアを象徴する古書店や出版社、楽器店、スポーツ用品店はもちろんのこと、近年ではミニシアターや文化複合ビル、ギャラリー、独立系書店など、新しいプレイヤーの方々も登場しており、東京の中心部にありながらも小さなプレイヤーが活躍しやすいエリアでもあります。デサイロとしても、神保町という地に蓄積されてきた「知」を踏まえつつ、2020年代における知の創造と流通に取り組んでいきます。
Unknown Unknownの4つの機能





Unknown Unknownは、イベントスペース、ギャラリー、バー、ライブラリーという4つの機能を有しています。イベントスペースでは、デサイロによる自主企画のほか、研究者や企業などの共創パートナーによるトークイベントや研究会が定期的に実施されます。
ライブラリーには、これまでデサイロが注力してきた人文・社会科学分野の学術書から、AI、都市・建築・デザイン、現代美術など、幅広い分野の3,000冊以上の蔵書が並んでいます。

ギャラリーの企画・運営を担当するのは、コンテンポラリーアートを中心に展示をする新設のギャラリー「MOVO GALLERY」。2026年4月に最初の展示を実施予定です。
また、イベントや展示で足を運んでくれた方同士や、出演者との交流を促すため、バー機能も有しています。バー単体での営業についても現在検討しており、今後お知らせさせていただきます。
※本施設は不定期営業となり、イベントや展示を実施する際にオープンしています。開催情報については、公式XおよびInstagramをご確認ください。
「2020s」をテーマにしたオープニングイベントを開催
2月6日には関係者をお招きしたレセプションを、7日と8日には「2020s」をテーマとしたオープニングパーティを開催。合計で約250名の方にお越しいただきました。今後、オープニングパーティで議論したテーマについて、引き続き本拠点で議論を深めていく予定です。





内装設計は、気鋭の建築コレクティブ「ULTRA STUDIO」が担当
Unknown Unknownの内装設計は向山裕二、上野有里紗、笹田侑志からなる建築コレクティブ「ULTRA STUDIO」が担当しています。

ULTRA STUDIO
向山裕二、上野有里紗、笹田侑志からなる建築コレクティブ。2013年に結成、日本とヨーロッパで経験をつみ、2018年より東京をベースに活動を開始。プロジェクトに含まれる矛盾や葛藤を拡大解釈し、アイデンティティの再定義と本質的なストーリーの構築を行う。そこから見出される象徴的なかたちと、装飾的な要素・色彩を組み合わせることで、感情に訴えかける空間をめざしている。
ULTRA STUDIO共同主宰・向山裕二さんからのコメント
ここは小さな1室でありながら、イベントスペースであり、ギャラリーであり、バーであり、オフィスであり、図書館でもある。「未知の未知」という、名前からして謎めいているスペースにふさわしい形はどんなものかを考えるところから、このプロジェクトは始まりました。空間を特徴づけるのは、その大部分を占める中央の空白と、間の空間に差し込まれた本棚です。
私たちはボルヘスによる「バベルの図書館」に注目し、そこに描かれている無限に続く本棚から着想を得て、階段状の本棚をデザインしました。全てを記述する無限の本棚は、そこに「何かがある」にもかかわらず大半は到達できないという「未知の未知」の存在を予感させるものです。
空白の奥には謎めいた黒い塊が鎮座しています。それはカウンターにしては大きく、形もあいまいで、使い方を見出されるのを待っています。この物体は、あらかじめ定義づけられたものに従うのではなく、人々がみずから意味を見出していくこの場所を象徴しています。(ULTRA STUDIO共同主宰・向山裕二)
Unknown Unknown ディレクターによるコメント
東京に、新たなる「知のネットワーク」を
かつて神保町に「ジャニス」という伝説的なCDレンタルショップがありました。日本で最もマニアックなCDが揃っていると言っても過言ではないジャニスは、自分にとって未知の音楽ジャンルやアーティストに出合える場所で、自分が聞いてきた音楽の体系を形づくってもらいました。
今回、デサイロとして新しくつくる拠点の名前を「Unknown Unknown」としています。研究者やアーティストの役割が、知や表現のフロンティアを切り拓くこと──つまりは「知らないことすら知らないこと(Unknown Unknowns)」の発見だとすれば、AI(人工知能)があらゆる既知を回答できる時代において、その重要性は増しているはずです。私がジャニスに通っていたときに得ていた感覚(=「知らないことすら知らないこと」の発見)を、提供できるような場に育てていきたいと考えています。
私たちの拠点は100㎡弱の広さで、東京というスケールでも、神保町というスケールでも、小さな一室でしかありません。しかし、ここから生まれた知が新たなる社会制度の提案やイノベーション創出などにつながることで、より大きな社会インパクトを生み出していきたい。また、最近では施設開発や共創施設のプログラム開発などの仕事をご一緒する機会が増えています。今後、不動産デベロッパーや多分野の企業と連携することで、東京に新しい知のネットワークを拡げていきたいと考えています。そのハブとなるUnknown Unknownの活動に、ぜひご期待ください。(デサイロ代表理事/Unknown Unknownディレクター 岡田弘太郎)

岡田 弘太郎(デサイロ代表/Unknown Unknownディレクター)
一般社団法人デサイロ代表理事。一般社団法人B-Side Incubator代表理事。『WIRED』日本版エディター。クリエイティブ集団「PARTY」パートナー。2022年、次の社会を形づくる思想やアイデアを生み出すアカデミックインキュベーター/シンクタンクである一般社団法人デサイロを設立し、産官学の多様なステークホルダーとの連携によるプロジェクト創出や知の拠点づくり、研究者とアーティストの協働によるアートフェスティバルのプロデュースなどを行う。1994年東京生まれ。「Forbes JAPAN 30 UNDER 30 2023」選出。
今後のアクティビティについて
Unknown Unknownでは今後、以下のようなアクティビティやイベント、研究会の実施を予定しています。
■ Academic Insights



デサイロでは、人文・社会科学分野の学知を起点に、次なる社会や人間のあり方を探索する「Academic Insights」というイベントシリーズをオンライン開催で実施してきました。今後は、本拠点でのフィジカル/オンラインを併用し、開催していきます。
■ FoodScopes

デサイロでは、食の新たなる価値循環を人文・社会科学の視点から探る「FoodScopes」というレクチャーシリーズ及び単発イベント「FoodScopes Night」を株式会社UnlocXと共同で実施してきました。今後は本拠点でも、食分野におけるイノベーション創出に寄与する研究会やイベントを定期的に実施していきます。
■ In-house Researcher’s Hub

デサイロでは新たに、人と社会を探索する企業内研究所/インハウスリサーチャー向けのコミュニティ「In-house Researcher’s Hub」を2026年3月に立ち上げます。本拠点にて定期的にコミュニティイベントを実施予定で、詳細は追ってご共有します。
その他、研究者や企業パートナーによる様々なイベントや展示、研究会などを予定しています。最新情報は、公式SNSやデサイロ公式ニュースレターでお知らせいたしますので、ぜひフォローや登録をお願いいたします。
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Instagram:https://www.instagram.com/u_u_tokyo/
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ニュースレター:https://desilo.substack.com/
一般社団法人デサイロについて

一般社団法人デサイロは、次の社会を形づくる思想やアイデアを生み出すアカデミックインキュベーター/シンクタンクです。人文・社会科学分野の研究者を中心に、学術知を起点とする未来洞察やコンサルティングサービスの提供、知の拠点や場づくり、研究者向けのインキュベーション・助成プログラムの運営、自社レーベル/メディアの運営、アートフェスティバルのプロデュースなど、研究と多分野のかけ合わせによるプロジェクト創出を通じて、「知の創造と流通」を支えていきます。
公式サイト:https://de-silo.xyz/
問い合わせ先
本件に関するお問い合わせは、以下までご連絡ください。
メール:uu@de-silo.xyz
担当:栗村
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