【NPO法⼈地域精神保健福祉機構・コンボ主催】第98回こんぼ亭月例会『ダメ!と止める支援からハーム・リダクション的な支援へ』(2025/02/15; オンライン開催)
「ハーム・リダクション」とは、薬物問題に対する公衆衛生政策の考え方。依存性の高い薬物やアルコール、たばこなどをやめることができないとき、その使用量を減らすのではなく、「害を減らすこと」を目指します。
「こんぼ亭月例会」は、特定非営利活動法人地域精神保健福祉機構(通称:NPO法人コンボ)が主催する講演会シリーズです。「わかりやすいメンタルヘルス講座シリーズ」と銘打ち、毎回多彩なお客様をお迎えし開催しています。当事者、ご家族、福祉や医療専門職の方、教育関係者など、お立場にかかわらず、興味のある方はどなたでもご参加いたくことができます。
≪第98回こんぼ亭月例会≫
『ダメ!と止める支援からハーム・リダクション的な支援へ』
2025年2月15日(土)13:00~15:00 オンライン開催 (見逃し配信あり)
◆お客様(講師)◆
松本俊彦(まつもと・としひこ)さん(精神科医/国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所薬物依存研究部部長/薬物依存センター センター長):
薬物依存症の治療プログラムに関する研究、自傷行為の臨床研究、自殺の実態解明に関する研究を行う。「人間とは薬物を使う動物である。これこそが人間の特徴」が持論。「ダメ・ゼッタイ」という政策は、痛みを抱える人たちをどうするのか、という想像力に欠けていると考え、ハームリダクション的な支援を推進。著書、メディア出演多数。
◆こんぼ亭「亭主」(ご案内役)◆
市来真彦(いちき・まさひこ)さん(精神科医/東京医科大学精神医学分野教授)
≪こんぼ亭にむけて~講師からのメッセージ~≫
ハームリダクション(「harm」=害、「reduction」=低減)とは、薬物問題に対する公衆衛生政策の考え方です。依存性の高い薬物やアルコール、たばこなどをやめることができないとき、その使用量を減らすのではなく、「害を減らすこと」を目指して実践する方法・政策です。
最近では、その理念を応用した支援も行われています。たとえば、断酒困難な人に、飲酒を許容する代わりに自動車の運転をやめてもらう、ビタミン類やタンパク質が豊富な食事を提供して少しでも肝臓の保護をする。また、禁煙困難な人が、紙巻きタバコから加熱式タバコに切り替えるのも、ハームリダクションとしての意味は多少あります。
この考え方は依存症以外の問題にも応用できます。リストカットの場合、ナイフで切る代わりに冷たい氷を強く握りしめる、自傷後の傷のケアを推奨する。摂食障害の人に拒食や過食嘔吐を容認しつつも、最小限度のカロリーを含むプロテインとビタミン・ミネラル成分の補給を提案したり、胃酸による歯の腐蝕を防ぐべく嘔吐後の歯磨きを提案する、などの方策があり得るでしょう。
今回のこんぼ亭では、なんでも禁止するのではなく、「徐々に害を減らす」考え方を広めることで、本人も支援者も気持ちが楽になることを提案します。(松本俊彦)
◇日時◇
2025年2月15日(土)13:00~15:00
オンライン開催 & 見逃し配信あり
◇参加費◇
〇2500円 (コンボ賛助会員: 1500円)
〇グループ参加(3人まで) 6000円
※コンボ賛助会員とは → https://www.comhbo.net/?page_id=5759
【主催 & お問合せ】
特定非営利活動法人地域精神保健福祉機構
(通称:NPO法人コンボ)
「こんぼ亭」係
〒272-0031 千葉県市川市平田3-6-2
TEL: 047-320-3870
FAX: 047-320-3871
EMAIL: comhbotei@gmail.com
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