イルミメディカル × 日亜化学、体深部への光治療を可能にする超小型レーザー光源搭載カテーテルを共同開発
— LASER WEEK in Tokyo 2025で開発サンプルを世界初公開 —


イルミメディカル株式会社(本社:愛知県名古屋市、代表取締役CEO:塚本俊彦 以下 イルミメディカル)と日亜化学工業株式会社(本社:徳島県阿南市上中町岡491番地、代表取締役社長:小川裕義、以下、「日亜化学」)は、両者が保有する「カテーテル型光治療技術」と「次世代レーザー光源技術」を組み合わせた血管内レーザー照射システムの共同開発を進めています。

<背景>
これまで、光線力学療法(PDT)や光免疫療法(PIT)*など、医療における光の活用は、体表面や内視鏡で到達可能な範囲に限られており、脳や膵臓、肝臓などの体深部に光を届けるには、開頭・開腹といった侵襲的な手術が必要でした。
*1:光線力学療法(PDT)や光免疫療法(PIT)
光を活用したがん治療法。がん細胞に集まる薬剤にレーザー光を照射することで、レーザー照射部位のがん細胞を選択的に破壊します。体への負担が少なく、正常な組織への影響を抑えながら治療できるため、次世代の低侵襲がん治療として注目されています。
<本文>
イルミメディカルと日亜化学は超小型光源を先端に搭載するカテーテルを開発し、血管経由でターゲット部位にアプローチして、低侵襲に体深部に光を届けるというシステムを開発しております。
このアプローチは、従来のカテーテルが持つ「焼く・切る・置く・測る・吸う・薬を届ける」といった機能に、「光を届ける」という新たな選択肢を加えたものです。血管を通じて体深部への光照射を低侵襲で実現し、患者さんの身体的負担を大幅に軽減することが可能になります。また、既存の手術室設備や医師の手技をそのまま活用できるため、特別なインフラ整備や運用変更を伴うことなく、スムーズな現場展開が期待されます。

<製品の特徴・優位性>
本取り組みでは、革新的な医療デバイスの開発と、研究・臨床現場での活用を支える評価・知見の提供という、ハードとソフトの両面から光治療の進化を支援します。
【ハードウェア面(デバイス)】
体の奥深くへのこだわり
世界最小クラスの超小型半導体レーザー光源により、細く柔らかなカテーテルを実現しました(特許出願済)。
体深部で安全に、狙った部位に、正確に光照射
手元の見えない体深部で、冷却機構、安全センサ、照射光の方向を正確に把握する仕組みを搭載しています(特許出願済)。
拡張性と流通に配慮した製品
光源メーカーが直接開発する光源の為、薬剤の吸収特性に応じた波長(例:664、690、730nm、他)、光の質、照射方法の提案が可能です。このため、これまで製薬業界で事業性の観点から光治療に参入の難しかった顧客に光治療用薬剤を開発するインセンティブを高めることが期待されます。
*LASER WEEK in Tokyo 2025の展示ブースにて本デモシステムを世界初公開致します。
(LASER WEEK in Tokyo 2025 公式HP)
https://www.gakkai.co.jp/laserweek2025/

【ソフトウェア面(評価・知見提供)】
大型動物を用いて、デバイスと薬剤を評価する環境を提供 。
(担癌ブタモデルの開発に成功しており、薬剤と組み合わせた有効性評価が可能)
血管を通じた光照射の影響や、臓器・部位ごとの光透過性など、体深部での光活用に関する知見の蓄積とライブラリ化を推進 臨床応用に向けた研究者・製薬企業様との連携体制を構築 。
<現在のステータス>
大型動物を用いた体深部への光照射実験を成功裏に進めており、来年からは量産化のステージへと移行する予定です。すでに一部の製薬企業さまとは共同での取り組みを開始しておりますが、今後はさらに多くの製薬企業や研究機関の皆さまに本デバイスをご活用いただき、臨床試験や応用研究にご使用いただけるよう、開発を加速してまいります。
<社会実装に向けて>
本技術の社会実装には、医療・製薬・学術研究分野をはじめとする多くの皆様のご協力が不可欠です。イルミメディカルと日亜化学は医療用途での光活用と社会実装の推進に向けて開かれた姿勢で取り組んでいきます。
体深部での光活用という新たな医療領域の確立に向けて、興味をお持ちの方はぜひLASER WEEK in Tokyo 2025(2025年11月22〜24日)にて、イルミメディカルの展示・発表にアクセスいただき、直接ご意見・ご関心をお寄せください。
<両社コメント>
イルミメディカル株式会社 代表取締役 CEO 塚本 俊彦
「日亜化学との協業は、私たちの技術力をさらに高め、医療現場に真に役立つ光医療技術の実現に大きく近づくものです。今後も多くのパートナーと共に、医療の未来を切り拓いていきます。」
日亜化学工業株式会社 常務取締役 小崎 徳也
「イルミメディカルの臨床現場に根ざした視点は、我々の技術開発に新たなインスピレーションを与えてくれます。世界中の患者さんに新しい治療の光を届けるため、今後も協力を深めてまいります。」
<ご参考>
イルミメディカル株式会社
イルミメディカル株式会社は、血管内光照射システム・血管内光照射デバイスを開発する2023年2月に設立された名古屋大学発のスタートアップです。現在、ET-BLIT®(Endovascular therapy-based light illumination technology、血管内治療をベースとした光照射技術)の技術基盤の確立と深化を進めながら、多数の開発パイプラインを保有しています。がん治療にとどまらず、アルツハイマー病などの神経系疾患や再生医療領域への応用も視野に入れて活動を行っています。
2024年3月にシードラウンドの資金調達を完了した他、2024年9月には週刊東洋経済「すごいベンチャー100」2024年版にも選出されています。
2025年10月には、シリーズA 1st closeにて3.4億円の資金調達を完了しています。
関連プレスリリース
●イルミメディカル株式会社、シリーズAラウンド(1stクローズ)にて総額3.4億円の資金調達を完了
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000016.000131096.html
●週刊東洋経済「すごいベンチャー100」2024年版にイルミメディカルが選ばれました
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000013.000131096.html
●「光を利用した治療技術の実用化を促進し、これまで治療のできなかった患者さんに有効な治療法を提供する」ことを目指す名古屋大学発ベンチャーのイルミメディカル株式会社は、1.7億円の資金調達を完了しました
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000131096.html
イルミメディカル株式会社
本件に関するお問い合わせ先
info@illumimedical.com
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