脱炭素化支援機構が株式会社かさいスマートエナジーに対して出資を決定

- 脱炭素先行地域における地域エネルギー会社のロールモデルを目指して -

脱炭素化支援機構

2024年11月19日 16時00分

　株式会社脱炭素化支援機構（代表取締役社長：田吉禎彦、英語名称：Japan Green Investment Corp. for Carbon Neutrality（JICN））は、株式会社かさいスマートエナジー（本社：兵庫県加西市、代表取締役：高橋晴彦、以下「かさいスマートエナジー社」）に対して、出資を行うことを決定しましたので、お知らせします。本件は、環境省が選定する「脱炭素先行地域」における地域エネルギー会社のロールモデルとなり得る取組と評価し、支援するものです。

　今後は、同社が実施する事業のモニタリングを通じて、同社のGHG削減に向けた取組等を確認していきます。

１．事業者の概要

(1)名称　株式会社かさいスマートエナジー

(2)本社所在地　兵庫県加西市

(3)代表者　代表取締役高橋晴彦

(4)設立年月日　2024年12月4日（予定）

(5)主な事業内容

小売電気事業、太陽光発電・マイクログリッド等の再エネ電源開発、蓄電池や電動車等を活用したエネルギーマネジメント推進、地域電力事業を活用した地域内経済循環の活性化に資する事業ほか

(6)事業の実施状況と今後の計画

かさいスマートエナジー社は、「脱炭素先行地域（第２回）」に選定された加西市において、同市も出資して市内の脱炭素社会の実現を目的として設立される会社であり、市内全域で行政施策と連動して、エネルギーの地産地消、蓄電池の有効利用による地域内循環経済の実現を目指すものです。
地域に多数存在するため池を中心に太陽光発電所を開発する等により、加西市内の公共施設や将来的に民間へ電力を供給するほか、加西市に工場を持つプライムプラネットエナジー＆ソリューションズ株式会社（関西本社：兵庫県加西市、代表取締役社長：好田博昭）と協働し、同社の車載用蓄電池を活用して、市役所周辺などを中心としたマイクログリッドや、EVと親和性の高いエネルギーマネジメントシステムを構築することで、地域の脱炭素化を推進する計画です。

２．JICN による支援決定の概要

２－１．支援の内容

資金供給形態：出資
設立時資本金：80百万円（このうち、JICN出資額16百万円）

２－２．支援決定に係る政策的意義

(1)温室効果ガス排出削減の観点

本件は、脱炭素先行地域に選定された事業に対する出資であり、カーボンニュートラル達成に向け、地域の特長（ため池）を有効活用した太陽光発電や地域の産業（蓄電池）の活用を通じ、電力供給を一体的にマネジメントすることを目指します。

新たに設置した太陽光発電所で発電した再生可能エネルギーを、加西市内の公共施設等に供給することにより、既存の電力からの置換えによるCO2排出削減が期待できます。

(2)経済と環境の好循環の観点

発電、小売の両方に豊富な実績を持つ同県内のシン・エナジー株式会社（本社：兵庫県神戸市、代表取締役社長：乾正博）のノウハウを取り入れながら、電力市場の環境を踏まえた運営体制を構築し、さらには、地域で自主自立して運営される電力会社として堅確に運営されることを目指します。
それらを通じて、単なる地域公共施設等への再エネ供給事業に終わることなく、地域と地場企業が共同で再生可能エネルギーの地産地消、地域循環を行うことを目指し、地域の人材の雇用や、地域にノウハウが蓄積する仕組みづくりを通して、地方創生への貢献を行う計画です。
以上により、脱炭素先行地域における地域課題の解決に向き合う他の地域エネルギー会社のロールモデルになり得る取組となることを期待しています。

　JICNは、引き続き、様々なステークホルダーと連携しながら脱炭素に資する多種多様な事業に対する資金供給を行い、そこで得たノウハウや情報を蓄積、発信するとともに、人財を育成、輩出し、多様な主体がもつアイディアや技術をつなぐことで、豊かで持続可能な未来づくりに貢献してまいります。

【参考1】事業・投資スキーム概要