アルミサッシの水平リサイクル実現へ 新たな資源回収ネットワーク「サーキュラーエコノミーチャレンジャーズ」を結成

三協立山株式会社、株式会社アビヅ、株式会社イボキン、オリックス環境株式会社、株式会社こっこー、株式会社HARITAは、脱炭素化に向けた高品質アルミの国内循環およびリサイクルアルミの安定供給を目指し、製造業とリサイクル業の事業間連携を通じたアルミサッシの資源回収ネットワーク「サーキュラーエコノミーチャレンジャーズ」(以下、「CE チャレンジャーズ」)を結成します。
なお、本プロジェクトは 本日より運用を開始します。こっこーは中四国エリアを担当し、主に解体現場からのスクラップ回収を行います。

1.背景と課題
アルミサッシは1960年代から建築物の主要な建材として広く普及し、優れたリサイクル性を持つことから、脱炭素社会と資源循環型社会の実現に貢献できる素材として注目されています。一方、日本国内で回収されるアルミスクラップ年間約131万トン(推計)のうち、約46万トン(約4割)が海外へ輸出されており、その流出を防ぐため、国内循環利用が求められています。
しかしながら、建物解体の現場では、多種多様な廃建材が同時に発生する中で、限られた作業スペースや工期の制約により、アルミサッシのみを分別・回収することが難しい状況です。また、解体工事から高度選別処理まで異なる事業者によって分断されて行われているため、品質管理やトレーサビリティ
(※1)の確保が困難となっています。これにより、解体主が資源循環の信頼性や貢献度を明確に示しにくいという課題も生じています。
これらは貴重な資源の有効活用の妨げとなり、環境負荷低減の機会損失につながっています。
※1製品や資源の流れを追跡・記録できる仕組み
2.「CE チャレンジャーズ」の取り組み
「CE チャレンジャーズ」では、解体建物から発生する使用済みアルミサッシの新たな資源循環モデルを構築します。この取り組みの核となるのが「水平リサイクル」です。水平リサイクルとは、使用済み製品を原料とし、元の製品と同等の品質・用途の製品に活用するリサイクル手法です。
具体的には、以下のようなプロセスを実現します。
①リサイクルアルミ原材料のトレーサビリティを確保するルート構築
②品質確保を可能にする解体・回収・分別システムの構築
③適切な保管・管理・運搬システムの確立
④水平リサイクルによる付加価値の提供
3.資源回収フローについて
■従来の資源回収フロー
従来は、解体工事(サッシ撤去、鉄・非鉄分別)、中間処理(回収、選別・プレス)、高度選別処理といった各工程が個社で分断されているため、リサイクルアルミ原材料のトレーサビリティの確保が難しく、高品質なアルミサッシ原料として十分に活用されていないケースが見受けられました。
また、一部のアルミサッシは他の非鉄金属とともに一括回収され、十分に選別されないまま海外へ輸出されるケースもあります。

■「CE チャレンジャーズ」による新たな資源回収フロー
「CEチャレンジャーズ」では、事業者間の連携により、一貫した資源回収・リサイクルシステムを構築します。これにより、トレーサビリティの確保が可能になり、脱炭素化に取り組む事業者が求める、信頼性の高い環境配慮型製品へのニーズに対応します。さらに、アルミサッシの回収率向上と高品質なリサイクル原料の安定確保を実現します。
スキーム A:解体事業者がサッシ撤去と基本的な分別を行った後、「CEチャレンジャーズ」が中間処理から高度選別処理、製品化までを一貫して担当

スキーム B:解体現場からサッシ撤去作業、中間処理、高度選別処理、製品化までを「CEチャレンジャーズ」が一貫して担当


4.解体主(事業主)のメリット
この取り組みにより、以下のメリットが期待できます。
■確かなトレーサビリティと透明性の確保
CEチャレンジャーズの一貫したシステムにより、アルミサッシの回収から最終製品までの循環が明確になります。これにより、環境活動の透明性と信頼性を確保し、環境貢献に関する説明責任を果たすことが可能になります。
■環境貢献と企業価値の向上
解体時に発生するアルミサッシを本スキームで再利用することで、天然資源の使用を抑制し、製造過程での環境負荷を大幅に低減します。これにより、CO2排出量削減目標達成に貢献し、ESG経営(※2)やSDGsへの取り組み強化を通じて、企業価値向上につながります。
※2.環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の 3 要素を重視し、これらの観点から持続可能な企業価値の向上を目指す経営手法
5.期待される効果
この取り組みにより、天然資源から製造されるアルミ新地金と比較して、製造過程における温室効果ガス排出量を約97%削減します。また、水平リサイクルによる付加価値として、環境配慮型製品としての市場価値向上などが期待できます。国内での資源循環を促進し、脱炭素社会の実現と循環経済の推進に貢献します。
6.こっこーにおける脱炭素社会の実現とサーキュラーエコノミーへの取組み
こっこーは、脱炭素社会の実現に向け SBT(※3) 認定を受け、2030 年度に Scope1(※4)+2(※5) の 42%削減(2022 年度比)の達成に取り組んでいます。リサイクルセンターでは、太陽光発電による自家消費と CO2 フリー電力を組合せ、Scope2 ゼロを確立しています。また、加盟している「サーキュラーパートナーズ」において、金属くず含有混合廃棄物のリサイクル率を 90%向上させる目標に取り組んでいます。
本プロジェクトを通じて、アルミサッシの水平リサイクルを促進し高品質なリサイクル原料の安定供給を実現することで、これら指標の目標達成にも貢献します。
※3.SBT とは、パリ協定が求める水準と整合した、企業が設定する GHG 排出削減目標のことです。
※4.燃料など、事業活動から直接的に排出される温室効果ガス
※5.電力など、事業活動から間接的に排出される温室効果ガス
(参考)CO2フリー電力プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000018.000144803.html
7.今後の展開
「CEチャレンジャーズ」では、建設・環境分野などの企業との連携強化や自治体、リサイクル事業者との協力体制を構築し、全国規模での回収ネットワーク拡大やアルミサッシのリサイクル率向上を目指します。この取り組みを通じて、日本のアルミ資源循環の新たなモデルを確立し、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
【会社概要】
■三協立山株式会社
本社 :富山県高岡市早川 70
代表者 :代表取締役社長 平能 正三
主な事業内容:ビル・住宅用建材などの開発・製造・販売、
アルミニウムおよびマグネシウムの鋳造・押出・加工・販売、
店舗用汎用陳列什器の販売、他
■株式会社アビヅ
本社 :愛知県名古屋市港区昭和町 14-24
代表者 :代表取締役社長 瀬田 大
主な事業内容:廃自動車・事業用廃家電のリサイクル、金属屑や廃プラスチックのリサイクル、
古紙リサイクルや産業廃棄物処理、他
■株式会社イボキン
本社 :兵庫県たつの市揖保川町正條 379 番地
代表者 :取締役社長 高橋 克実
主な事業内容:解体事業、環境事業(廃棄物の処理・リサイクル)、
金属事業(金属スクラップの選別・加工)、運輸事業
■オリックス環境株式会社
本社 :東京都港区浜松町 2-4-1 世界貿易センタービル南館
代表者 :代表取締役社長 山下 英峰
主な事業内容:廃棄物の収集・運搬・中間処理、再資源化物の取引、
廃棄物処理等のコンサルティング、他
■株式会社こっこー
本社 :広島県呉市広多賀谷 1 丁目 9 番 30 号
代表者 :代表取締役社長 槙岡 達也
主な事業内容:環境資源事業(金属スクラップ、古紙、廃棄物処理・リサイクル、
構内作業、解体、保全)
生活環境事業(鉄鋼材加工販売、建材・エクステリア商品販売施工)、不動産事業、他
■株式会社 HARITA
本社 :富山県高岡市福岡町本領 1053-1
代表者 :代表取締役社長 張田 真
主な事業内容:一般廃棄物・産業廃棄物の収集運搬・中間処理、鉄スクラップの破砕・選別、
家電リサイクル事業、自動車リサイクル事業、他


株式会社こっこー
広島県呉市に本社を置き、鉄・非鉄スクラップや廃棄物、鉄鋼材加工やエクステリアを取り扱う、総合リサイクル企業です。
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