コロナ禍の日本語教育機関における「オンライン授業実施状況に関するアンケート」
~オンライン授業で困ったことの主な理由は「学生のネット環境(6割強)」と「教材の作成(5割強)」~
日本語教育機関向け学習支援サービスを提供する株式会社JELLYFISH(本社:東京都品川区)は、国内の日本語教育機関の関係者に協力頂き、「オンライン授業の実施状況アンケート」を2020年7月31日~8月18日に行いましたので、調査結果を以下にご報告します。
新型コロナウイルスの感染拡大により、同機関は入国制限による入学時期の延期や密を避けた授業設計など多くの問題に直面しており、これらの問題に対処するための方法の1つに、オンライン授業があげられます。しかし従来の対面授業からの切り替えが急務だったために、授業に関わる準備や情報が不十分なままのスタートとなり、各学生への対応も各機関でばらつきが見られます。 そこでこの度、弊社では同機関におけるオンライン授業の実施状況と稼働に伴う課題を調査するためにアンケートを実施しました。
【調査概要】
- 調査名 :「オンライン授業の実施状況アンケート」
- 対象者 :日本語学校関係者(※弊社主催の日本語学校向けセミナーの参加者が対象)
- 調査方法 :インターネット調査
- 回答数 :55校、64名(経営者、校長、教務主任、専任・非常勤講師、その他:事務局員など)
- 調査期間 :2020年7月31日~8月18日
- 調査目的 :新型コロナウイルスの感染拡大により急務となったオンライン授業について、日本語教 育現場における現状と課題を可視化すること。また調査結果を公表することにより、不足情報の提供に繋げるために実施。
【主な調査結果】
- 約8割の学校が「オンライン授業を実施したことがある」と回答しました。
- オンライン授業を実施したことがある学校の内、「在校生」を対象にした学校は約8割だったことに対し、「入国待機生※」は約5割でした。入国制限により、入学時期などの見通しが立っていない入国待機生に、在校生と同程度のオンライン授業を提供することが難しかったと考えられます。※2020年4月期・7月期入学予定の新入生の内、まだ日本に入国できていない学生
- オンライン授業で困ったことの主な理由は「学生のネット環境(6割強)」と「教材の作成(5割強)」で、学生と学校の双方でオンライン授業の課題が見られました。
【調査結果詳細】
Q.1 これまでにオンライン授業を行ったことがありますか。(回答校数:55校)
アンケート実施時点(調査期間:2020年7月31日~8月18日)で、「これまでにオンライン授業を行ったことがある」と答えた学校は81.8%(45校)、「行ったことがない」と答えた学校は18.1%(10校)でした。この結果から、新型コロナウイルス感染拡大と、それに伴う緊急事態宣言により、約8割の日本語教育機関が従来の対面授業を行えず、オンライン授業を実施していたことが伺えます。
Q2. Q1で「オンライン授業を行ったことがある」と答えた学校に聞きます。どのツールを使ってオンライン授業を行いましたか。※複数回答あり※(回答校数:45校)
オンライン授業で使用したツールは「ZOOM」が最多の82.2%でした。次いで「Google関連(Google Meet、classroom、スプレッドシート等)」が33.3%、「Skype」が24.4%となりました。その他のツールについては「Cisco Webex」、「Teams」、「LINE」という回答がありました。
Q3. Q1で「オンライン授業を行ったことがある」と答えた学校に聞きます。1回の授業時間について教えてください。※複数回答あり※(回答校数:45校)
オンライン授業の1日あたりの時間数は「3時間以上」という回答は57.7%で、通常授業の代替措置としてオンライン授業を実施していたようです。一方、「1時間以下」は42.2%で、従来の対面授業の代わりとはいかないものの、対面授業ができない間の補填としてオンライン授業を実施していたケースもあることが分かりました。
Q4. Q1で「オンライン授業を行ったことがある」と答えた学校に聞きます。オンライン授業は誰に実施しましたか。(回答校数:45校)
「在校生」にオンライン授業を実施した学校は約8割(84.4%)でした。一方で「入国待機生※」に行ったのは約5割(55.5%)という結果がデータから伺えます。
国内の日本語教育機関における2020年4月期・7月期の新入生は、各機関でばらつきはありますが、新型コロナウイルス感染拡大による入国制限により、大多数の学生が母国で待機せざるを得ない状況が続いているのが現状です。留学生にとり各機関との持続的なコミュニケーションはモチベーション維持や留学への不安を払拭するためにとても重要です。しかしながら、入学時期の見通しや入国後の在籍期間など、多くの保留事項が要因で各機関は入国待機生に対して在校生と同程度のオンライン授業を実施することが難しかったと考えられます。
(※)2020年4月期・7月期入学予定の新入生の内、まだ日本に入国できていない学生
Q5. Q1で「オンライン授業を行ったことがある」と答えた学校に聞きます。現在はオンライン授業を行っていますか。(回答校数:45校)
「今までにオンライン授業を行ったことがある」と答えた学校(45校)の中で、現在(アンケート実施期間7月31日~8月18日時点)もオンライン授業を行っているとの回答は60%(27校)でした。一方で「現在は行っていない」という回答は37.7%(17校)で、その最多理由は「学校内の新型コロナウイルス感染防止対策を徹底した上で、対面授業を再開したから」でした。
Q6. Q1で「オンライン授業を行ったことがある」と答えた方に聞きます。オンライン授業で困ったことは何ですか。※複数回答あり※(回答校数:45校、回答人数:53名)
「今までにオンライン授業を行ったことがある」との回答(回答校数:45校、回答人数:53名)の中で、オンライン授業で困ったことを複数回答で聞いたところ、最も多かった理由が「学生のネット環境」64.1%で、オンライン授業を受けるための十分なネット環境が、留学生の自宅や寮に備わっていないことが分かります。続いて「教材の作成、準備」56.6%、「教師がオンライン授業に慣れていない」50.9%、「カリキュラムの作成」33.9%という理由があげられ、学校側もオンライン授業の設計と実施に苦心していることが分かりました。
Q7. Q1で「オンライン授業を行ったことがない」と答えた学校に聞きます。今後オンライン授業の実施を検討していますか。(回答校数:10校)
「今までにオンライン授業を行ったことがない」と答えた学校(10校)の中で、60%(6校)が「今後オンライン授業を検討している」と回答しています。一方で「検討していない」という回答は10%(1校)でした。
【JELLYFISHの取り組み】
JELLYFISHの教育事業部では日本語教育現場における「授業・学習進捗・学生管理」の情報を一元化できるオンライン上のシステム、「BABELプラットフォーム」の企画・開発をしています。本システムにより、オンライン授業の可能性を広げ、学習効果の最大化の実現を目指しています。
JELLYFISHは「BABELプラットフォーム」などを通じて、日本語教育業界におけるオンライン学習の一助となるよう努めてまいります。
【企業情報】
株式会社JELLYFISH
商号 : 株式会社JELLYFISH
代表者 : 代表取締役 田中 翔
所在地 : 〒141-0031 東京都品川区西五反田 2-24-4 WESTHILL 4階
事業内容 : 人材紹介事業、教育事業
資本金 : 1,000 万円
HP URL : https://jellyfish-g.co.jp/
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