リッジアイ、事前登録のない同一人物推定技術で世界最高精度を達成

〜「同一人物トラッキング」でより高度なサービス提供が可能〜

株式会社Ridge-i

AI・ディープラーニング技術のコンサルティングと開発を行う株式会社Ridge-i(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:柳原尚史、以下リッジアイ)は、カメラ映像の中で同一人物をトラッキングする要素技術のうち、静止画ベースでの同一人物推定技術(Re-Identification技術)が世界最高精度を達成した研究論文が、2020年12月に開催される国際学会※1に採択され、同成果が認められたことをお知らせします。

 

同一人物推定技術イメージ図同一人物推定技術イメージ図

 本技術の特長は、顔情報の事前登録やデータベースの保有の必要もなく、プライバシーを考慮した利用が可能な点です。全身の様々な特徴を見ているため、顔がマスクや帽子で隠れていても、服装が変わっても同一人物と判定できることが強みです。現在提供中の「COVID-19 映像解析AIソリューション」にもすでに搭載されており、今後「同一人物トラッキング」を活用したサービスにおいて、様々な業種・分野への展開を加速していきます。本技術は株式会社NTTドコモの協力の下、2019年1月から開発を進めて、2020年6月時点で世界最高精度※2を達成、論文を執筆し12月に国際学会で発表予定です。

 

 

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※1 今回の精度研究の詳細は、ドイツ(ベルリン)で開催される以下の国際会議にて発表予定(オンライン)
  • 学会名:7th International Conference on Knowledge and Innovation in Engineering, Science and Technology
  • 期間:2020年12月15日~17日(CET)
  • 論文タイトル:Refined Granularity Extraction for Person Re-Identification
  • 著者: Motaz A. Sabri
※2  弊社調べ。2020年6月時点に、同技術の評価指標として用いられる代表的なデータセット「Market1501」で評価実験を行い、96.8%の精度を実現し世界最高精度を確認済み
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 「同一人物トラッキング」AIとは、事前登録なしで、発見したい人物が映像中のどこに映っているのか、映像に映る複数人の画像と、発見したい人物の画像を比較照合することで同一人物を特定・抽出する技術です。弊社では、2019年1月から研究開発を進めており、2020年6月、他の先端手法を上回る高い精度で推定できるモデルを開発しました。

 同一人物か判断する際の課題として、向きや姿勢によって同じ人物でも見え方が変化するため、その人物の特徴をうまく抽出する必要があります。そこで、人物の画像全体だけではなく、服装・体型といった身体の局所領域にも着目し、CNN(畳み込みニューラルネットワーク)を用いた特徴抽出と、距離学習を用いて開発を行いました。

2020年6月時点のデータ。各列のデータセットの精度比較において、弊社モデル(赤字)が最も高い。論文※2より抜粋2020年6月時点のデータ。各列のデータセットの精度比較において、弊社モデル(赤字)が最も高い。論文※2より抜粋

本技術を適用している「同一人物トラッキング」の最大の特徴は、事前の人物登録無しでカメラに映っている人物が誰かを判別する点です。また、一度画角から外れて、再度カメラに映ったときには同一人物として追跡することが可能です。また、すでに提供しているCOVID-19 映像解析ソリューションの一機能である「群衆カウンティング」と組み合わせることで、人が行うと膨大な時間や労力を必要とするカウント作業や人物追跡が大幅に省力化できる技術となります。

 「同一人物トラッキング」の活用場面として、COVID-19対策の他、対応作業の効率化をはじめ、商業施設におけるマーケティング活用、工場や建設現場における不審者検出などを想定しています。

「想定利用シーン」
  • オフィス内における人物ごとの通行経路の解析といった、オフィス・人流解析ソリューション
  • ユニークユーザーごとの訪問回数の計測といった店舗・イベント向け用途
  • デジタルサイネージ、イベント棚を見たユーザーのレジ訪問回数の実数測定といった、小売・広告用途
  • 不審者や徘徊者の追跡や発見など、防犯・安心安全用途

 今回実現した、同一人物推定技術における世界最高精度の達成は、弊社R&D部門の研究開発を積極的に進めた成果でもあり、保有している技術の更なる精度向上、ならび新たな技術開発を積極的に行うことで今まで以上に精度の高いサービス提供を加速していきます。また開発した技術の事業展開を通し、近い将来に最先端テクノロジーが日常的に活用される社会の実現を目指します。

▼「同一人物トラッキング」 機能概要
人物の事前登録を行なうことなく、カメラに映る人物にユニークなIDを付与し追跡も可能です。

「同一人物トラッキング」イメージ (顔情報の事前登録不要で、ユニークIDを割り振り追跡します。プライバシーを考慮した利用が可能)「同一人物トラッキング」イメージ (顔情報の事前登録不要で、ユニークIDを割り振り追跡します。プライバシーを考慮した利用が可能)

主な機能:
  • ID付与: カメラに映る人物にユニークなIDを付与
  • 追跡機能:カメラに映っている人物の追跡
  • 再照合機能:一度カメラに映りIDを付与された人物が画角から外れた後、再度カメラに映った際に同一人物として検知。最初に付与されたIDを再度付与
  • 適用環境:オフィス、商業施設、工場、建設現場。不特定多数の人が行き交うイベントなどにも活用可能

 


▼株式会社Ridge-i(リッジアイ)について
リッジアイは、AI・ディープラーニング領域において、社会課題・顧客課題に寄り添い、現場に入り込んだコンサルテーションに始まり、アセスメント、開発、導入、顧客による自走化までを一元的に提供するテクノロジーカンパニーです。特に、画像やセンサーデータの解析について、様々な技術とディープラーニングを始めとするAIを組み合わせた開発能力に強みを持ち、投資対効果が高く技術面において最適化されたソリューションの提供により、課題解決に取り組んでいます。顧客課題だけでなく、多くの社会課題に取り組み、JAXAより受託した土砂崩れ解析ディープラーニングでは第4回宇宙開発利用大賞 経済産業大臣賞を受賞。今後も技術の実用と研究の両立を追求し、社会・顧客が持続的に効果を実感できる最高のソリューションを提供します。


会社名:株式会社Ridge-i
設立:2016年7月
所在地:東京都千代田区大手町1-6-1 大手町ビル438
代表:代表取締役社長 柳原 尚史
資本金:7億5500万円(資本準備金含む)
事業内容: (1)AI・ディープラーニング技術のコンサルティングおよび開発
        (2)共同事業、ライセンス、保守モデル、自社開発等によるプロダクトの提供
URL:https://ridge-i.com
お問合せ:contact@ridge-i.com
 

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会社概要

株式会社Ridge-i

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URL
https://ridge-i.com/
業種
情報通信
本社所在地
東京都千代田区大手町1−6−1 大手町ビル 438
電話番号
-
代表者名
柳原 尚史
上場
東証グロース
資本金
-
設立
2016年07月