6月2日開催!『作曲家 坂本龍一、その音楽とルーツを今改めて振り返る』オーケストラコンサート(東京芸術劇場/池袋)
日本フィルハーモニー交響楽団主催。首席指揮者カーチュン・ウォン、箏の遠藤千晶、東京音楽大学の合唱が豪華出演。さらに、ピアニスト中野翔太の出演や開演前プレトークも決定!
公益財団法人日本フィルハーモニー交響楽団(東京都杉並区、理事長:平井俊邦)は、2024年6月2日(日)14時より東京芸術劇場(池袋)で第255回芸劇シリーズを開催いたします。本公演は、「作曲坂本龍一、その音楽とルーツを今改めて振り返る」と題し、世界的音楽家・作曲家坂本龍一氏が残した作品の数々を、彼が深く影響を受けた「クラシック」の作品と共にお届けします。
惜しまれつつ2023年3月に亡くなった坂本龍一氏は、伝統音楽やジャズ、現代テクノロジーといった幅広い音楽を融合させ、独自の音楽世界を築き上げ、多くの音楽ファンに影響を与えています。
かつて放送されたNHKの番組「スコラ 坂本龍一 音楽の学校」を観ても分かる通り、自らの来し方や、音楽の歴史・価値について、多くのことを我々に教えてくれました。まさに「教授」の名に相応しい、また彼にしか成し得ない俯瞰的な見地からの仕事であり、偉大な業績です。
今回は坂本龍一作品から『箏とオーケストラのための協奏曲』、映画 『ラストエンペラー』より「The Last Emperor」、地中海のテーマ(1992年バルセロナ五輪開会式音楽)、そしてドビュッシーの《夜想曲》と 武満徹の組曲 《波の盆》より「フィナーレ」を演奏します。
クラシック音楽を学び、オーケストラも指揮した彼の作品を「クラシック」文脈の中で捉え直してみることで、その立ち位置と普遍的価値の理解により一層の深みをもたらすに違いありません。
日本の音楽をこよなく愛する日本フィル首席指揮者カーチュン・ウォンがタクトをとり、箏の遠藤千晶、80人規模の合唱に東京音楽大学、そしてピアニスト中野翔太の出演も決定したスペシャルな演奏会をどうぞお聴き逃しなく。
開演前の13:30~13:45には、監修の小沼純一によるプレトークも開催決定。「スコラ 坂本龍一 音楽の学校」での共演などから見えた坂本龍一の素顔などもお話いただきます。
公演に寄せて 小沼純一(早稲田大学文学学術院教授、音楽・文芸批評家)
坂本龍一が世を去って、1年。日本フィルはこの音楽家への敬意を、コンサートというかたちであらわします。あまりふれる機会のないオーケストラ作品をステージで演奏する。音楽家じしんが敬愛し、意識していた先達の作品もあわせて提示します。
中心に据えられるのは、《ラストエンペラー》とともに、バルセロナ・オリンピック開幕のための《地中海のテーマ》と《箏とオーケストラのための協奏曲》、2つのオリジナルのオーケストラ作品。
《協奏曲》は2010年に関西圏と関東圏で演奏されていらい再演されていません。これらはまた、映像や物語に付随することなく、描写的なタイトルもなく、楽器の音そのものによって構築される、音・音楽と聴き手がじかに対面できる作品です。
ドビュッシーの生まれ変わりではないだろうか。そう坂本龍一青年はおもったそうです。《雲》のゆったりしたさま、時間の感覚は、音楽家のなかに生きつづけてきました。武満徹へは、若き日のアンビヴァレンツなおもいをこえ、いくつかの作品のテクスチュアへの愛着を隠しませんでした。
武満徹の映像とともにある音楽を、ドビュッシーとのつながりも考慮し、坂本龍一作品のあいだに配置する。プログラミングはそのようになっています。
ドビュッシーや武満徹の音楽を対照しながら、「オーケストラ」という媒体をとおしてあらわれてくる坂本龍一の顔貌にふれる―かならずや貴重な機会となるでしょう。
■公演概要
第255回芸劇シリーズ
2024年6月2日 (日)14:00 開演
東京芸術劇場
【出演】
指揮:カーチュン・ウォン[首席指揮者]
箏:遠藤千晶*
ピアノ:中野翔太**
合唱:東京音楽大学***
【プログラム】
ドビュッシー:《夜想曲》***
坂本龍一:箏とオーケストラのための協奏曲*
坂本龍一:The Last Emperor (映画 『ラストエンペラー』より)
武満徹:組曲 《波の盆》より「フィナーレ」
坂本龍一:地中海のテーマ(1992年バルセロナ五輪開会式音楽)**,***
監修:小沼純一
【チケット】
好評発売中
S¥7,000 A¥5,500 B¥5,000 C¥4,000 Gs(65歳以上)¥4,000 Ys(25歳以下)¥1,500
Ys(ヤング・シート)、Gs(グランド・シート)はS席以外からお選びいただけます。
https://japanphil.or.jp/concert/20240602
【出演者プロフィール】
■カーチュン・ウォン[日本フィル首席指揮者]
2023年9月より日本フィルハーモニー交響楽団首席指揮者およびドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団首席客演指揮者に就任、24年9月より英国マンチェスターに本拠を置くハレ管弦楽団首席指揮者兼アーティスティック・アドバイザーへの就任が決定しているシンガポール出身のカーチュン・ウォンは2016年グスタフ・マーラー国際指揮者コンクールで優勝、その名を世界に知られることとなる。2022年8月までニュルンベルク交響楽団首席指揮者を務め、これまでに、ニューヨーク・フィルハーモニック、ロサンゼルス・フィルハーモニック、クリーヴランド管弦楽団、ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団を含む国内外の主要楽団との共演も果たす。
2019年、33歳という若さでシンガポールとドイツの文化交流並びにドイツ音楽文化の海外普及における献身的な取り組みと顕著な功績により、シンガポール出身の芸術家として初めてドイツ連邦大統領より功労勲章を与えられた。2021年12月の日本フィルハーモニー交響楽団定期公演で演奏されたマーラー交響曲第5番のライブ録音CDが日本コロムビアよりリリースされている。
■遠藤千晶[箏]
東京藝術大学音楽学部卒業。同大学院修了。3歳で初舞台、13歳で宮城会主催全国箏曲コンクール演奏部門児童部第一位入賞。大学卒業時には、卒業生代表として皇居内・桃華楽堂にて御前演奏。第8回長谷検校記念全国邦楽コンクールで最優秀賞(全部門第一位)および文部科学大臣奨励賞受賞。ベトナムで開催された ASEMに先立つ参加各国文化祭にて、日本代表としてコンサートを行う。「遠藤千晶箏リサイタルー挑みー」の演奏で第62回平成19年度)文化庁芸術祭新人賞受賞。第13回日本伝統文化振興財団賞受賞。第38回松尾芸能賞新人賞受賞。現在までに、ソリストとして日本フィルハーモニー交響楽団をはじめ、シアトル交響楽団など多くのオーケストラと協演を重ねる。さらに、箏協奏曲の作曲を委嘱し、自身のリサイタルで演奏
するなど意欲的な活動を続ける。また、小・中学校音楽教科書(教育芸術社)にも掲載され、学校公演や門人の指導など、教育活動、後進の育成にも積極的に取り組んでいる。CD「遠藤千晶箏協奏曲の軌跡」ほか CD・DVD を多数リリース。現在、生田流箏曲宮城社大師範。宮城合奏団団員。日本三曲協会会員。生田流協会会員。東京藝術大学音楽学部非常勤講師。
■中野翔太[ピアノ]
1999年からジュリアード音楽院プレ・カレッジに留学。同音楽院を経て、2009年に同大学院を卒業。 第15回出光音楽賞受賞。
これまでにデュトワ指揮/NHK交響楽団、小林研一郎指揮/読売日本交響楽団、小澤征爾指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、アシュケナージ指揮/NHK交響楽団等と多数共演。
近年は、大植英次指揮/大阪フィルとガーシュウィン『ラプソディー・イン・ブルー』、ジョナサン・ノット指揮/東京交響楽団とシェーンフィールド『4つのパラブル』を共演、神奈川県民ホールで開催された『浜辺のアインシュタイン』に出演した他、 坂本龍一氏の指名によりピアノとオーケストラの作品を演奏。圧倒的な技術に裏打ちされた、豊かな表現力と透明な音色が高く評価されている。
■東京音楽大学[合唱]
東京音楽大学合唱団は「合唱」授業科目の履修者から選抜された学部生と声楽専攻の大学院生を中心に構成する混声合唱団で、国内外の著名オーケストラと数多くの共演を果たしている。
日本フィルハーモニー交響楽団との共演は、「第九」を始めとして1979年以来40年以上の歴史を持つ。2020年以降の共演においては感染症対策に伴い合唱団の人数が大幅に制限される中、同楽団と今までにない「第九」の歓喜を表現することができた。
他に2018年11月にサンクトペテルブルクフィルハーモニー交響楽団「イワン雷帝」、2019年11月にNHK音楽祭「シンフォニック・ゲーマーズ4」、2021年6月に「めぐろで第九2020+1」、2022年8月に「フェスタサマーミューザKAWASAKI 2022」に出演。2023年には日本フィルハーモニー交響楽団「クレルヴォ」「第九」「道化師」「カルミナ・ブラーナ」に出演。
合唱指導は2022年度より、志村文彦、藤牧正充、浅井隆仁の各氏に加え、フレンドリー・アドバイザーとして広上淳一氏を迎えている。
■日本フィルハーモニー交響楽団[管弦楽]
1956年6月創立。質の高い音楽を届ける「オーケストラ・コンサート」、音楽との出会いを広げる「エデュケーション・プログラム」、音楽の力で様々なコミュニティに貢献する「リージョナル・アクティビティ(地域活動)」という三つの柱に加え、2011年の東日本大震災以来「被災地に音楽を」届ける活動を継続している。これらの活動は高い評価を受け、第16回後藤新平賞を受賞。
2023年9月より首席指揮者にカーチュン・ウォンを迎え、桂冠名誉指揮者小林研一郎、桂冠指揮者兼芸術顧問アレクサンドル・ラザレフ、フレンド・オブ・JPO(芸術顧問)広上淳一という指揮者陣を中心に年間150回を超えるオーケストラ公演を行う。
2026年の70周年に向け、芸術性と社会性を両輪とし、「温かさ」「人に寄り添う」土壌を大切にしながら、あらゆる人々へ、世代へ、地域へ、音楽の持つ様々な力を社会に活かしていくことを目指している。1994年に杉並区と友好提携を結び、本拠地とする。毎週水曜日22時54分~23時、BS朝日『Welcomeクラシック』出演中。
オフィシャル・ウェブサイト https://japanphil.or.jp X(旧Twitter) @Japanphil
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像