副業事故防止サービスフクスケ 企業の副業制度関係者の意識調査結果を発表「関係者全体の75%がストレスを抱えながら副業制度を運用している」
900名を超える副業制度関係者が回答・担当者の高ストレス原因は副業希望者から受けるクレームやハラスメント、副業経由のトラブル対応
調査要旨
①制度関係者全体の75%がストレスを抱えながら制度運用をおこなっている
②制度関係者の半数以上が届出しづらい、プライベート・プライバシー配慮を感じない制度を運用している
③制度関係者の65%を占める40代以降ではプライバシー配慮が充分できていないと感じる傾向が高い
④管理部門担当者の高ストレスの原因は副業希望者から受けるクレームやハラスメント、副業経由のトラブル対応
⑤管理部門内での担当は人事関係者が38-47%制度内事故被害も広く人事部門が受ける傾向
⑥副業制度関係者間でのユーザビリティギャップ、管理部門と上司で制度の使いやすさプライベート・プライバシー配慮度が逆転
⑦制度の内製化意向が高い企業ほどプライベート・プライバシー配慮とユーザビリティが低い制度を運用している
⑧プライベート・プライバシー配慮がない制度の特徴集計
①制度関係者全体の75%がストレスを抱えながら制度運用をおこなっている
管理部門、上司共に制度運用時の副業者のチェック、確認に75%がストレスを感じていると回答。関係者の65%が現状人手不足を感じている中で副業・兼業制度の運用をおこなっている。
②制度関係者の半数以上が届出しづらい、プライベート・プライバシー配慮を感じない制度を運用している
自社制度のユーザビリティ調査では制度関係者の半数以上が届出しづらい、プライバシー配慮を感じない制度を運用している事が分かった。届出がしやすいと感じる回答は40%、プライバシー配慮を感じる回答は45%と半分を割る結果が出た。
③制度関係者の65%を占める40代以降ではプライバシー配慮が充分できていないと感じる制度を運営している傾向が高い
プライバシー配慮有無を年代別で割ると20代30代の制度担当者では配慮を感じる制度運用をしている傾向がみえた。一方制度関係者の65%を占める40代以降ではプライバシー配慮が充分できていないと感じる制度を運用している傾向が高い。
④管理部門担当者の高ストレスの原因は副業希望者から受けるクレームやハラスメント、副業経由のトラブル対応
管理部門の制度担当者では特に高い負荷がかかっており、35%が非常に高いストレスを感じ、 全体の80%以上がストレスを感じている。更にストレスを感じる回答者の75%が逆ハラスメントやクレームなど、副業者からのトラブルやヒヤリハットを経験しており、副業に関する問い合わせや事故の未然防止、事故処理対応や経営者と従業員のトラブル防止があげられる。本業に支障を与えた副業経由の事故の深刻度では全体の78%がなんらかの処分が発生する事故で45%が損害賠償や内部不正などの重大事故だった。
⑤管理部門内での担当は人事関係者が38-47%制度内事故被害も広く人事部門が受ける傾向
制度運用業務における職種別の割合では、人事関連担当者が副業希望者への説明、問い合わせ対応などフロント業務をおこなう傾向が出た。中でも副業希望者への制度説明・問い合わせ対応・副業のリスクチェックのストレス度が高い。職種と事故経験者を集計した結果ではトラブルが発生した際の被害も広く直接人事が触れる結果が見えた。
⑥副業制度関係者間でのユーザビリティギャップ、管理部門と上司で制度の使いやすさプライベート・プライバシー配慮度が逆転
副業制度のユーザービリティに関して、制度立案・運営をする制度担当者(管理部門)の半数は自社制度はユーザビリティはあると回答したが、副業希望者の上司と制度兼任者ではユーザビリティへの評価が逆転する傾向がでた。
⑦制度の内製化意向が高い企業ほどプライベート・プライバシー配慮とユーザビリティが低い制度を運用している
自社の制度が届出しやすいと回答した関係のうちプライバシー配慮を感じる回答者は74-78%と高く、一方届出しづらいと回答した回答者はプライバシー配慮を感じない割合が高い数値を示した。プライバシー配慮が高い制度を運用している関係者は制度を内製化したくなく制度を外部移転したい傾向が高くでた。一方プライバシー配慮が充分でない回答者ほど内製化を好む傾向が現れた。
⑧プライベート・プライバシー配慮がない制度の特徴
上司の半数以上が副業を希望する従業員のプライベートを尊重したいという回答がでる中、プライバシー配慮を感じない制度の特徴として副業者からの必要以上の情報収集、過度な社内共有・取り扱いなど、個人情報に関わる項目がトップの回答があがった。
次に上司が承認プロセスに入ることや本業評価への連動など本業内の上意下達型統制システムと連動する項目が上位に入り本業側の既存制度運用がきっかけで公私が交じりやすい結果がでた。
最新の厚労省ガイドラインでも本業先へ注意喚起されている副業を理由とした不利益扱いを行うことや過度な情報取得が上位に来る結果となった。
調査概要
2018年の働き方改革による副業・兼業解禁で企業への副業・兼業の一律禁止の禁止が明示され、2022年7月の副業兼業ガイドライン内での企業への制限理由の開示など、従業員の個人時間でおこなう副業・兼業への配慮が高まる一方、企業内での副業・兼業への対応には未だ混乱が見られます。労働人口が確実に減少し、今後も副業・兼業が推奨され続ける中で副業・兼業制度担当者が制度運用で受け続ける負荷課題と、会社内での制度のあり方に関する潜在的なギャップを今回複数可視化するきっかけになりました。人的資本経営を推進する人材版伊藤レポート内でも自律的なキャリアを形成する目的での社外への越境機会とする副業・兼業が推奨されるが、会社側が従業員の個人時間でおこなう副業への高いプライバシー配慮が前提にない場合使われづらく、隠れ副業者の増加や関係者との一貫性のない運用ギャップ増加などトラブルや事故に繋がる危険性が見えました。副業・兼業制度にどのような構造課題があり、誰のための、どのような課題を解決するための手段なのか、改めて社内で振り返るための一助としていただきたいです。 株式会社フクスケ 小林大介
有識者からのコメント
副業制度を既に導入している企業に対するアンケート調査ということ自体が画期的なものといえます。もっとも、今回の調査では、制度設計者や人事担当者などに相当のストレスがかかっていることが判明しており、新しい制度の運用に四苦八苦している様子が伺われます。特に本業とは本来的に無関係であり従業員のプライベート領域といえる副業をどこまで本業が立ち入るべきか担当者としても困惑していることが伺われます。他方で、プライバシーが確保されている制度下では副業申請がしやすいと感じられている傾向から、副業のプライバシーを確保しつつ本業に支障が生じかねない副業をいかに防ぐかバランスが必要となります。一定のノウハウを蓄積させた外部専門家との連携の重要性が示されたように思います。 森・濱田松本法律事務所 荒井太一 弁護士
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