【大正大学】地域構想研究所による「地方版総合戦略」全国調査を実施(全国1741の自治体対象)

~まち・ ひと・しごと総合戦略策定から5年、や人材育成の課題浮き彫りに~

大正大学(学長:髙橋秀裕、所在地:東京都豊島区)地域構想研究所は、第1期「まち・ ひと・しごと創生総合戦略」(以下「第1期総合戦略」)策定から5年を経過したことを踏まえ、全国1741の自治体を対象とするアンケート調査を実施しました。

本調査は、各自治体における第2期「地方版総合戦略」(以下「第2期戦略」)の策定状況や戦略を策定する上での課題を洗い出すことで、自治体それぞれの特性を分析し、地域の長期的かつ持続的な発展を目指す指標としていただくことを目的としています。
自治体における取り組みの現状とともに、人材育成と確保についてもアンケートを行いました。人材育成については、地方創生がスタートして1年が経過した2016年に行った調査と同じ質問項目を使用することで、ここ4年間の自治体の変化を把握できるようにしたことが特徴です。
 

15号館 地域構想研究所15号館 地域構想研究所

調査の概要
・調査名称 :第2期「地方版総合戦略」策定の状況等に関するアンケート調査
  ①第2期戦略においての各地域の取り組みの現状
  ②人材育成の現状
・調査対象 :地方自治体全1741 /回収数:710(回収率 40.8%)
・配布の方法 :郵送 /回収の方法:FAXまたはWEB回答フォーム
・配布日 :2020 年 2 月 17 日 /回収期限 :同 3 月20日
※アンケート結果の詳細は、HPにて
・URL :https://chikouken.org/10838/

【調査結果サマリー】
-1 2期「地方版総合戦略」の策定率
 59.3%(421件)の自治体が令和元年度中(令和2年3月末)までに第2期戦略の策定を終了、令和2年度中に策定予定が28.3%(201件)で、新たな策定はしない自治体が12.3%(88件)という結果になりました。【表1】

-2 2期戦略の外部委託状況
 令和元年度中に策定を終える421自治体のうち、外部委託をしたのは38.7%(163件)で、「全く外部委託しなかった」自治体は60.8%(256件)となり、第1期「地方版総合戦略」策定の際、外部委託が8割を超えるという実態を懸念視されたが、2期においてはその状況は改善されており、理由としては「経費節約」が62.2%(209件)で最も多い結果が出ました。
①-3 第2期策定にあたり困難だったこと
 外部委託せずに自治体職員による内部策定作業が進んでいる第2期戦略ですが、策定にあたり困難の多かった業務に対してのアンケート結果は、最も多かったのが「成果が出るまでに時間がかかる(ため評価が難しい)」24.2%(102件)、次いで「KPIの策定」22.1%(93件)、「アウトカムの設定」21.1%(89件)でした。[図1]
 地方創生の第2期スタートに際し、国が強化すべきとして強調している「PDCAサイクルの確立と運用」面で、特に困難度が強く表れた結果となっており、対策が必要であると考えられます。

図1 戦略策定で困難だったこと(N=421)※令和元年度中に策定を終えると回答した自治体のみ図1 戦略策定で困難だったこと(N=421)※令和元年度中に策定を終えると回答した自治体のみ


②策定にあたっての人材不足
上記設問の中で、「策定に必要な人材(の確保)」が非常に困難であったと回答した自治体は15.2%(64件)であり、自治体の人口規模による差が最も大きく表れ、人口規模が小さくなるほど困難度合いが強くなる傾向がみられました。[図2]
 

図 2 策定に必要な人材の確保について (N=421)※令和元年度中に策定を終えると回答した自治体のみ図 2 策定に必要な人材の確保について (N=421)※令和元年度中に策定を終えると回答した自治体のみ


【考察】
地方創生の2期スタートにあたり課題となっていることについて、自由回答形式で答えてもらった結果、
〇目標の不明確さ
〇国の目標との整合性
〇業務過多
以上3概念に対する回答が多くみられました。
 第2期総合戦略の中で、第1期の5カ年の結果から地方自治体による地方創生の進捗や戦略立案プロセスの課題と強化ポイントをいくつか示しています。その上で、2期戦略の開始に向けて、これまでよりも一層の強化が求められている事項の一つとして「EBPMの考え方の下、中期的な視野で改善を図っていくためのPDCAサイクルを確立することが不可欠」と改めて指摘しています。一方で、本調査結果からは現場でPDCAサイクルの確立と運用に必要とされる知識・スキルの習得がなかなか進められていない実情があるという結果がみられました。特に、戦略の策定に必要な人材の確保は小規模自治体ほど困難である状況であり、二極化がみられています。こうした中、業務過多や地域の未来を見据えた目標設定の立て方、国の政策との整合性に悩む自治体のコメントも散見され、何を持って「地方創生」とするのかといった意見もみられました。
 しかしながら、このことをネガティブに捉えるのではなく、こうした意見が出てくるという事は、地方創生から5年が経ち、改めてPDCAを意識し数値的なKPIを設定しながら推進していくことが自治体内で注視されてきている事の証とも言えます。

◆「まち・ひと・しごと創生総合戦略」
 政府は2014年9月、人口急減・超高齢化という大きな課題に対し、各地域がそれぞれの特徴を活かした自律的で持続的な社会を創生する「地方創生」を実現することを目的に、「まち・ひと・しごと創生本部」を設置しました。現在の人口や各地域の密度から、目指すべき未来の日本の姿を提示する「まち・ひと・しごと創生長期ビジョン」と共に2015年度から2019年度までの5年間を第1期とする地方創生の施策や機関が決定しました。
 長期ビジョンでは「2060 年に 1 億人程度の人口を維持」、「2050 年代に実質GDP 成長率 1.5~2%程度維持」が掲げられ、総合戦略は長期ビジョンを達成するための計画の第1弾です。

第1期総合戦略 4つの基本目標
1.地方にしごとをつくり、安心して働けるようにする
2.地方への新しい人の流れをつくる
3.若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる
4.時代に合った地域をつくり、安心なくらしを守るとともに、地域と地域を連携する
 目標達成のための施策と、施策の進捗状況を把握するためのKPI(重要業績評価指標)が131件設定され、問題点や課題点を確認する指標にすることが出来ます。 

 
第2期総合戦略では第1期の4つの基本目標に加え、2つの横断的な目標が追加され、「多様な人材の活躍を推進する」、「新しい時代の流れを力にする」の2点が設定されています。「新しい時代の流れを力にする」項目には「地域における Society 5.0 の推進」「地方創生 SDGs の実現などの持続可能なまちづくり」の 2つの政策目標が掲げられ、本調査は、以上の状況下において第2期戦略の策定進捗状況や策定するうえでの課題や問題点を洗い出すことで、各自治体はそれぞれの地域の特性を分析し、長期的かつ持続的な発展を目指す指標になると考えています。

◆大正大学概要
大正大学は、設立四宗派の天台宗・真言宗豊山派・真言宗智山派・浄土宗および時宗が協働して運営する大学です。その協働の精神を支えているのが、大正15年(1926)の創立時に本学が掲げた、「智慧と慈悲の実践」という建学の精神です。そして、建学の精神のもとに〈慈悲・自灯明・中道・共生〉という仏教精神に根ざした教育ビジョン「4つの人となる」を掲げて教育研究の活動を展開しています。
大正大学公式HP:https://www.tais.ac.jp/

◆大正大学 地域構想研究所概要
地域創生の実践・実装に資する研究活動を行うため、2014年に大正大学が設立した研究機関です。官公庁や公共団体、民間企業等と連携し、多様な地域課題の解決を図るとともに、研究結果を大正大学地域創生学部の学びに活かし、新たな価値創造人財を育成することで、日本の「地域創生」に貢献することを目的としています。
大正大学地域構想研究所 : https://chikouken.org/10838/
 




 
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります。

メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。
※内容はプレスリリースにより異なります。

  1. プレスリリース >
  2. 学校法人 大正大学 >
  3. 【大正大学】地域構想研究所による「地方版総合戦略」全国調査を実施(全国1741の自治体対象)