Datachain、JCBと「デジタル通貨交換基盤」構築に向けた実証実験を開始
株式会社Datachain(本社:東京都港区、代表取締役:久田 哲史、以下、Datachain)は、株式会社ジェーシービー(本社:東京都港区、代表取締役会長兼執行役員社長:浜川 一郎、以下、JCB)と「デジタル通貨交換基盤」構築を見据えた、異種ブロックチェーン間の相互接続・流通(インターオペラビリティ)に関する実証実験を開始しました。
今回の実証実験では、Hyperledger Lab YUI(※1)やCross Framework(※2)を用い、異種ブロックチェーン間の相互接続・流通について、IBC(※3)を用いたハブ構造導入の技術的有用性を検証することを目的とします。
今回の実証実験では、Hyperledger Lab YUI(※1)やCross Framework(※2)を用い、異種ブロックチェーン間の相互接続・流通について、IBC(※3)を用いたハブ構造導入の技術的有用性を検証することを目的とします。
今後、デジタル通貨については、中央銀行デジタル通貨(CBDC:Central Bank Digital Currency)の他に民間での発行も含め、様々な発行・流通基盤が立ち上がることが見込まれています。
既存の法定通貨は相互に幅広く交換が行われていますが、デジタル通貨の利用拡大に向けては、デジタル通貨基盤間の相互運用を可能にする交換機能の整備が重要だと考えられます。
デジタル通貨の交換については、取引を仲介する第三者を置く形が現在では主流ですが、元来ブロックチェーンが「自律・分散」を志向するものであることを踏まえると、今後は第三者に依存しない形での交換が広がっていく可能性が高いと考えられます。
Datachainは、決済基盤・決済ネットワークに知見を持つJCBと、異種ブロックチェーン間の相互接続・流通の実現に向け、共同研究の第一段階として、第三者の信頼に依存しない異種ブロックチェーン間の相互接続・流通の方式(Relay方式 ※4)の技術的有用性について協議を行ってきましたが、この度、JCBと共同で、「デジタル通貨交換基盤」構築を見据えた、異種ブロックチェーン間の相互接続・流通(インターオペラビリティ)の実証実験を開始いたしました。
今回の実証実験では、Relay方式による異種ブロックチェーン間の相互接続・流通について、IBCを用いたハブ構造導入の技術的有用性を検証することを目的としています。
なお、今回の実証実験は以下の環境で実施いたします。
- ブロックチェーン同士で直接検証するのではなく、ハブとなる交換基盤を用意し、各ブロックチェーンとハブとの間でIBCによる第三者の信頼に依存しない方式で検証を行うことで、ハブを介して検証し合う形とする。
- 仕組み上はこのハブを介して、IBCに対応した様々なブロックチェーン同士が相互に検証し合うことが可能だが、今回の検証では、ブロックチェーンの基盤として、世界で最も利用されているエンタープライズブロックチェーンの1つであるHyperledger Fabricと、異種分散台帳間の接続を念頭に開発されたブロックチェーンとしてCBDCやグローバルステーブルコインでも利用・検討が拡大しているTendermintを用いる。
- 各検証モジュールはHyperledger Lab YUIを用い、各ブロックチェーンとハブ間の通信はIBCを用いる。
- クロスチェーン取引(ブロックチェーンをまたいだ複数の取引の同時実行)はCross Frameworkを用いる。
DatachainとJCBは、両社の資産やノウハウを融合することで、今後も革新的なサービスの創出を目指すとともに、異種ブロックチェーン間の相互接続・流通の実用化に向けて、デジタル通貨発行基盤を担う企業やプロジェクトと広く協議していきたいと考えています。
※1 Hyperledger Lab YUI:様々なブロックチェーン基盤においてIBCによるインターオペラビリティを実現するためのプロジェクト。Datachainが開発をリードしており、Hyperledger LabとしてOSSで提供されている。GitHub:https://github.com/hyperledger-labs/yui-docs
※2 Cross Framework:複数のブロックチェーンにまたがる(クロスチェーンの)スマートコントラクトの実行を可能にするためのフレームワーク。GitHub:https://github.com/datachainlab/cross
※3 IBC:Interchain FoundationおよびCosmosプロジェクトによって策定が進んでいる、ブロックチェーン同士の相互運用性を担保するための仕様標準。
※4 Relay方式:取引を仲介する第三者に依存しないインターオペラビリティ手法としては、「HTLC方式」 と「Relay方式」の2つの方式があり、「Relay方式」ではサービス利用者が管理者に秘密鍵を渡すことなく、取引の自動実行を行うことができる。
■ 株式会社Datachainについて
社名 :株式会社Datachain
事業概要:ブロックチェーン技術に関連する企画・開発
設立 :2018年3月
所在地 :東京都港区六本木四丁目1番4号
代表者 :代表取締役 久田 哲史
URL :https://ja.datachain.jp/
* 株式会社Datachainは、株式会社Speee(本社:東京都港区、代表取締役:大塚 英樹、東証JASDAQ:4499)の子会社です。
* 本資料に記載されている会社名、商品名、サービス名は、各社の商標又は登録商標です。
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