アスタキサンチン高含有の藻類製造、商用化へ — アルガルバイオと日本生物科学研究所の共同開発が結実
微細藻類バイオファウンダリー初の商業生産が実現、九州培養プラントが本格始動

「藻類の研究開発で、人々と地球の未来に貢献する」をミッションに掲げる株式会社アルガルバイオ(本社:千葉県柏市、代表取締役社長:木村 周、以下「アルガルバイオ」)は、株式会社日本生物科学研究所(本社:大阪府大阪市、代表取締役:東 建一郎、以下「日本生物科学研究所」)と進めてきた微細藻類ヘマトコッカス由来のアスタキサンチン原料の共同開発プロジェクトが、商用化フェーズに到達したことをお知らせいたします。
本プロジェクトでは、アルガルバイオが開発した独自の微細藻類株と培養技術を活用し、室内培養装置によるヘマトコッカス培養プラントが九州に新設されました。これにより、日本生物科学研究所による純国産・高品質・高濃度のアスタキサンチン原料製造が、本格的に開始されました。本件は、アルガルバイオの「微細藻類バイオファウンダリープラットフォーム」発の共同開発プロジェクトが、初めて商用化に至った事例です。

アルガルバイオは2018年の創業以来、100種1,260株以上の微細藻類ライブラリーを活用し、株の選抜・育種から最適な培養方法の確立、商業スケールでの製造プラント立ち上げまで、初期研究から実装フェーズまでを一貫支援するサービスを提供してきました。
今回の共同開発は、「培養から抽出まで、すべて国内で完結するアスタキサンチン原料を実現したい」、という日本生物科学研究所からの依頼を受けてスタートしました。アルガルバイオは、微細藻類の一種であるヘマトコッカスから最適株を選抜し、光条件、培地成分、培養環境など各要素を最適化することで、従来より高濃度のアスタキサンチンを実現する培養技術を確立しました。開発当初は一般的な屋外培養を検討しましたが、気候や昼夜変化などの外的要因による品質のばらつきが課題となりました。この課題を解決するために、日本生物科学研究所は、日本で初めて完全屋内閉鎖型パネルの培養設備を九州に新設しました。この設備導入により、培養から抽出までの全工程を国内で一貫して行う、純国産・高濃度かつ安定供給可能なアスタキサンチン製造が、商業スケールで実現しました。
今後もアルガルバイオは、独自の「微細藻類バイオファウンダリープラットフォーム」を基盤に、ウェルビーイング・食・サーキュラーエコノミー・カーボンニュートラル・バイオものづくりといった多様な分野における微細藻類の社会実装を進めてまいります。
微細藻類ヘマトコッカスについて
ヘマトコッカス(Haematococcus pluvialis)は、自然界に存在する単細胞性の緑藻の一種で、「アスタキサンチン」という赤い天然色素(カロテノイドの一種)を豊富に含むことで知られています。池や湖、墓地の石やビニールハウスの壁面など、淡水環境に生息しており、強光や栄養枯渇といった過酷な環境にさらされると、自身を保護するためにアスタキサンチンを大量に生成・蓄積し、細胞色は緑から赤に変化します。こうして得られるアスタキサンチンは、β-カロテンやリコピンなど他のカロテノイドと比較しても非常に強い抗酸化・抗炎症作用を持ち、健康や美容、水産飼料や機能性食品など、幅広い分野で活用されています。

株式会社日本生物科学研究所について
株式会社日本生物科学研究所は、1986年の設立以来、機能性素材の研究開発及び製造を行ってまいりました。1974年の創業時より発売している『植物発酵エキスBIOZYME』、1998年上市のナットウキナーゼ高含有『納豆菌培養エキスNSK』は、いずれも培養技術を活用した素材です。現在、主力商品である『納豆菌培養エキスNSK』は、複数の大学と提携し、世界基準を満たしてきたことで世界40ヶ国以上での販売実績となっています。品質方針でも掲げている「消費者視点に立った安心・安全の追及」の精神に則って、真に必要とされるオンリーワン素材であり続けることを目指してきた結果だと自負しております。
2025年には、さらなる飛躍のため、全天候型の藻類培養工場「九州培養プラント」を新設。藻類第一弾の素材として、ヘマトコッカス藻の培養に着手し、純国産培養「アスタキサンチン」の販売を開始予定です。培養物の規格基準がより厳しくなる中、「自然素材を科学し、日本から世界をもっとすこやかに」を企業テーマに、時代のニーズを捉えた商品を提供してまいります。
<会社概要>
企業名 :株式会社日本生物科学研究所
本社所在地 :〒553-0003 大阪府大阪市福島区福島1丁目4番40号 JBSL梅田ビル5F
設立 :1986年8月
株式会社アルガルバイオについて
株式会社アルガルバイオは、微細藻類の研究開発と実用化に特化した研究開発型ベンチャーです。「藻類の研究開発で、人々と地球の未来に貢献する」をミッションに掲げ、微細藻類の可能性をカタチにすることを目指しています。当社は、東京大学で20年以上にわたって蓄積された藻類研究を技術基盤に、「微細藻類バイオファウンダリープラットフォーム」を構築。100種1,260株超の微細藻類ライブラリーをはじめ、藻類種ごとの育種・選抜技術、最適な培養条件の設計ノウハウ、スケールアップ検討に対応したパイロットプラントを有しています。これらの技術とインフラを活用し、クライアントの多様なニーズに応じた最適な微細藻類の探索から、製品化・商用化までを短期間で実現。人々の健康、サステナブルな食糧供給、地球温暖化対策など、グローバルな社会課題に対して、微細藻類を活用した新たなプロダクトやソリューションの創出を、多様なパートナー企業とともに推進しています。
<会社概要>
企業名 :株式会社アルガルバイオ(Algal Bio Co., Ltd.)
本社所在地 :〒277-0882 千葉県柏市柏の葉5‐4‐6
設立 :2018年3月
<本件に関するお問い合わせ先>
株式会社アルガルバイオ
担当:中楯(事業開発・広報担当)
Tel:04‐7138‐6207
E-mail:info@algalbio.co.jp
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