J-CONNECT の創設及び後向き大規模リアルワールドデータ収集(CONNECT-2)の開始について
データ研究機構株式会社(本社:京都市、代表取締役社長:是川 幸士、以下『PRiME-R』)は、医療機関及び製薬企
業による新たな研究基盤である J-CONNECT を 2023 年 4 月に創設いたしました。
各医療機関で収集・蓄積された、がん治療における高品質なリアルワールドデータ(以下『RWD』)の運用管理及
び利活用により、医療の質の向上及び学術研究を加速し、より良い医療の提供を実現します。
1.J-CONNECT 創設の背景
京大病院を中心とした25医療機関が参画する「がん診療におけるリアルワールドデータ収集に関する多施設共同研究(CONNECT)UMIN000044646」(研究代表者:武藤 学 京大病院 腫瘍内科 教授、研究事務局:松本 繁巳 京都大学リアルワールドデータ研究開発講座特定教授、以下『CONNECT』)」では、Cyber Oncology®を電子カルテベンダーの異なる医療機関に導入するとともに、統計データセンター(以下『DC』)に接続することで、より最適な治療方針の立案や有害事象情報等の可視化による医療安全の向上に活用することが可能な新たな医療情報基盤を確立しました。
この度、こうした医療情報基盤を発展・継続させることを目的として、医療機関に加えて企業等の参画を募り、新たな研究基盤組織としてJ-CONNECTを創設し、従前からの取り組みである前向きRWD収集(CONNECT-1)に加え、「がん診療におけるRWDの網羅的収集及び利活用に関する多施設共同研究(CONNECT試験附随研究)」(以下、『CONNECT-2』)として、後向きRWDの収集を開始し、より悉皆性の高いRWDの収集を実現します。
2.J-CONNECTの概要・意義
(1) J-CONNECTの概要
本プロジェクトにおいて収集するRWDは、これまで構造化して収集することが困難であった医薬品使用における有効性や安全性に関する情報を含んでおり、その評価を通じ新たなリアルワールドエビデンス(以下『RWE』)の創出につなげていきます。
また、プロジェクト運営体制として、医療機関のみならず新たに製薬企業等の参加を募り、医療情報の収集及び統計データの共有により、学術研究や医薬品開発等に用いていただきます。必要に応じ個別の研究を計画し、より詳細なデータに基づく分析・研究・開発につなげることもでき、こうした学術研究や医薬品開発等の成果は実臨床の場に還元されることになります。
(2) J-CONNECTの意義
① がん薬物治療のRWDの可視化
・ 各医療機関及び全体のリアルワールド(実臨床)での治療状況が把握できます。
・リアルワールドでの治療アウトカムが把握できます。
② がん治療薬などの実際の使用状況の把握
・各医療機関で、どのような薬剤が使用されているか把握できます。
③ 新薬の市販後調査への活用
・新薬のリアルワールドでの安全性・有効性の評価が容易になります。
④ 治験実施における施設調査への活用
・リアルワールドでの症例数の推測が容易になります。
J-CONNECT基盤イメージ
3.CONNECT-2の概要
各施設が保有する院内がん登録データを自動取込ツールにより効率的にCyber Oncology®に移転するとともに、レセプトデータや電子カルテ由来の臨床検査値等を統合した、高品質かつ悉皆性の高いがん薬物治療に関する大規模RWDレジストリを構築します。
また、データの品質向上を目的として、各施設の医療情報について個人を特定できないよう匿名化したうえで、インターネットを介さないセキュアな回線を用いて、J-CONNECT事務局が運営するDCに定期的に送信します。DCにおいてデータチェックを行い、不備等があった場合にはクエリを発行し、各施設において修正等を実施することとしています。
今後、京大病院でのトライアルを経て、先行5施設(福井大学医学部附属病院、大阪赤十字病院、神戸市立医療センター中央市民病院、四国がんセンター、宮崎大学医学部附属病院)において、2018年以降の院内がん登録データ等を収集することとしており、順次、同意を得られた施設についてデータ収集を開始する予定です。
CONNECT-2イメージ
4.研究機関
第1期:2023年4月1日~2025年3月31日
第2期:2025年4月1日~2028年3月31日
5.研究体制
・研究代表者:京都大学医学部附属病院 腫瘍内科 教授 武藤 学
・研究分担者:京都大学大学院医学研究科 リアルワールドデータ研究開発講座 特定教授 松本 繁巳
・J-CONNECT参加施設数:25施設(参加予定の施設を含みます)
・J-CONNECT参加企業名:アストラゼネカ株式会社、武田薬品工業株式会社、中外製薬株式会社
・技術サポート:新医療リアルワールドデータ研究機構株式会社
6.今後の展開
本プロジェクトでは、本研究の実施にご協力いただく患者さんの個人情報やプライバシーの保護など、個々人の尊厳や倫理を遵守し、医療情報の適正な利活用を担保してまいります。CONNECT-2の開始により、RWD収集プラットフォームとして強固なものにするとともに、RWDからRWEを創出し、効率的な医薬品・医療機器開発および次世代医療の発展に貢献します。
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