PMI日本支部が「PM Award 2024」の受賞者を発表
最優秀プロジェクト賞は、医療法人生和会グループSDX研究所、企業年金ビジネスサービス株式会社の各プロジェクトが受賞。
一般社団法人PMI日本支部(所在地 : 東京都中央区、会長 : 端山毅)は、
Project Management Institute (PMI)の協力のもと、日本発の優れたプロジェクトを表彰する「PM Award 2024」の受賞者を発表しました。最優秀プロジェクト賞(Small & Medium部門)は医療法人生和会グループSDX研究所らによる「リハビリテーション分野に特化した生成AIソリューションの開発」が受賞され、本プロジェクトは特別賞としてPMI Asia Pacific賞も併せて受賞されました。最優秀プロジェクト賞(Large部門)には企業年金ビジネスサービス株式会社の
「SOP(Seiho Open-Innovation Project)~企業年金の制度管理事務における生保共通プラットフォームの構築~」が受賞され、本プロジェクトは特別賞として情報サービス産業協会デジタルトランスフォーメーション賞も併せて受賞されました。
2024年10月19日(土)都内で開催された表彰式では受賞者への表彰が行われたほか、受賞記念パーティーでは受賞者および関係者による活発な意見交換が行われました。
今回のPM Award 2024では、プロジェクトを実施された企業・団体等の規模に応じた2つの部門(Small & Medium部門、Large部門)で、約1,200名が参加した投票により両部門の最優秀プロジェクト賞を決定しました。
PM Awardは、日本に拠点を持つ企業・団体が実践する優れたプロジェクトを表彰する制度です。全世界に300以上の支部、70万人を超える会員そして140万人以上の認定資格者を有する国際的なプロジェクトマネジメント啓発団体であるProject Management Institute (PMI) の協力のもと、日本におけるプロジェクト型の働き方の啓発とその実現手法であるプロジェクトマネジメントの普及活動を行ってきた一般社団法人PMI日本支部が主催しています。
今回受賞されました各賞は以下のとおりです。
最優秀プロジェクト賞(Small & Medium部門)
特別賞(PMI Asia Pacific賞)
プロジェクト名:リハビリテーション分野に特化した生成AIソリューションの開発
プロジェクト実施主体:医療法人生和会グループ MR&S有限会社 SDX研究所、株式会社Pleap、
医療法人せいわ会 彩都リハビリテーション病院、医療法人せいふう会 川西リハビリテーション病院
受賞のご挨拶(医療法人生和会グループ MR&S有限会社 SDX研究所 所長 大門 恭平 さん):
最優秀という大変栄誉ある賞を賜り、心から感謝申し上げます。SDX研究所は生和会グループという全国で病院、介護施設を運営している法人のDXを推進する部署として立ち上がりました。今回のプロジェクトは、生和会グループと株式会社Pleapとの共同プロジェクトです。関係者でこの成果を分かち合い、次のプロジェクトの糧にしていきたいと思います。私が様々なプロジェクトを進めるうえで大切にしていることをお話ししますと、身内での病気が見つかり、医師からも厳しい先行きを示されたことがありました。そこで大きな社会課題として、海外では服用できる薬が日本では服用できない、というものに直面しました。約2年間、その課題を解決するためにメディアに露出したり、政治家に面会を求めたり、色々な活動をしました。その結果として多くの方々のご支援ご協力を賜り治療に結び付き、いまはその身内が元気に暮らすことができております。私自身がそうした取り組みを通じてとても大事だと思っているのは、やはり身内を救いたいというような熱い思いが困難を乗り越えるひとつのファクターになるのではないか、ということです。一方、全体を俯瞰的に見て柔軟に対応する、そうした一貫性と柔軟性のバランスがとても重要なものと考えています。
最優秀プロジェクト賞(Large部門)
特別賞(情報サービス産業協会 デジタルトランスフォーメーション賞)
プロジェクト名:SOP(Seiho Open-Innovation Project)~企業年金の制度管理事務における生保共通プラットフォームの構築~
プロジェクト実施主体:企業年金ビジネスサービス株式会社(Corporate-pension Business Service:CPBS)
受賞のご挨拶(企業年金ビジネスサービス 情報システム部 部長 原嶌 努 さん):
栄誉ある賞をいただき本当にありがとうございます。先日のセミナーを視聴された多くの方々にこのSOPのことを知っていただき、そこから何か学びのあることご評価いただいた結果だと受け止めております。それが何よりも嬉しいことです。我々が9年間苦労して取り組んだことやその中で工夫したことをお伝えでき、今まさにプロジェクトで苦労されている方、これから新しいプロジェクトにチャレンジしていこうという方に、多少なりともお役に立てたのではないかと思っております。当社CPBSは企業年金のバックヤードの事務サービスを担っている会社です。普段は生保会社の縁の下の力持ち的な位置付けですので、当社が前面に出る、注目されるという機会は非常に少ないのですが、今回PM AwardでSOPを紹介し、最優秀賞をいただいたことで、CPBSという会社、SOPの成果を世の中のみなさまにも認めていただいたと捉えております。申し上げるのは僭越ですが、これは当社にとっては快挙であり、大変光栄なことと受け止めております。週明けに大阪に戻り、社内のメンバー、関係各社のみなさまと喜びを分かち合いたいと思います。ひとりひとりの自信と誇りにつながると思います。また、SOPはプロジェクトとしては完了しておりますが、生保7社の事務という意味ではまだスタートしたばかりです。本当に真価を問われるのはこれからのCPBSの取り組み次第とも思っております。今回SOPでナショナルインフラを担うということで、大変責任も重くなったと感じております。また、われわれが担う年金は、今後の高齢化社会において、社会保障制度の中でもますます重要性が高まってくると思っておりますので、CPBSとしても一層社会に貢献できるような取り組みをして参りたいと思います。ぜひ今後のCPBSを見守っていただければと思います。
優秀プロジェクト賞(Small & Medium部門)
プロジェクト名:インドの子供たちへ音楽を届ける「Japan-India Harmony Festival」 プロジェクト
プロジェクト実施主体:Japan-India Harmony Festival
受賞のご挨拶(Japan-India Harmony Festival 三宅 ひろみ さん):
インドの子供たちの未来を広げることへの思いを行動に移し、その初めの一歩、スタートダッシュには多大なエネルギー、情熱が必要でした。それを実現させるためには、ともに頑張れる同志の存在が不可欠でした。モチベーションを共有してキープし、様々な問題をクリアした結果、ファイナリストに選出されたことを素直に嬉しく幸せなことだと思っています。アルス金管五重奏団は今後も世界中の子供たちの夢を作っていく所存です。素敵な仲間、チームメンバーがいてくれたこと、このPM Awardの場を設けていただいたこと、そしてチャンスに恵まれたこと、心から喜び感謝しています。ありがとうございました。
優秀プロジェクト賞(Small & Medium部門)
特別賞(パーソル総研 well-being賞)
プロジェクト名:無人販売レジBAITEN STANDによる地方小売課題解決モデルの構築
プロジェクト実施主体:株式会社AIBOD
受賞のご挨拶(AIBOD 代表取締役 松尾 久人 さん)
私どもは九州福岡の会社ですけれども、AIのいろいろな技術を活用してシステムを作っておりまして、その中で今回の無人販売レジ、セルフレジをより進化させたものを企画して、福島県の東日本大震災の災害に遭われた地域で小売のインフラを作っていく機会がありプロジェクトを開始しました。足掛け3年になりますが、地域の発展とともに少しずつ地域に入っていき、地元の人と交流を図りながら進めてきたプロジェクトの成果として、さらに発展させていこうとしているところです。来週また福島に行って地域の人たちと今回の受賞を分かち合いたいと思います。
優秀プロジェクト賞(Small & Medium部門)
特別賞(岡山大学 SDGsイノベーション賞)
プロジェクト名:PROJECT ATAMI
プロジェクト実施主体:PROJECT ATAMI 実行委員会
受賞のご挨拶(PROJECT ATAMI 実行委員会 ATAMI ART GRANTプログラム ディレクター 冠 那菜奈 さん):
アートのプロジェクトは、PMI日本支部でもあまり出てきたことがないものと思いますけれども、昨年からPMI日本支部のみなさまともいろいろと連携しながら、われわれも学びながら取り組まさせていただいています。熱海にはみなさんいろいろな印象をお持ちと思いますが、いろいろな社会課題を抱えている街で、そこにアートというものがどのように関連・作用して、みなさんとこれからの街を作っていけるのかを考えていまも実行しています。来月、プロジェクトのひとつのお披露目として芸術祭も開催しますので、ぜひみなさまも足を運んでいただいて、熱海の街やアートを楽しんでいただけたらと思います。ありがとうございました。
優秀プロジェクト賞(Large部門)
特別賞(ITI イノベーション賞)
プロジェクト名:勇者はUXデザインから生まれる?人生の大切なことをゲームから学ぶ展
プロジェクト実施主体:公益財団法人日本デザイン振興会、株式会社たきコーポレーション
受賞のご挨拶(たきコーポレーション コピーライター 林 健太 さん):
わたくしどもは広告デザインを主に行なっている会社ですけれども、近年活動の場を広げていくということで様々なことに挑戦させていただいています。
その中でプロジェクトマネジメントの部門で評価いただいたことを誇りに思い励みになっております。このプロジェクトは少人数でスタートしたもので、わずか数か月で8つの展示ゲームを作る、かなり無茶なプロジェクトでした。社内で幾度となく形にしながら説明会を行ってメンバーを募っていくという形で無事イベントを開くことができました。そうした結果が受賞につながったことをメンバー一同、嬉しく思っております。今後、京都など巡回展も行う予定ですので、これを励みに頑張っていきたいと思います。本日はありがとうございます。
優秀プロジェクト賞(Large部門)
プロジェクト名:グローバル品質マネジメントシステムの改革プロジェクト
プロジェクト実施主体:株式会社NTTデータグループ
受賞のご挨拶(NTTデータグループ 技術革新統括本部 品質保証部 課長代理 中村 英恵 さん):
わたしたちの取り組みは、グローバルレベルで品質保証の枠組みを見直していこうというものになります。世界各国のメンバーとともに検討を重ねながら、グローバルでの枠組みのルール作りやグローバルでの品質改革のマネジメントシステム再構築を達成してきました。このような取り組みが今回受賞させていただいたことを大変光栄と思っております。プロジェクトメンバーに伝え、喜びを分かち合いたいと思います。
優秀プロジェクト賞(Large部門)
特別賞(MCPC 最優秀賞)
プロジェクト名:TOYOTA x KINTO Unlimited Connected Drive Trainer(CDT)アプリ開発
プロジェクト実施主体:トヨタ自動車株式会社、KINTOテクノロジーズ株式会社
受賞のご挨拶(トヨタ自動車 社会システムPF開発部 グループ長 坪田 沙弥香 さん、KINTOテクノロジーズ株式会社 新サービス開発部 副部長 上田 憲人 さん):
坪田さん)弊社は、お客様を笑顔に、幸せの量産ということをテーマに仕事を進めています。このプロジェクトはモビリティーの変革ということで、お客様が車両をご購入されまして走行されるデータを使って様々なサービスを作っていこうというものです。その中で、KINTOテクノロジーズと一緒にチームとしてひとつのプロジェクトを進めていくところがチャレンジでした。お客様を幸せにするだけではなく、プロダクトマネジメントには色々難しいところがあり、エンジニアのみなさまが毎日笑顔で開発を進めていけるようにすることが大事だと思っています。
上田さん)今回トヨタ自動車と一緒に携わったプロジェクトでの受賞、光栄に思います。このプロジェクトは交通安全に資することが大きな目的ですが、KINTOは車のサブスクとしてご存知かと思いますけれども、もうひとつの役割としてトヨタがみなさまに価値をお届けする実験場という意味もあると考えています。その実験の大きな一歩目が今回のプロジェクトだったと思っており、「プロジェクトの終わりはスタートである」と考え、次のスタートに向かって勢いをつけ歩んでいければと思います。
表彰にあたってのメッセージ
Project Management Institute (PMI)
アジア太平洋地域マネージングディレクター SoHyun Kang
「昨今において、すべての変革はプロジェクトとそれにより生み出される社会的インパクトを通じて成し遂げられます。プロジェクトの成功を測定する方法を再構築し、より戦略的に考え、プロジェクトが企業、コミュニティ、社会に何をもたらすかに焦点を当てることが重要です。成功するプロジェクトとは、そこにかけた労力と費用を正当化するだけの価値を”創出”し、”提供”するのです。そして 今日私たちが目にした受賞者たちは、まさにその証です。彼らはプロジェクトの成功を最大化し、我々の社会を向上させてきました。私は、彼らがもたらした成功と、地域社会、プロジェクトマネジメントという職業、そして社会全体に与えたポジティブなインパクトについて、心から嬉しく、誇りに思います。」
表彰式総評
一般社団法人PMI日本支部 会長/PM Award 選考委員会 端山 毅
各賞受賞されたみなさま、おめでとうございます。
みなさまも、式典最初の紹介ビデオをご覧になって、また各賞授与の際の講評をお聞きになって、それぞれが素晴らしいプロジェクトであることをあらためて感じられたことと思います。
特に「SOP~」のプロジェクトは、多くのステークホルダーのみなさまがしっかり気持ちをひとつにして長い期間で成し遂げていることは、尋常なことではないと思いました。多くの皆さんが学ぶ点が多くあるプロジェクトでした。
また、「リハビリテーション~」のプロジェクトは、地場やそれぞれの事業分野においてAIを積極的に活用する形でのプロジェクトとして、現時点でここまで実現できていることは素晴らしい先進的な取り組みだと思います。特に実際に現場で働いているみなさんの意見を集めて、みなさんの思いと課題感を拾いながら開発されている。自分たちの作業負担を減らしつつ、できるだけより良いサービスを提供するという点でみなさんがひとつになっているプロジェクト、と感じました。
今回受賞されたプロジェクトは、それぞれが夢のあるプロジェクトだと思います。過去20年30年日本は低迷してきたという話はありますけれども、この2~3年は明るい兆しがある。明るい兆しは政治家や財界の人が言うだけで実感が無いという声も耳にしますが、最近いろいろなところで拝聴・拝見するものや今回受賞されたプロジェクトを見ますと、やはり日本の中には新しい動きが始まっていて、従来とは違う形でいろいろな挑戦をされている方が多数おられるということが分かります。やり方も違いますし取り上げているテーマもそれぞれ違いますが、みなさんがそれぞれに新しいやり方でそれぞれの課題に取り組まれており、過去30年とは何か違った形で日本が新しい形に変わっていくのではないか、と感じました。
ぜひそういうところにプロジェクトマネジメント、を多くの方々に活かしていただいて、それぞれの方の思いを形にする、プロジェクトマネジメントの厳密な定義は始まりがあって終わりがあるなど、いろいろとPMIが定義はしていますが、あまり細かいことには拘らずに使えるところは使っていただくことが大事と思いますし、みなさん流のプロジェクトマネジメントを編み出していただくというのも大事かと思います。みなさんと交流を深めながら、PMIの会員、そして会員以外にもいろいろな形でプロジェクトに関わっておられる方が大勢いらっしゃると思いますので、協力しながらより良い社会を創る、社会に貢献するような活動に取り組んでいけたら、と思います。
【PM Award関連情報】
PM Award 公式WEBサイト
【一般社団法人PMI日本支部について】
一般社団法人PMI日本支部は、世界最大級のプロジェクトマネジメント普及啓発団体であるPMI の日本における支部として、日本国内でのプロジェクトマネジメントの普及を目的に、さまざまなステークホルダーと共に活動しています。
PMI 日本支部の活動は、会員ボランティア、法人スポンサー、アカデミックスポンサーに支えられつつ、各種イベントや研究会の開催、PMI 出版書籍の日本語訳・販売等を通じて、会員の方々ご自身のPM スキルの研鑽につながっています。また、ビジネス・アナリシスやアジャイル・アプローチまで、ディジタル・ディスラプションに取り組む手法の啓発へと活動の質的拡大も続けています。
法人名︓一般社団法人PMI日本支部
所在地︓東京都中央区日本橋中洲3-15 センタービル3階
URL︓ https://www.pmi-japan.org/
【Project Management Institute (PMI)について】
PMIは、プロジェクトマネジメントの権威であり、プロジェクトを成功に導くことを使命としています。1969年以来、PMIはプロジェクトマネジメントの力とプロジェクトを支える人々に光を当ててきました。PMIは、グローバルコミュニティ、最高水準の認定資格、そして生涯学習の機会を提供することで、既存、そして未来のプロジェクト・プロフェッショナルと、組織に対して、効果的にリードを可能にし、所属するコミュニティに対しポジティブな影響を与えるような知識とリソースを提供しています。
詳細については、www.PMI.orgおよび Instagram @pmi_org、TikTok @PMInstitute をご覧ください。
【本件に関する報道関係のお問い合わせ】
一般社団法人PMI日本支部 PM Award 事務局
担当:藤原 /西山 mail: award@pmi-japan.net
PMI Japan 広報事務局(株式会社オズマピーアール内)
担当: 中村(080-9368-5451)/岩田(080-9368-5458) mail: pmi_pr@ozma.co.jp
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