慶應義塾大学中嶋研究室との共同研究に関する中間報告について
当社と慶應義塾大学との間において実施中の後発医薬品(ジェネリック医薬品)普及に関する共同研究の途中成果について、下記のとおりお知らせいたします。
■共同研究テーマ
オーソライズド・ジェネリック(AG:Authorized Generic)(※1)がジェネリック医薬品普及に与える影響の分析
■研究概要
当社は医療ビッグデータ事業において、厚労省が掲げている目標である「2023年度末までに全ての都道府県でジェネリック医薬品(※2)の使用割合80%以上」に有効な施策を提案するべく、2022年7月より慶應義塾大学との間においてジェネリック医薬品普及に関する共同研究を実施しております。
(https://www.jast.jp/news/14800/ 参照)
本研究では、利用許諾を得て匿名加工したレセプトデータ(病院等で診断がなされた内容や施された処置等の情報が含まれる)を利用して、患者に処方された医薬品データを分析し、AGと先発医薬品の使用率の関係を調査します。その結果からジェネリック医薬品の使用割合を増加させるための施策を仮説検証し、各種保健事業への導入やジェネリック医薬品普及に関する新規商材開発の検討を進めてまいります。
■研究の成果(中間報告)
当社のレセプトデータから一部の医薬品に対してAGとジェネリック医薬品の普及率を分析したところ、AGがジェネリック医薬品普及を促進する結果が得られました。この結果よりAGの普及がジェネリック医薬品の普及に対して効果的である可能性が示唆されました(図1参照)。
一方で、AGではないその他のジェネリック医薬品(ここではOG:Other Genericとする)の普及もジェネリック医薬品全体の普及において無視はできないものとなっております。そこで、よりAG普及の効果を実証するため、医薬品や薬局ごとにAGとOGがジェネリック医薬品普及に与える影響について分析しました。
分析の結果、一部の医薬品において薬局ごとにAGとOGがもたらすジェネリック医薬品普及効果には差が生じており、OGは処方しているがジェネリック医薬品普及率が低い薬局ほど、AGにおけるジェネリック医薬品普及効果が高いことを定量的に明らかにしました(図2参照)。
上図では、OGの処方によりジェネリック医薬品普及率が高い薬局(黄破線)とジェネリック医薬品普及率が低い薬局(赤破線)について、AGを採用することがジェネリック医薬品普及率に与える影響を表しています。
■今後の展望
研究成果より、一部の医薬品に対して「AGがジェネリック医薬品普及率を有意に上昇させること」、および「薬局ごとにAG・OGがジェネリック医薬品普及率に与える影響の異質性があること」が明らかになりました。
今後はさらに多くの医薬品に対して、上記2点との関連性を分析してまいります。また、AG・OGの導入にかかわるコスト面の要因について追究し、各種保健事業に対する有効なご提案を検討してまいります。
■未来共創Labについて
当社未来共創Labは医療ビッグデータ事業として、医療現場や各種保険者様が抱える課題の解決へ向けて、メディカルビッグデータ(レセプト、健康診断データ等)を利用した医療DXを推進しております。当社データの価値を高め、お客様の課題を解決するための可能性を広げるべく、今後も引き続き本研究における分析を進めてまいります。
また未来共創Labでは、SDGs(Sustainable Development Goals)目標3「すべての人に健康と福祉を」、目標9「産業と技術革新の基盤を作ろう」へ向けて、メディカルビッグデータを利活用した健康増進を目的とし、産学連携での商材開発・共同研究を実施しております。
■共同研究者紹介
中嶋 亮 (慶應義塾大学 経済学部 教授)
<略歴>
1994年 京都大学農学部農林経済学科卒業
2004年 ニューヨーク大学経済学部博士課程修了(Ph.D. in Economics)
応用計量経済学を専門としており、2018年に日本経済学会石川賞を受賞。社会的相互作用の実証分析を研究テーマとして、人々が市場を超えたチャンネルで互いに影響しあうメカニズムと、その相互作用から発生する外部経済性についてデータでの検証を行ってきた。
■データに関する補足
本リリース内におけるグラフに関する基礎情報は以下の通りです。
期間:2014年~2021年
地域:全都道府県
処方件数:903,646件
薬局店舗数:47,646店舗
※1:オーソライズド・ジェネリック(AG:Authorized Generic)
新薬メーカーから許諾を得て製造した、原料および製法が新薬と同一のジェネリック医薬品
※2:ジェネリック医薬品
新薬(先発医薬品)の特許が切れた後に製造販売される、新薬と同一の有効成分を同一量含み、効き目が同等な医薬品(厚労省より)
【本件に関するお問い合わせ】
日本システム技術株式会社 未来共創Lab
お問い合わせ:https://www.jastlab.jast.jp/contact/
未来共創Labサイト:https://www.jastlab.jast.jp/
▼日本システム技術株式会社 企業情報
https://www.jast.jp/
以上
オーソライズド・ジェネリック(AG:Authorized Generic)(※1)がジェネリック医薬品普及に与える影響の分析
■研究概要
当社は医療ビッグデータ事業において、厚労省が掲げている目標である「2023年度末までに全ての都道府県でジェネリック医薬品(※2)の使用割合80%以上」に有効な施策を提案するべく、2022年7月より慶應義塾大学との間においてジェネリック医薬品普及に関する共同研究を実施しております。
(https://www.jast.jp/news/14800/ 参照)
本研究では、利用許諾を得て匿名加工したレセプトデータ(病院等で診断がなされた内容や施された処置等の情報が含まれる)を利用して、患者に処方された医薬品データを分析し、AGと先発医薬品の使用率の関係を調査します。その結果からジェネリック医薬品の使用割合を増加させるための施策を仮説検証し、各種保健事業への導入やジェネリック医薬品普及に関する新規商材開発の検討を進めてまいります。
■研究の成果(中間報告)
当社のレセプトデータから一部の医薬品に対してAGとジェネリック医薬品の普及率を分析したところ、AGがジェネリック医薬品普及を促進する結果が得られました。この結果よりAGの普及がジェネリック医薬品の普及に対して効果的である可能性が示唆されました(図1参照)。
図1:各都道府県におけるAGの普及率(横)とジェネリック医薬品の普及率(縦)
一方で、AGではないその他のジェネリック医薬品(ここではOG:Other Genericとする)の普及もジェネリック医薬品全体の普及において無視はできないものとなっております。そこで、よりAG普及の効果を実証するため、医薬品や薬局ごとにAGとOGがジェネリック医薬品普及に与える影響について分析しました。
分析の結果、一部の医薬品において薬局ごとにAGとOGがもたらすジェネリック医薬品普及効果には差が生じており、OGは処方しているがジェネリック医薬品普及率が低い薬局ほど、AGにおけるジェネリック医薬品普及効果が高いことを定量的に明らかにしました(図2参照)。
図2:AG導入の有無(横)とジェネリック医薬品の普及率(縦)における薬局ごとの関係
上図では、OGの処方によりジェネリック医薬品普及率が高い薬局(黄破線)とジェネリック医薬品普及率が低い薬局(赤破線)について、AGを採用することがジェネリック医薬品普及率に与える影響を表しています。
■今後の展望
研究成果より、一部の医薬品に対して「AGがジェネリック医薬品普及率を有意に上昇させること」、および「薬局ごとにAG・OGがジェネリック医薬品普及率に与える影響の異質性があること」が明らかになりました。
今後はさらに多くの医薬品に対して、上記2点との関連性を分析してまいります。また、AG・OGの導入にかかわるコスト面の要因について追究し、各種保健事業に対する有効なご提案を検討してまいります。
■未来共創Labについて
当社未来共創Labは医療ビッグデータ事業として、医療現場や各種保険者様が抱える課題の解決へ向けて、メディカルビッグデータ(レセプト、健康診断データ等)を利用した医療DXを推進しております。当社データの価値を高め、お客様の課題を解決するための可能性を広げるべく、今後も引き続き本研究における分析を進めてまいります。
また未来共創Labでは、SDGs(Sustainable Development Goals)目標3「すべての人に健康と福祉を」、目標9「産業と技術革新の基盤を作ろう」へ向けて、メディカルビッグデータを利活用した健康増進を目的とし、産学連携での商材開発・共同研究を実施しております。
■共同研究者紹介
写真:中嶋亮教授と未来共創Lab市原社員
中嶋 亮 (慶應義塾大学 経済学部 教授)
<略歴>
1994年 京都大学農学部農林経済学科卒業
2004年 ニューヨーク大学経済学部博士課程修了(Ph.D. in Economics)
応用計量経済学を専門としており、2018年に日本経済学会石川賞を受賞。社会的相互作用の実証分析を研究テーマとして、人々が市場を超えたチャンネルで互いに影響しあうメカニズムと、その相互作用から発生する外部経済性についてデータでの検証を行ってきた。
■データに関する補足
本リリース内におけるグラフに関する基礎情報は以下の通りです。
期間:2014年~2021年
地域:全都道府県
処方件数:903,646件
薬局店舗数:47,646店舗
※1:オーソライズド・ジェネリック(AG:Authorized Generic)
新薬メーカーから許諾を得て製造した、原料および製法が新薬と同一のジェネリック医薬品
※2:ジェネリック医薬品
新薬(先発医薬品)の特許が切れた後に製造販売される、新薬と同一の有効成分を同一量含み、効き目が同等な医薬品(厚労省より)
【本件に関するお問い合わせ】
日本システム技術株式会社 未来共創Lab
お問い合わせ:https://www.jastlab.jast.jp/contact/
未来共創Labサイト:https://www.jastlab.jast.jp/
▼日本システム技術株式会社 企業情報
https://www.jast.jp/
以上
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