BASF、農業における温室効果ガス(GHG)排出量削減の道筋を示す、Global Carbon Field Trialsの最初の結果を発表

BASFジャパン株式会社

イネのフィールド試験を行ったイタリアのピエモンテ州のほ場 / 小麦のフィールド試験を行ったドイツのラインラント=プファルツ州のほ場

・主要作物において個別に調整したソリューションを使用し、温室効果ガス排出量を最大30%削減

・BASFは、農業の気候変動への影響を緩和するためフィールドテストを継続

BASF(本社:ドイツ ルートヴィッヒスハーフェン)のアグロソリューション事業本部はこのたび、複数年にわたり行われたGlobal Carbon Field Trials(グローバルカーボンフィールドトライアル)の最初の結果を発表しました。

この結果は、作物や地域に応じた気候変動に対応したアプローチで栽培を行った場合、慣行栽培に比べて、農業における温室効果ガス排出量を最大30%削減できることを示しています。BASFは農業者が作物1トンあたりの温室効果ガス排出量を30%削減できるよう支援することを2020年に発表*1しました。

試験はさまざまな地域と主要作物(小麦、トウモロコシ、ナタネ/アブラナ、イネ、大豆)で実施され、2021年から2023年までの結果から、農業の気候変動への影響を緩和する地域・作物共通の万能な解決策は存在しないことが明らかになりました。そのため、温室効果ガス排出量を削減するには、介入策、製品、技術を組み合わせて取り組む必要があります。 

本レポートでは、作物の収量も考慮しつつ、意思決定を支援するデジタルソリューションや窒素安定剤による肥料使用の最適化、高性能種子の使用など、温室効果ガス排出量を削減するアプローチの成功例を報告しています。

BASFアグロソリューション事業本部グローバルマーケティング担当シニアバイスプレジデントであるマルコ・グロズダノビッチは次のように述べています。

「気候変動はすでに始まっています。収量を損なうことなく温室効果ガス排出量を大幅に削減するためには、栽培方法を適応させる必要があります。農業が大切だと思うなら、持続可能性にコミットしなければなりません。この度のトライアルから得られた知見は、私たちのGlobal Carbon Farming Program(グローバルカーボンファーミングプログラム)*2を後押しするものであり、農業者が気候や自然をポジティブに変えるパイオニアになる活動を支援します。」

このトライアルは、農業者が温室効果ガス排出量を削減するために直面する課題、特に悪天候による影響や、収量に悪影響を及ぼす排出量削減方法についても明らかにしています。BASFは、パートナーとともにGlobal Carbon Field Trialsを通じて実地試験を継続し、世界中の農業者のために科学とデータに裏打ちされた実践的かつ、気候変動に適応した解決策を見いだしていきます。

Global Carbon Field Trialsの結果

下記は、本レポート結果から一部抜粋したテキスト文を日本語に訳した内容になります。

小麦

小麦栽培の試験において、土壌の管理と意思決定を支援するデジタルソリューションの組み合わせを中心とした代替アプローチを用いることで、温室効果ガス強度(GHGi)*3を30%削減することができました。窒素安定剤の使用により窒素肥料の使用量を減らすことでGHGiを削減できました。デジタルソリューションを使用することで、肥料使用量を減らしつつ収量を維持しました。すべての代替アプローチが目標とするGHGi削減を達成したわけではなく、慣行栽培と比べて削減率は2%から37%まで幅がありました。

イネ

水田でのイネ栽培は最も排出量の多い作物システムの一つですが、排出量を削減するための有望な技術や介入策があります。除草剤耐性品種とデジタルソリューションを活用した直播栽培は、すでにイタリアの農業者によって広く採用されており、GHGiの低減に寄与しています。イタリアでの試験では水の使用量を削減したことで、慣行栽培と比較してGHGiを最大16%削減できました。また、播種率の最適化は種子の購入コストの適正化と収量増加に貢献しました。今後、アジアでも最適な水管理、土壌管理、窒素安定剤、直播栽培、高性能なイネ品種を用いて試験を実施する予定です。

大豆

ブラジルではすでに根粒菌や不耕起栽培などが標準的な手法として農業者に採用されていますが、大豆栽培における代替手法により最大で9%のGHGi削減を達成しました。米国ではブラジルほど不耕起栽培が一般的でないため、保全耕起などによる土壌改良でGHGiを削減できる可能性があります。収量を維持しながらGHGiを削減するための解決策として、土壌改良の手法を評価する予定です。

その他のレポートに関する詳細については、 https://agriculture.basf.com/global/en/sustainable-agriculture/climate-smart-farming/carbon-field-trial-program(英語) をご覧ください。 

*1 https://www.basf.com/jp/ja/media/news-releases/global/2020/11/p-20-365

*2 https://www.basf.com/jp/ja/media/news-releases/global/2021/12/p-21-397

*3 作物1トン当たりの二酸化炭素換算の排出量

※この資料はBASF本社(ドイツ)が2024年9月12日に発表した英語のプレスリリースをBASFジャパンが日本語に翻訳・編集したものです。
※このプレスリリースの内容および解釈については英語のオリジナルが優先されます。

 

■BASFのアグロソリューション事業本部について

私たちのすべての行動の理由は、「農業が、好きだから」。農業は、急速に増加する人口に対応するため、健康的で手頃な価格の食料を安定的に供給するとともに、環境負荷を低減することが求められています。そのため私たちは提携パートナーや農業の専門家と協力し、あらゆるビジネス上の判断を持続可能性(サステナビリティ)を基準に行っています。2023年には9億ユーロを強力な研究開発パイプラインに投資し、革新的なアイデアから実用的なソリューションを生み出しています。当社のソリューションは、さまざまな作物システム向けに設計されています。種子、作物の形質、化学農薬、デジタルツールとサステナビリティのアプローチを組み合わせ、農業者・生産者とバリューチェーンにおけるステークホルダーが最高の結果を出せるよう支援しています。研究所、生産現場、オフィス、製造拠点のチームと共に、農業の持続可能な未来を築くために全力を尽くしています。2023年の売上高は101億ユーロでした。アグロソリューション事業部についての詳細はhttps://www.agriculture.basf.com/jp または各種ソーシャルメディアをご参照ください。

 

■ BASFについて

BASF(ビーエーエスエフ)は、ドイツ ルートヴィッヒスハーフェンに本社を置く総合化学会社です。持続可能な将来のために化学でいい関係をつくることを企業目的とし、経済的な成功とともに環境保護と社会的責任を追及しています。また、全世界で約112,000人の社員を有し、世界中のほぼすべての産業に関わるお客様に貢献しています。ポートフォリオは、6つの事業セグメント(ケミカル、マテリアル、インダストリアル・ソリューション、サーフェステクノロジー、ニュートリション&ケア、アグロソリューション)から成ります。2023年の BASFの売上高は689億ユーロでした。BASF株式はフランクフルト証券取引所(BAS)に上場しているほか、米国預託証券(BASFY)として取引されています。BASFの詳しい情報は、https://www.basf.com をご覧ください。

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会社概要

BASFジャパン株式会社

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業種
製造業
本社所在地
東京都中央区日本橋室町3-4-4 OVOL 日本橋ビル3階
電話番号
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代表者名
石田 博基
上場
未上場
資本金
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設立
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