生成AIリテラシーを育む、小学生向け新授業プログラム始動！

企業教育研究会がアクセンチュアの支援で教材を開発、パイロット授業を実施し教材配布も順次開始予定

NPO法人企業教育研究会（理事長：藤川大祐（千葉大学教育学部長/教授））は、この度、アクセンチュア株式会社より社会貢献活動の一環としての支援を受け、小学生向け授業プログラム「生成AIって何だろう？」を開発しました。本プログラムのパイロット授業を6月より実施し、教材配布も順次開始予定です。

授業についての詳細はこちら

開発背景：10歳でスマホを持つ時代に「生成AIとどう付き合うか」を学ぶ重要性

ChatGPTの登場以来、生成AIは私たちの社会に急速に浸透し、様々な場面で活用されるようになりました。生成AIが標準搭載されたパソコンやスマートフォンも登場する中、10歳の子どもの66.7%がスマートフォンを通してインターネットに接続しているという調査結果（※1）もあり、AIは小学生にとってもはや身近な存在になりつつあります。したがって、小学生のうちから生成AIに触れ、その基本的な仕組みや特徴、活用方法を理解しておくことは、AIと共存していく上で重要です。

このような状況で、子どもたちに生成AIをどのように伝えるべきかは、教育現場の大きな課題です。文部科学省のガイドライン（※２）では、生成AIを授業の中で使うだけでなく、「生成AI自体を学ぶ場面」、「使い方を学ぶ場面」、「各教科等の学びにおいて積極的に用いる場面」を組み合わせつつ、生成AIの仕組みへの理解や学びに生かす力を高める重要性が強調されています。

全国では生成AIを使った授業の試みが少しずつ増えていますが、私たちは、授業の中で生成AIを使ったり、注意点を教えたりするだけでなく、生成AIの基本的な仕組みや特徴を理解した上で、子どもたち自身がそれを適切に活用できる力を身につけることを重要な目的として新しい授業プログラムを開発しました。

さらに、この生成AIリテラシー教育をより早く、広く普及させるため、対面での出張授業だけでなく、全国の先生方が自ら授業に活用できるダウンロード教材としての展開も視野に入れ、準備を進めています。今後、本プログラムの実際の授業風景を報道機関向けに公開する機会も設ける予定です。

「生成AIって何だろう？」　授業プログラム概要

 

対象： 小学校５・６年生　　　　授業時間： 45分

主な授業内容：

AIの基礎を学ぶ: 日常生活の事例を通して、AIの仕組みと役割を理解します。

生成AIの可能性を知る: 講師がプロンプト入力の実演を通して、文章や絵の生成を体験。これまでのAIとの違いや、生活・学習・仕事における変化を学びます。

プロンプト作成のコツを習得: 「苦手な学習の克服方法」をテーマに、生成AIを上手に活用する3つのプロンプト作成のコツを実践的に学びます。

生成AIの注意点を考える: 生成AIが情報を生成する仕組みを理解し、情報の正確性や著作権に関する課題を考察。最終的な情報判断は自身で行うことの重要性を認識します。

【　授業プログラムの詳細はこちら： https://ace-npo.org/wp/archives/project/gene-ai　】

【監修者コメント】

藤川 大祐 教授 （千葉大学教育学部長／NPO法人企業教育研究会 理事長）

AIは、子どもたちが生きる未来において不可欠なツールとなります。このプログラムでは、単にAIを使うだけでなく、その裏側にある仕組みを理解し、倫理的な問題も含めて深く考える機会を提供します。子どもたちがAIを『使いこなす』だけでなく、『AIと共に生きる』ための土台を築くことを目指しました。

【支援協力】

アクセンチュア株式会社

アクセンチュアは、世界を代表する総合コンサルティング会社です。社会貢献活動の一環として、STEAM人材の育成に取り組んでいるアクセンチュアは、2015年より企業教育研究会の教材開発を支援しています。今回の授業に用いる教材の開発にあたっては、開発への助成及び生成AIに関する最先端の専門的知見を提供いただきました。

※1：こども家庭庁「令和６年度 青少年のインターネット利用環境実態調査 調査結果（速報）」より

※2：初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン　より

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NPO法人企業教育研究会（ACE）

NPO法人企業教育研究会（ACE）は、「誰もが教育に貢献する社会」の実現をめざし、2003年に設立した千葉大学発のNPO法人です。企業と学校を結び、企業のリソースを活かして小学校、中学校、高等学校等に新しい授業プログラムや教材を届ける「企業と連携した授業づくり」を専門としている団体です。