株式会社シスコムがJSTの支援により大型港湾施設対応の新型コンテナターミナルオペレーションシステム実装を目指す
~コンテナターミナルの無人化により人手不足問題の解決に期待~
JST(理事長 橋本 和仁)は、研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)実装支援(返済型)の2025年度募集において、港湾システムを開発する株式会社シスコム(本社:福岡県北九州市、代表取締役:岩永 満宏)に対する開発支援を決定しました。
株式会社シスコム(以下、「シスコム」という。)は、A-STEPの支援により、世界的に流通量が増加し物流が逼迫する中で、コンテナの積み卸し作業を全自動で行える次世代システムを目指し、コンテナを運ぶ車両の動きや積み卸しなどの荷役作業全体を最適化する技術の現場実装に取り組みます。

▶日本のコンテナターミナルを取り巻く課題
日本の貿易を支えるコンテナターミナルは、国際的な物流の拠点として、荷役(にやく)事業者や税関などが関与し、膨大な数のコンテナが行き交う港湾施設です。
近年、EPA/FTAなどの国際貿易振興に伴うコンテナ取扱量の増加により、コンテナの一時保管場所不足、コンテナ1個あたりの作業時間の増加などの問題に加え、港湾労働者の不足という問題も深刻化しています。
▶シスコムが挑む新システムの構築
シスコムは、九州工業大学で開発したコンテナ自動蔵置技術を使って、コンテナ年間取扱量100 万個以上の大規模のコンテナターミナル全体を運用・管理するシステム(以下、「本システム」という。)の構築を目指しています。

本システムでは、これまで人手で行っていたコンテナターミナル内のコンテナの蔵置場所の特定を自動化しています。準天頂衛星システム(QZSS)やETCの通信装置を搭載した荷役重機を利用して、その識別情報や位置情報からコンテナの蔵置場所を推定します。コンテナ自動蔵置技術が計算する最適化された計画に基づいて、逐次重機に蔵置場所への経路・時刻を指示することが可能となるため、人手による指示と比較して、作業時間を削減できます。
同社はA-STEPの支援により、中規模から大規模のターミナルでスケーラブルに本システムが利用可能であることの実地検証をおこない、作業時間の削減効果などシステムの有効性を実証します。本システムの実地への導入によって、将来的には、コンテナターミナルの無人化実現も可能であり、人手不足の問題解決にも寄与することが期待できます。
▶大学発のコンテナ自動蔵置技術
九州工業大学で開発された「コンテナ自動蔵置技術」は、探索最適化フレームワークであるA*アルゴリズムを応用して、海上輸送する船舶と陸上輸送するトレーラーの間の一時保管場所であるコンテナターミナル内で、船舶やトレーラーから蔵置場所へのコンテナの移動、蔵置場所から指定されたトレーラーや船舶へのコンテナ積載までの荷役作業全体を最適化できるように計画を立てるものです。
具体的には、コンテナの積み上げ数の上限や1日で取り扱う総数、荷役作業を担う重機の性能・機能などの制約条件の下、コンテナの積み上げで生じる荷繰り(にくり)、重機同士が衝突しない移動経路・作業の開始終了時刻や積み卸し作業などの複数の要因を調整して、全作業時間が最短になるように計算します。
▶開発の概要
1.開発課題名
荷役作業効率を高めるコンテナ自動蔵置ロジックの実装システムの開発
2.技術シーズを創出した大学等の研究者
片峯 恵一(九州工業大学 大学院 情報工学研究院 准教授)
3.開発実施企業

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企業名 |
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設立月 |
1988年4月 |
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本社所在地 |
福岡県北九州市 |
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代表取締役 |
岩永 満宏 |
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事業内容 |
コンテナターミナルオペレーションシステムの開発事業 など |
▶ A-STEP実装支援(返済型)の概要
1.制度概要

大学等の研究成果(技術シーズ)の社会実装を目指すスタートアップ等を対象に、革新的な製品・サービス創出に向けた実用化開発を開発費の貸し付けにより支援するものです。
2.対象企業:スタートアップ等
3.支援規模
・開発期間:最長3年間
・開発費:上限5億円(四半期ごとに概算額を前払い)
4.返済条件:
・返済額 :JSTが支出した開発費の全額
・利 率 :無利子
・返済期間:開発終了後、10年以内(うち最長3年間は返済猶予が可能)
・返済方法:一括又は分割(事業計画に応じる)
※開発終了後の事後評価結果(高評価順にS,A,B,C)がB評価以上の場合です
5.担保または保証:開発費総額の10%相当分
6.ご相談期間:通年で随時受付中
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