「物流の紙伝票」は、ハンコ、FAXに次げるのか?「年間約3533億円」紙伝票の電子化による経済効果を試算
―コロナ禍において高まる「非接触」&「電子化」への期待―
物流に関するITソリューションを提供する株式会社TSUNAGUTE(本社:東京都千代田区、表取締役社長:春木屋悠人、以下ツナグテ)は、関西大学名誉教授 宮本勝浩氏の監修の元、物流業界の「紙伝票の電子化」による経済効果を試算しました。また、工場・物流センター・配送センターで紙伝票を扱う業務に従事する方々計400名を対象に「物流業界の紙伝票処理に関する調査」を実施し、その働き方の実態と課題を明らかにしました。ツナグテは今後も、物流に関わる各社と協力し、物流DXを推進してまいります。
2. 工場・物流センター・配送センターで業務をしている人は、1人あたり1日に約40枚を処理しており、約2時間も紙の伝票作業に時間を費やしている。
3. コロナ禍以降、約半数の人が、人の手を介する紙伝票に接触することに抵抗を感じている。
4. 物流業界において、企業間の連携など「サプライチェーンの横のつながり」が物流DXを実現させる鍵。
※1「物流業界においては、「陸路」「海路」「空路」による輸送方法があり、「陸路」では「道路輸送」の他にも「鉄道輸送」があるが、今回は「陸路の道路輸送」のみに対象者を絞った経済効果としている。
年末を迎えるにあたって新型コロナウイルスの感染拡大リスクが高まる今、物流センターが封鎖されれば医療崩壊と同様、社会的なインフラが危機に陥ってしまう可能性すらあります。
菅義偉首相は2020年9月16日、「デジタル庁」の創設を表明しました。今後は、デジタル化が進展し、日本の行政および経済の合理化、費用削減が進み、日本の社会と経済のさらなる発展が期待されています。物流業界では生産したモノが店舗に届けられるまでの間、モノと共に紙伝票が取り扱われています。陸上のモノ輸送だけでも製造、卸、運送ドライバー、倉庫業などあわせて約100万社が紙伝票を扱います。※2
こうした状況の中で、物流における「紙伝票の電子化」を行うことによる経済効果を試算し、その有用性を提唱することで、現在各社が取り組んでいる物流業界全体の業務効率化を加速させる一助となることを目指して本調査を企画しました。2020年度第3次補正予算案の内容にも注目が集まる今、既に電子化が提唱されている、ハンコやFAX用紙に加えて、多くの人の手を介して運ばれる「物流紙伝票」も電子化を図ることで、物流の現場で働く方々の労働負担や健康上のリスクを削減したいと考えます。
※2 運輸業は「日本のトラック運送産業現状と課題」(全日本トラック協会2020年)、倉庫業は「倉庫事業経営状況調査」(国交省平成30年度)の普通倉庫、冷蔵倉庫業、卸売業は、「経済センサス‐活動調査 産業別集計(卸売業,小売業に関する集計) (総務省統計局平成 28 年)、製造業は「商工業実態調査業種別の企業数」(経済産業省)をもとに算出。(順に62,461社+5,787社+364,814社+663,183社=1,040,025社)
物流業界の中の道路輸送業界の運送業と倉庫業の「紙伝票」がすべて電子化された時、伝票の電子化による業界全体の経済効果は年間約3,533億6,368万円となった。(業界全体の紙伝票作成の費用約191億3043万円、人件費約3342億3325万円)
うち、道路輸送業界の運送業の「紙伝票」がすべて電子化された時、1事業所の経済効果は年間約432万円、道路輸送業界の運送業界全体では年間約3,229億2,186万円。倉庫業の「紙伝票」がすべて電子化された時、1事業所の経済効果は年間約432万円、倉庫業界全体では年間約304億4,182万円。
<調査対象>
運輸・輸送業、倉庫業で伝票を扱う業務をしている全国の20~60代男女200名を対象に、事業所で1日に扱う伝票の数と1枚の紙伝票処理にかかる時間を調査しました。※3
物流業界とは、「人」、「物」を「陸路」、「海路」、「空路」で運ぶ仕事をする業界のことですが、今回は物流業界の中でも、特に「陸路」の中の「物」を運ぶ「道路運送」について、さらに「物を運ぶ運送業」と「物を保管する倉庫業」を対象にしています。今回は物流業界の中の道路輸送業界の運送業の「紙伝票」がすべて電子化された場合の経済効果を算出しました。
<試算方法>
関西大学名誉教授宮本勝浩氏の監修の元、調査及び経済効果の算出を行いました。試算にあたり、道路輸送業界の運送業と倉庫業の対象企業全体の事業所数を足し上げ、調査から得た、事業所で1日に扱う伝票の数(中央値100枚)と1枚の紙伝票処理にかかる時間(中央値5分)をそれぞれかけ合わせることで、各事業所で紙伝票を電子化することによる伝票用紙自体のコスト削減や紙の伝票処理の削減によってもたらされる人件費の削減効果を導き出し算出しました。
<宮本教授コメント>
今回は運輸業、倉庫業を対象に経済効果を算出していますが、物流業界においては、「陸路」「海路」「空路」による輸送方法があり、「陸路」では「道路輸送」の他にも「鉄道輸送」があるので、物流業界全体において紙の伝票がすべて電子化された時には、本報告書で計算した経済効果の数倍の経済効果があると想定されます。物流業界の発展、日本経済の進歩のために、物流業界において紙の伝票が電子化されることを願っています。
※3<調査概要>
調査名: 伝票処理に関する調査
対象者: 運輸・輸送業、倉庫業で伝票を扱う業務をしている全国の20~60代男女
日時 : 2020年11月24日(火)~2020年11月25日(水)
サンプル数:200名
結果①工場・物流センター・配送センターで業務をしている人は、1人あたり毎日約40枚を処理しており、約2時間も紙の伝票作業に時間を費やしている。
本調査で、1日の伝票処理枚数を質問したところ、1人あたり約40枚を扱っており、伝票処理時間は、約2時間であるとの結果になりました。物流センターは土曜日も含め稼働することが多いため月26日※4勤務とすると、1人あたり毎月50時間以上も非効率な紙の伝票処理作業に時間を費やしているといえます。
※4物流センターでは土曜も稼働しているケースが多いため、月勤務時間を26日と仮定。参考「運送業の平均年間休日総数」(船井総研)
結果②煩雑だと感じる業務1位は「ファイリング・保管」。約6割が人手不足を感じると回答。
「あなたが業務をするなかで、煩雑だと感じることは何ですか。」と質問したところ、煩雑だと思う業務として、最も多かったのは「ファイリング・保管」(42.3%)でした。次いで、「配車組みを元にした伝票仕分け作業」(30.0%)、「伝票の印刷(荷主ごとの用紙の差し替え作業を含む)」(28.8%)という結果になりました。
結果③コロナ禍以降、約半数の人が、人の手を介する紙伝票に接触することに抵抗を感じている。
「新型コロナウイルス感染拡大以降、人の手を介する伝票に接触することに抵抗を感じたことがありますか」と聞いた質問では、約半数の51.1%が感じたことが「ある」(よくある15.8%、たまにある35.3%)と回答しました。
結果④7割以上が「伝票を電子化できると思う」と回答。時代の変化に期待する声があった一方で、企業間の連携の難しさを示す声も。
「あなたは、紙伝票を電子化できると思いますか。」と質問したところ、「とてもそう思う」が27.3%、「ややそう思う」が46.0%の合わせて73.3%でした。伝票を電子化「できる」と思う人からは、時代の流れを踏まえて紙伝票の電子化も期待する声があった一方、「できない」と思う人からは、得意先の理解が得られない、各業者に対応を強制出来ないなど、他社と連携する必要がある業界ならではの難しさ・課題が見られました。
<伝票電子化についての意見>
<調査概要>
調査名:伝票処理に関する調査
対象者:工場・物流センター・配送センターで伝票を扱う業務をしている全国の20~60代男女
日時 :2020年11月13日(金)~2020月11月15日(日)
サンプル数:400名
■ツナグテ代表:春木屋氏コメント
物流業界はそもそも複数社が絡む多重構造。IT・デジタル化の意思決定は一社単独でできません。
だからこそ、ツナグテは、物流のデジタル化という手段をもって業界全体のアップデートに挑戦しています。
「紙伝票の電子化」により、全体最適運用のための標準化・共用化サービスに寄与し、物流DXを実現、持続可能な物流の未来に貢献したいと考えています。今回の試算が、「紙伝票」に関わらずあらゆる側面で物流DXについての議論が活発化し、物流業界を持続可能なものにするきっかけになることを願っています。
株式会社TSUNAGUTE 会社概要
TSUNAGUTEは物流業界の全ての紙伝票を電子化し業務効率向上・物流構造全体の標準化への貢献を目指す「物流DXのソリューションカンパニー」です。社名の由来は「つなぐ手」。単独でクリアできない課題も業種や企業を超えて、人と人がつながることで解決できる、物流にはその余白がある、そんな想いで名付けられました。
社名: 株式会社TSUNAGUTE
所在地: 東京都千代田区大手町1-1-3
設立: 2018年9月3日
資本金: 300,000,000円
代表取締役: 春木屋悠人
事業内容: 物流に関連するシステム開発・業務支援・コンサルティング等に関する事業
WEBサイト: https://www.tsunagute.co.jp/
オウンドメディア:https://www.lo-zine.net/
特設ページ: https://www.tsunagute.co.jp/logidx/
動画URL:https://youtu.be/YAwnjIcX3J0
- 本リリース概要
2. 工場・物流センター・配送センターで業務をしている人は、1人あたり1日に約40枚を処理しており、約2時間も紙の伝票作業に時間を費やしている。
3. コロナ禍以降、約半数の人が、人の手を介する紙伝票に接触することに抵抗を感じている。
4. 物流業界において、企業間の連携など「サプライチェーンの横のつながり」が物流DXを実現させる鍵。
※1「物流業界においては、「陸路」「海路」「空路」による輸送方法があり、「陸路」では「道路輸送」の他にも「鉄道輸送」があるが、今回は「陸路の道路輸送」のみに対象者を絞った経済効果としている。
- 調査実施背景
年末を迎えるにあたって新型コロナウイルスの感染拡大リスクが高まる今、物流センターが封鎖されれば医療崩壊と同様、社会的なインフラが危機に陥ってしまう可能性すらあります。
菅義偉首相は2020年9月16日、「デジタル庁」の創設を表明しました。今後は、デジタル化が進展し、日本の行政および経済の合理化、費用削減が進み、日本の社会と経済のさらなる発展が期待されています。物流業界では生産したモノが店舗に届けられるまでの間、モノと共に紙伝票が取り扱われています。陸上のモノ輸送だけでも製造、卸、運送ドライバー、倉庫業などあわせて約100万社が紙伝票を扱います。※2
こうした状況の中で、物流における「紙伝票の電子化」を行うことによる経済効果を試算し、その有用性を提唱することで、現在各社が取り組んでいる物流業界全体の業務効率化を加速させる一助となることを目指して本調査を企画しました。2020年度第3次補正予算案の内容にも注目が集まる今、既に電子化が提唱されている、ハンコやFAX用紙に加えて、多くの人の手を介して運ばれる「物流紙伝票」も電子化を図ることで、物流の現場で働く方々の労働負担や健康上のリスクを削減したいと考えます。
※2 運輸業は「日本のトラック運送産業現状と課題」(全日本トラック協会2020年)、倉庫業は「倉庫事業経営状況調査」(国交省平成30年度)の普通倉庫、冷蔵倉庫業、卸売業は、「経済センサス‐活動調査 産業別集計(卸売業,小売業に関する集計) (総務省統計局平成 28 年)、製造業は「商工業実態調査業種別の企業数」(経済産業省)をもとに算出。(順に62,461社+5,787社+364,814社+663,183社=1,040,025社)
- 物流業界の紙伝票の電子化による経済効果は約 3,533億6,368万円と試算
<結果>
物流業界の中の道路輸送業界の運送業と倉庫業の「紙伝票」がすべて電子化された時、伝票の電子化による業界全体の経済効果は年間約3,533億6,368万円となった。(業界全体の紙伝票作成の費用約191億3043万円、人件費約3342億3325万円)
うち、道路輸送業界の運送業の「紙伝票」がすべて電子化された時、1事業所の経済効果は年間約432万円、道路輸送業界の運送業界全体では年間約3,229億2,186万円。倉庫業の「紙伝票」がすべて電子化された時、1事業所の経済効果は年間約432万円、倉庫業界全体では年間約304億4,182万円。
<調査対象>
運輸・輸送業、倉庫業で伝票を扱う業務をしている全国の20~60代男女200名を対象に、事業所で1日に扱う伝票の数と1枚の紙伝票処理にかかる時間を調査しました。※3
物流業界とは、「人」、「物」を「陸路」、「海路」、「空路」で運ぶ仕事をする業界のことですが、今回は物流業界の中でも、特に「陸路」の中の「物」を運ぶ「道路運送」について、さらに「物を運ぶ運送業」と「物を保管する倉庫業」を対象にしています。今回は物流業界の中の道路輸送業界の運送業の「紙伝票」がすべて電子化された場合の経済効果を算出しました。
<試算方法>
関西大学名誉教授宮本勝浩氏の監修の元、調査及び経済効果の算出を行いました。試算にあたり、道路輸送業界の運送業と倉庫業の対象企業全体の事業所数を足し上げ、調査から得た、事業所で1日に扱う伝票の数(中央値100枚)と1枚の紙伝票処理にかかる時間(中央値5分)をそれぞれかけ合わせることで、各事業所で紙伝票を電子化することによる伝票用紙自体のコスト削減や紙の伝票処理の削減によってもたらされる人件費の削減効果を導き出し算出しました。
<宮本教授コメント>
今回は運輸業、倉庫業を対象に経済効果を算出していますが、物流業界においては、「陸路」「海路」「空路」による輸送方法があり、「陸路」では「道路輸送」の他にも「鉄道輸送」があるので、物流業界全体において紙の伝票がすべて電子化された時には、本報告書で計算した経済効果の数倍の経済効果があると想定されます。物流業界の発展、日本経済の進歩のために、物流業界において紙の伝票が電子化されることを願っています。
※3<調査概要>
調査名: 伝票処理に関する調査
対象者: 運輸・輸送業、倉庫業で伝票を扱う業務をしている全国の20~60代男女
日時 : 2020年11月24日(火)~2020年11月25日(水)
サンプル数:200名
- 紙伝票処理に関する実態調査の結果と課題感
結果①工場・物流センター・配送センターで業務をしている人は、1人あたり毎日約40枚を処理しており、約2時間も紙の伝票作業に時間を費やしている。
本調査で、1日の伝票処理枚数を質問したところ、1人あたり約40枚を扱っており、伝票処理時間は、約2時間であるとの結果になりました。物流センターは土曜日も含め稼働することが多いため月26日※4勤務とすると、1人あたり毎月50時間以上も非効率な紙の伝票処理作業に時間を費やしているといえます。
※4物流センターでは土曜も稼働しているケースが多いため、月勤務時間を26日と仮定。参考「運送業の平均年間休日総数」(船井総研)
結果②煩雑だと感じる業務1位は「ファイリング・保管」。約6割が人手不足を感じると回答。
「あなたが業務をするなかで、煩雑だと感じることは何ですか。」と質問したところ、煩雑だと思う業務として、最も多かったのは「ファイリング・保管」(42.3%)でした。次いで、「配車組みを元にした伝票仕分け作業」(30.0%)、「伝票の印刷(荷主ごとの用紙の差し替え作業を含む)」(28.8%)という結果になりました。
結果③コロナ禍以降、約半数の人が、人の手を介する紙伝票に接触することに抵抗を感じている。
「新型コロナウイルス感染拡大以降、人の手を介する伝票に接触することに抵抗を感じたことがありますか」と聞いた質問では、約半数の51.1%が感じたことが「ある」(よくある15.8%、たまにある35.3%)と回答しました。
結果④7割以上が「伝票を電子化できると思う」と回答。時代の変化に期待する声があった一方で、企業間の連携の難しさを示す声も。
「あなたは、紙伝票を電子化できると思いますか。」と質問したところ、「とてもそう思う」が27.3%、「ややそう思う」が46.0%の合わせて73.3%でした。伝票を電子化「できる」と思う人からは、時代の流れを踏まえて紙伝票の電子化も期待する声があった一方、「できない」と思う人からは、得意先の理解が得られない、各業者に対応を強制出来ないなど、他社と連携する必要がある業界ならではの難しさ・課題が見られました。
<伝票電子化についての意見>
<調査概要>
調査名:伝票処理に関する調査
対象者:工場・物流センター・配送センターで伝票を扱う業務をしている全国の20~60代男女
日時 :2020年11月13日(金)~2020月11月15日(日)
サンプル数:400名
■ツナグテ代表:春木屋氏コメント
物流業界は、社会インフラを支えていながら、人材確保が難しくアナログな文化が続いています。最もDXが進むべき業界にも関わらす、それがなかなか改善されないのが現状です。この問題の一つに、いまだ物流現場で企業間を越えた情報の連携が行われずらいことが挙げられます。
物流業界はそもそも複数社が絡む多重構造。IT・デジタル化の意思決定は一社単独でできません。
だからこそ、ツナグテは、物流のデジタル化という手段をもって業界全体のアップデートに挑戦しています。
「紙伝票の電子化」により、全体最適運用のための標準化・共用化サービスに寄与し、物流DXを実現、持続可能な物流の未来に貢献したいと考えています。今回の試算が、「紙伝票」に関わらずあらゆる側面で物流DXについての議論が活発化し、物流業界を持続可能なものにするきっかけになることを願っています。
株式会社TSUNAGUTE 会社概要
TSUNAGUTEは物流業界の全ての紙伝票を電子化し業務効率向上・物流構造全体の標準化への貢献を目指す「物流DXのソリューションカンパニー」です。社名の由来は「つなぐ手」。単独でクリアできない課題も業種や企業を超えて、人と人がつながることで解決できる、物流にはその余白がある、そんな想いで名付けられました。
社名: 株式会社TSUNAGUTE
所在地: 東京都千代田区大手町1-1-3
設立: 2018年9月3日
資本金: 300,000,000円
代表取締役: 春木屋悠人
事業内容: 物流に関連するシステム開発・業務支援・コンサルティング等に関する事業
WEBサイト: https://www.tsunagute.co.jp/
オウンドメディア:https://www.lo-zine.net/
特設ページ: https://www.tsunagute.co.jp/logidx/
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