敗戦前は正しい道徳を気高く教えていた。偉人を通しての倫理と徳目を重視した教育が立派な日本人を育てた。復刻版『初等科修身』刊行

GHQが墨塗りを命じて、戦後、完全に葬られた日本人の基本のモラル教科書が復刻。道徳の正しい在り方が書かれている。

戦後GHQによって学校教育から消された授業科目、「修身」。その教科書『初等科修身』が、ハート出版(本社:東京都豊島区池袋 代表取締役:日高裕明)から復刻されました。評論家の宮崎正弘氏が解説します。


さきに『初等科国史』がハート出版から復刻され、戦前の子供たちが正しい歴史を学んでいたかを改めて知ったばかりだが、こんどは当時の道徳教科書が復活した。
この教科書はGHQが墨塗りを命じて、戦後、完全に葬られた日本人の基本のモラル教科書である。道徳の正しい在り方が書かれている。
とくに日本史の偉人を選び出して、忠義、孝行、勇気、誠実、勤勉、慈悲などの徳目を実例をあげて習得させる方法がとられ、道徳をのびやかに、悠然と、そして気高く教えていた。偉人の人生を通して何ものかを語り、その倫理と徳目を重視した教育が立派な日本人を育てたのだ。


冒頭にまず教育勅語、そして最初の頁は「くにの誕生」であり、いざなぎ、いざなみが天照大神を産む神話の世界が展開する。
神話を押しつける風情はすこしもなく、次の頁を開くと日本の国柄が次のように悠然と語られるのである。

 


「神様のお生みになった日本の国は、山川の美しい国です。ことに、春夏秋冬のうつりかわりのはっきりした国です。冬の間、ずっと寒い風に吹きさらされていた草や木は、春になると、みどりの芽を出して来ます。暖い風がそよそよ吹いたり、かすみがたなびいたりする間に、草や木はすくすくと育って行きます。梅が咲き、桃が咲き、さくらが咲き、いろいろの花が咲きそろうころになると、めじろや、うぐいすや、たくさんの小鳥が、木の枝から枝へとんで、うれしそうにさえずります」

以下略するが、四季を愛でるという日本人の自然観、その自然を尊重する日本人独特の情緒が、さりげなく述べられている。情緒豊かな、正義感溢れる若者を輩出させようとした。以上の文章は小学校三年生用である。


ならば、六年生用をみると、松下村塾のことは触れるが、西郷、大久保、木戸などの維新の主役ではなく、外野の応援団だった野村望東尼のことが出てくるので、ちょっと面食らった。


高杉晋作が
「おもしろき 事もなき世に おもしろく」
と詠むと、望東尼が続けて、
「住みなすものは 心なりけり」
と詠んだ。
山口県防府市にある望東尼の庵跡と墓を評者(宮崎)も訪ねたことがある。もちろん高杉晋作の足跡の追跡取材だったが、晋作を匿い、志士としての心得などをそれとなく教えたばかりか、彼女は素養豊かな歌読みでもあって、高杉と交わした上記の和歌のことはあまりにも有名だろう(この話は教科書には出てこないが)。
望東尼を評価して、初等科修身教科書は書く。

「こうしたやさしい女の力が、どれだけ新しい日本をつくりあげるのに役だったか、はかり知れないものがある。男まさりの望東尼は、決して女らしさを忘れる人ではなかった。(中略)捕らわれの身となった時も、女の身だしなみは、身を清くたもち、かたちをくずさないものだといって、着物などもさっぱりしたものをつけ、きちんとすわって、筆をとったり、紙細工に工夫をこらしたりした。志士の母とも言われた」

ほかに野口英世、山田長政、伊能忠敬がでていくるが、楠木正成も和気清麻呂も、修身の教科書には登場せず、しかしさっぱりと豊かな情操を育ませようとする筆の努力の跡が見られるのである。


メールマガジン「宮崎正弘の国際情勢解題」より

【書籍情報】
書名:[復刻版]初等科修身[中・高学年版]
著者:文部省
解説:矢作直樹
仕様:A5並製・256ページ
ISBN:978-4802400947
発売:2020.04.02
本体:1800円(税別)
発行:ハート出版
商品URL:http://www.810.co.jp/hon/ISBN978-4-8024-0094-7.html


宮崎正弘(みやざき まさひろ)
昭和21(1946)年石川県金沢市生まれ。評論家。著書に『日本が危ない! 一帯一路の罠』(ハート出版)、『「火薬庫」が連鎖爆発する断末魔の中国』(ビジネス社)、『神武天皇「以前」 縄文中期に天皇制の原型が誕生した』(扶桑社)、『明智光秀 五百年の孤独』(徳間書店)など多数。
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