リージョナルフィッシュ、海外展開へ。インドネシアの水産系スタートアップ企業ARUNA社と共同でJETRO「日ASEANにおけるアジアDX促進事業」への採択が決定
■本件の背景
現在、世界では、人口の増加と中間所得層の拡大に伴う一人あたりタンパク質消費量の増加を背景として、タンパク質の需要が急増、2025-30年には需要が供給を上回り、世界的なタンパク質不足する”タンパク質クライシス”の到来が予想されています。インドネシアは、人口約2.7億人(世界4位)を超える人口大国であり、こうしたタンパク質不足は深刻な社会課題の一つです。
また、同国における水産業はGDPの約3%を占め、中国に次いで世界2位の生産量を誇る水産大国でもあることから、水産業の成長は、国にとって極めて重要な戦略的位置づけにあります。しかし、インドネシア政府の掲げる段階的な成長目標に対し、現時点での達成率は75%得地度に留まっているのが現状で、目標達成に向けた「強力な種苗の確保」や「国内外で競争力のある品種の開発」が喫緊の課題として挙げられています。
リージョナルフィッシュは、これまで「可食部増量マダイ」や「高成長トラフグ」の開発に成功し、日本国内における主要な養殖魚について、主に生産性の向上に資する品種開発を進めてきました。本取り組みでは、これらの技術・実績を活用することにより、インドネシアの現地企業であるARUNAと共に、本格的な海外展開に着手いたします。
■本取り組みの概要
「インドネシアにおける水産物のゲノム変種育種実証事業」を実施いたします。
強力な種苗の確保・新品種の開発が重要テーマとなっていることを受けて、ゲノム編集育種を活用することで、同国にとって有用な品種を短期間で開発することを目指します。
*ゲノム編集育種は、従来の方法では約30年を要する品種改良期間を、わずか数年に短縮することができます。
また、インドネシアにおいては、ゲノム編集食品に関するルール整備が検討段階にあることから、同国の政府機関・規制当局と連携し、実用的なルール整備を進めて参ります。
<実証対象品種>
・Tilapia × 高成長
・Red Snapper × 可食部増量
<連携の枠組み>
リージョナルフィッシュ:日本での品種開発実績に基づくゲノム編集育種の技術の適用
ARUNA:現地における養殖場オペレーション、消費者調査、規制当局とのコミュニケーション
■ADX事業について
ADX事業は、デジタル技術等のイノベーションを活用し、日本企業とASEANの現地企業との協働による実証事業を実施することで、ASEANにおける経済・社会課題を解決し、日ASEANが一体となってデジタルイノベーションの社会実装を進めることを目的としています。これら実証内容を通して、成果の事業化はもちろん、今後の日ASEAN企業のビジネス連携における規制改革や共通ルール形成等に貢献することも期待されています。
2020年4月、日ASEANの経済閣僚が合意の上、「経済教人生に関する日ASEAN共同イニシアティブ」が発出され、同年7月末にはイニシアティブの具体化に向けた「日ASEAN経済強靭化アクションプラン」が発出されています。ADX事業は、本アクションプランにおける重点項目の一つとして位置付けられており、第1回(2020年7月公募)に23件、第2回(2021年5月)に17件のプロジェクトが採択されております。
なお、ADX事業は、日ASEAN経済産業協力委員会(AMEICC)の事務局機能を担う一般財団法人海外産業人材育成協会(ATOS)から、日本貿易振興機構(JETRO)が受託を受けて運営されています。
第3回ADX事業の採択情報はコチラ⇒ https://www.jetro.go.jp/news/announcement/2022/0e80b8da931addc9.html
■ARUNAについて
ARUNAは、2016年に設立したインドネシアの水産系スタートアップで、インドネシア最大の水産バリューチェーン・アグリゲーターです。「Making the sea a better livelihood for all.(海をすべての生命にとって住みやすい場所へ)」をミッションに掲げ、26,000人以上の小規模漁業者コミュニティを束ねる生産サイドから、国内外の消費者サイドまでを一気通貫で繋げるテクノロジー・プラットフォームと販売・物流網を構築しています。
ARUNAのWebページはこちら⇒ https://aruna.id/
■リージョナルフィッシュについて
リージョナルフィッシュは、京都⼤学⼤学院農学研究科の⽊下政⼈准教授、近畿⼤学⽔産研究所の家⼾敬太郎教授らの技術シーズをコアとして設⽴されたスタートアップ企業です。 オープンイノベーションを通じて、超⾼速の品種改良とスマート養殖を組み合わせた次世代⽔産養殖システムを作り、「SDGs 2番:飢餓をゼロに」や「SDGs 8番:働きがいも経済成⻑も」、「SDGs 14番:海の豊かさを守ろう」の達成に貢献します。
リージョナルフィッシュは、2021年9月に、厚⽣労働省及び農林⽔産省へのゲノム編集⾷品に係る届出・情報提供⼿続を完了させており、国に手続を経て上市する、世界初のゲノム編集動物⾷品である、可⾷部増量マダイ「22世紀鯛」の流通を開始しております。また、2021年11月より、ゲノム編集動物⾷品の第二弾となる高成長トラフグ「22世紀ふぐ」についても流通を開始しております。
代表:代表取締役社⻑ 梅川 忠典
所在地:京都府京都市左京区吉⽥本町36番地1 京都⼤学国際科学イノベーション棟
URL:https://regional.fish/
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