世界初(*1) 高電圧、高出力に特化した硫化物系コイン形全固体電池のサンプル出荷開始

全固体電池の特長を活かし、5V以上での出力が可能なバイポーラ構造を適用

 マクセル株式会社(取締役社長:中村 啓次/以下、マクセル)は、硫化物系固体電解質を採用し、高電圧、高出力に特化したコイン形全固体電池(以下、本電池)を開発しました。本電池は、全固体電池の特長を活かし、バイポーラ構造を適用することで、高電圧・高出力を実現しています。多様化する市場ニーズに応え、高エネルギー密度という開発軸ではなく、高電圧・高出力という新しい開発視点で提案するものです。本電池は、マクセルの全固体電池の特長である広い温度環境への対応および長寿命(*2)、高い安全性(*3)を併せ持つ電池です。サンプル出荷開始は2021年11月を予定しています。

開発セル(φ9㎜)のサンプルイメージ開発セル(φ9㎜)のサンプルイメージ


 マクセルは長年にわたり、リチウムイオン電池やマイクロ電池の開発に取り組んできました。そこで培った技術を融合させ、全固体電池の開発に取り組むなかで、課題であった抵抗値の改善などにより本電池の開発に成功しました。

 本電池は、2020年9月に発表したコイン形全固体電池(以下、コイン形全固体電池)に対して、電圧は約2倍の5V、出力は約5倍を実現しています。高電圧化は、マクセルのアナログコア技術(*4)の一つである「高精度成形」の技術を深化させ、高充填化による低抵抗化、そしてバイポーラ構造を成立させたことで実現しました。本電池を使用することにより、高電圧を得ることができ、従来のコイン形全固体電池よりも省スペース化が可能です(約50%低減)。また出力特性の向上により、低温での使用範囲を拡げることができました。2021年3月に発表したセラミックパッケージと組み合わせることによって基板への表面実装も可能です。

■高電圧、高出力の硫化物系コイン形全固体電池の主な特長
1. 5Vの電圧 
2. 5倍(*5)の放電出力
3. 急速充電可能(90%充電時で約30分) 
4. -60°C~125°Cでの温度環境で使用可能
5. 基板実装可能(セラミックパッケージ使用時)

  本電池は、これまで実現が難しかった過酷な温度環境での出力が必要とされる機器の非常用電源、バックアップなど、さまざまな用途に適しており、バイポーラ構造を用いた本技術は、将来的に車載でも適用され得るものと考えています。

 本技術につき、「二次電池展」(2021年9月29日~10月1日、東京ビッグサイト 青海展示棟)の基調講演(BJ-K)にて紹介します。

 なお、コイン形やセラミックパッケージ、高電圧化などの全固体電池に関するマクセルの技術については、国内外合わせて71件の特許出願を行っています。                               

 本電池を含むマクセルの全固体電池は長寿命(*2)かつ高安全性(*3)のため、メンテナンスフリー社会実現に向けて貢献するものと期待しています。                                    
 
マクセルは今後も、全固体電池の能力向上を図り、高性能全固体電池の継続的な製品化を通じて、SDGsなどの社会課題の解決に貢献していきます。

*1 世界初: 硫化物系コイン形全固体電池において。2021年9月16日現在、マクセル調べ。
*2 長寿命: マクセルの硫化物系固体電解質を使用した全固体電池の特長として。マクセル全固体電池のWeb   ページ
  https://biz.maxell.com/ja/rechargeable_batteries/allsolidstate.html
*3 高い安全性、高安全性: マクセルの硫化物系固体電解質を使用した全固体電池の特長として。マクセル全固体電池のWebページ
      https://biz.maxell.com/ja/rechargeable_batteries/allsolidstate.html
*4 アナログコア技術: 素材の加工や成形といった分野で、マクセルが独自に磨き、伝承してきたDNAともいえる技術。競争力の源泉であり、マクセルのモノづくりに欠かせない混合分散、精密塗布、高精度成形の3つの技術の総称。
  https://www.maxell.co.jp/corporate/analogcore.html
*5 5倍: 2020年9月に発表したコイン形全固体電池と比較して。

■バイポーラ構造とは
 バイポーラ(双極)構造とは、集電体を介して正極、負極が存在する構造です。それを積層することによって電池内部で直列構造を作ることができます。既存のリチウムイオン電池では、電解液がすべての電極とつながると電極反応の集中が起きるため、液がつながらないようにする必要があります。しかし全固体電池は電解液がないため、大きな構造変更、プロセス変更がなくこの構造をとることが可能です。
                                           
■お客様お問い合わせ先
マクセル株式会社 営業統括本部
E-mail: contact-maxellbattery@maxell.co.jp
お問い合わせフォーム:https://www.maxell.co.jp/inquiry/maxell/ja/form.jsp?f=biz&q=rechargeable_batteries_sales_ja_biz


【添付資料】
■高電圧、高出力の硫化物系コイン形全固体電池の特性
1. 出力特性
小型の電池でありながら、大電流の供給が可能です。

出力特性(φ9㎜セル、室温)出力特性(φ9㎜セル、室温)


2. 低温放電特性
これまでリチウムイオン電池では実現が厳しかった低温でも放電可能です。

低温放電特性(φ9㎜セル)低温放電特性(φ9㎜セル)


■電圧と容量

※ サンプル品のため量産時とは異なる場合があります。
 

セル電圧測定の様子セル電圧測定の様子

                                               以上
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