GLIN Impact Capital、日本の農業の課題解決に挑むYUIME株式会社へ出資
外国人材の活用を軸に、農業分野の構造的課題の解決を目指す
GLIN Impact Capital(本社:東京都港区、共同代表:中村将人、秦雅弘、才木貞治、以下GLIN)は、YUIME株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:上野 耕平、以下YUIME社)に出資しました。当社にとって9社目の投資となります。GLIN Impact Capitalは、本出資を通じて、YUIME社にインパクト/ESG観点からのバリューアップを行い、日本の農業の人手不足問題、外国人材の活躍・育成に向けたインパクト創出を目指します。

■YUIME社が解決を目指す社会課題
YUIME社が挑むのは、日本の農業が抱える深刻かつ複合的な社会課題です。日本の農業は今、大きな転換点に差し掛かっており、現場の持続可能性が強く問われています。YUIME社は、海外人材の活用を軸とした人材支援サービスを通じて、抜本的な課題解決を目指しています。
農業人材の不足
農業従事者数は年々減少しており、特に若年層の参入が進まない中で、恒常的な人手不足が農業現場を圧迫しています。農業従事者の年齢層は70歳以上が半数以上を占めており、後継者不足の問題が深刻化しており、その影響も受け、農業従事者は2005年から20年でほぼ半減し、今後も人口推移とともに減少傾向は続くことが予想されています。

制度変化を受けた外国人材の活躍促進
農業従事者の減少を受け、日本における外国人材との向き合い方が激変しています。特定技能制度における農業分野では、2019年から特定技能1号人材が日本に入国し、2024年からは特定技能2号人材の入国も始まっています。さらに、2027年には技能実習制度の廃止が決定しており、その後の日本における外国人材の労働力は、育成就労・特定技能制度に一本化されていくことが決定しています。
上記の制度変化を受け、今後は新たな制度のもとで、農業現場の人材ニーズを的確に捉えつつ、外国人材の人権を守り、同人材の成長にもつながるような、農家と外国人材の架け橋となる事業者が求められています。
■YUIME社の事業について
YUIME社は「日本の一次産業を、世界の一流産業にアップデートする」をビジョンに、一次産業の労働力インフラの構築を進めています。
一次産業従事者の高齢化や人手不足という社会課題の解決に向けて、複数事業を展開しています。特定技能外国人を中心とした労働力支援「YUIWORK」、日本人コア人材の採用支援サービス「YUIMARU Japan」、課題解決型メディア「YUIME Japan」、人材教育や栽培データ、営農ノウハウが蓄積可能な自社試験農場「YUIME FARM」を運営しています。
また、YUIME社は外国人材の人権保護を促進するために、2024年4月に外国人材の人権保護に取り組むための「特定技能派遣事業者コンソーシアム」の事務局となり、競合含む派遣事業者の他8社と共に同コンソーシアムを発足し、業界の健全な発展に寄与していくことを掲げています。
■セオリーオブチェンジ(YUIME社の事業と目指すインパクトの連関)
目指すインパクトと事業の整合性を確認・改善するため、またステークホルダー間での共通理解の醸成のため、さらにはインパクト測定・マネジメント(IMM)の一環として、YUIME社が生み出したい変化とそれを実現するための事業の連関をセオリーオブチェンジとして整理していきます。以下図は現時点の仮説であり、今後、GLINの投資先伴走の一環としてYUIME社と議論を重ねる中で精緻化する予定です。

■YUIME社が目指すインパクトの評価
本投資では、事業がもたらす社会的インパクトの質と深さを可視化するため、Impact Management Project(IMP)が提唱する「5 Dimensions of Impact(インパクトの5つの基本要素)」の枠組みを用いて整理しました。これにより、何が、誰に、どの程度届き、どのように変化をもたらすのかを立体的に把握していきます。

■YUIME社に対する支援の方向性
YUIME社に対しては、共同投資家とも協働しながら、事業成長の実現に向け多面的に支援していきます。GLINが持つインパクト測定・マネジメント(IMM)や事業拡大のケイパビリティとネットワークを活用し、YUIME社が事業の成長に伴って直面する課題の解決を支援しながら、事業拡大によるインパクトの創出をサポートしていきます。
■出資先概要
会社名 :YUIME株式会社(YUIME INC.)
代表者 :代表取締役 上野 耕平
設立 :2012年7月
所在地 :東京都港区
URL:www.yuime.co.jp
■GLIN Impact Capitalからの出資を受けてのコメント
YUIME株式会社 代表取締役 上野 耕平
このたび、GLIN Impact Capitalに新規投資家としてご参画いただき、心より御礼申し上げます。
弊社は2013年、沖縄・南大東島でのサトウキビの収穫支援からスタートしました。そこから10年を経て、いまや日本の農業全体の未来を見据える企業へと成長できたことを大変嬉しく思います。今回調達した資金は、農業の新しい労働インフラを構築するために活用し、より質の高い人材支援体制と地域に根ざした事業の展開をさらに加速してまいります。
弊社は日本の農業が抱える構造的な問題解決を事業の中心に据えており、GLIN Impact Capitalの皆様との連携により、私たちの事業がもたらす社会的インパクトやESGの観点でのバリューアップを、より意識的かつ戦略的に推進できることを期待しています。外国人含む農業生産年齢人口の増加、耕作放棄地の減少といった非財務的な指標も含めて可視化し、社会・投資家・地域に対して価値を還元できる存在を目指してまいります。
■GLIN Impact Capitalについて
GLIN Impact Capitalは、資本主義の発展と共に自律的に社会課題が解決される「よりサステナブルな資本主義へのアップデート」をミッションに、その実現に有効な手段がインパクト/ESG投資の発展・拡大であると考え、2020年に創業いたしました。
投資活動として、社会的インパクトと経済的リターンを同時実現するスタートアップに対してインパクト/ESG投資を行い、出資先が社会的インパクトと経済的リターンを同時に創出しながら成長していくことができるよう様々なサポートを提供しています。日本が海外諸国に比べて先進して直面している社会課題と対応が遅れている社会課題(環境問題、少子高齢化、多様性社会への課題、農業・食糧問題、メンタルヘルス、教育格差、等)を革新的技術やビジネスモデルで解決するスタートアップが主な投資対象となります。
インパクト/ESG投資を行う国内第一世代のベンチャーキャピタルとして、蓄積した実績・知見の発信や関係先との協業を通じて、日本のインパクト/ESG投資エコシステムの発展に貢献してまいります。
GLIN Impact Capitalホームページ:https://glinimpact.com/
※本プレスリリースは、情報提供のみを目的としたものであり、投資の勧誘、推奨を目的とするものではありません。
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admin@glinimpact.com
(参考文献)
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