浜松ホトニクスが世界初※「Photon number resolving」を実現した科学計測用カメラの後継機を開発
3年の時を経て更なる進化を遂げた「ORCA®-Quest 2 qCMOS®カメラ C15550-22UP」を本日2024年3月18日に販売開始
※二次元(カメラ)で光子数の識別が可能で、且つ販売されている製品が無いかを調査(2021年4月 自社調べ)
従来機であるORCA®-Questは、独自の設計技術と最新の製造技術を用いて開発したqCMOS®イメージセンサを搭載することで、極めて優れた低ノイズ性能と、高速読出しを両立した超高感度カメラとして2021年5月に発売しました。
ORCA®-Questは、光を信号に変換する際に発生するノイズを、光の最小単位である光子(光の粒)による信号よりも低く抑えることで、光子の数を正確に計測できるPhoton number resolving(光子数識別)を実現し、究極ともいえる定量イメージングを可能にしました。
それにより、従来の科学計測用CMOSカメラやEM-CCDカメラでは実現できなかったイメージングを提供する科学計測用カメラとしての地位を確立し、販売以降、多くのアプリケーションで導入され、新たな発見や成果を生み出しています。
そして今回、更なる進化を遂げたqCMOS®カメラとして「ORCA®-Quest 2」を販売開始します。
<ORCA®-Questからの改良点>
1. 極めて低ノイズなスキャンモードにおける読み出し速度の5倍におよぶ高速化:読み出しノイズ 0.30 e- rms @ 25.4フレーム/秒 (全画素読み出し時)
光子数識別を可能とするUltra quiet scanの高速化をイメージセンサ駆動の最適化により実現しました。これにより究極の定量イメージングを活用できるアプリケーションの範囲を大きく拡大します。
2. 紫外領域での感度向上:50 % @ 300 nm、69.8 % @ 350 nm
イメージセンサ窓材の反射コーティングの最適化により、紫外領域での感度の向上を実現しました。イオントラップ方式の量子コンピュータや半導体などの分野でさらなる貢献が期待できます。
3. Rawデータ出力機能
デジタル信号から光電子数を推定する任意のアルゴリズムを使用できるよう、Rawデータの出力モードを搭載しました。
4. 外部トリガモードの高速化
新しいエッジトリガモードでは、ローリングシャッタ読み出し時に外部トリガを入力して露光開始できるようになり、フレームレートの更なる高速化を実現しました。
量子技術、天文、半導体、ライフサイエンスといった幅広い分野の国内外の研究者や企業に向け、更なる販売拡大を進め、究極の定量イメージングの追及により、様々な科学の進歩や未知の分野の開拓に貢献していきます。
<主な仕様>
有効画素数(H×V):4096×2304
画素サイズ(H×V):4.6 μm×4.6 μm
読み出しノイズ(typ.):0.30 electrons rms(Ultra quiet scan時)
量子効率(typ.): 85 %(@460 nm)
外形寸法(W×D×H):110 mm×142 mm×110 mm
重量(カメラ本体):約3.8 kg
<価格>
本体(標準構成):5,390,000円(税込)
<製品案内ページ>
https://www.hamamatsu.com/jp/ja/product/cameras/qcmos-cameras/C15550-22UP.html
<当社Webサイト>
<お問い合わせ先>
浜松ホトニクス株式会社
システム営業推進部(担当:三浦 大輝、鈴木 健司)
TEL: 053-431-0150
FAX: 053-433-8031
E-mail: sales@sys.hpk.co.jp
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