新機能搭載の視線入力演奏ツール「EYE XY PAD ver.2」をお披露目ALS啓発音楽フェス「 MOVE FES.」にて 武藤将胤さんがツールを活用し、7組のアーティストと共演

内澤崇仁さん(androp)やKUROさん(HOME MADE 家族)らと共に1,000名以上を魅了

　テクノロジーを起点とした社会課題の解決やあたらしい表現開発を実践するDentsu Lab Tokyoは、様々なバックグラウンドを持つ方とともに、その視点やクリエーティビティの力を借りて、誰もが自分の表現をできる世界の実現を目指した「ALL PLAYERS WELCOME」プロジェクトを進行中です。

　「ALL PLAYERS WELCOME」プロジェクトは、障がいや困難と向き合う人々に焦点を当て、これらの状況が行き止まりでなく、むしろクリエーティビティを拡張するためのヒントになるという考えのもと、新しい表現を手法から探求するプロジェクトです。2022年6月の発足以来、武藤将胤さんをはじめとした多くの優れたパートナーと協力し、それぞれのバックグラウンドに合わせてツールから開発し、パフォーマンスを行ってきました。

 　今回は、プロジェクトの一環で、6月18日(日)に世界ALSデーのタイミングに合わせ開催するALS啓発音楽フェス「MOVE FES. 2023 Supported by AIRU」に参加。共同開発者である武藤将胤さんと共にさらなる表現性の拡張を目指して進化した、目の動きのみでライブ演奏ができる「EYE XY PAD ver.2」で約35分間のライブパフォーマンスを行いました。パフォーマンスは、リアル会場・オンライン配信・メタバース会場の3拠点、合計1,000名以上の観客を魅了し、オールスタンディングによる鳴り止まない拍手で幕を閉じました。

 

目の動きのみでライブ演奏ができる「EYE XY PAD ver.2」とは

  
　「ALL PLAYERS WELCOME」プロジェクトでは、その第一歩としてまず視線によるコンピューター操作技術に着目し、視線の自由で繊細な動きから新しい音楽を生み出す「EYE XY PAD」をはじめ、「EYE MIDI PAD」、「SHOOTING PAD」3種類の演奏ツールを開発し、2022年6月にカンヌライオンズでパフォーマンスを行いました。
　今回のMOVE FES.でのパフォーマンスではその中で「EYE XY PAD」を大幅にアップデートし、楽器として演奏するだけではなく、自由なタイミングで曲を切り替えたり、複数のシンセサイザーとエフェクトを任意のタイミングで切り替える機能を追加しました。この事により、ライブパフォーマンス中に、会場の雰囲気や観客の反応に応じて、演奏者は自由に曲や音色、エフェクトを切り替えることができるようになり、演奏パフォーマンスは更に双方向的で独自性あふれるものとなりました。
 

• 武藤将胤さんが操る「EYE XY PAD」が1,000名以上の観客を魅了したEYE VDJコラボレーションライブ

　「MOVE FES. 2023 Supported by AIRU」フィナーレを飾る「EYE VDJコラボレーションライブ」では、武藤将胤さんが内澤崇仁さん(androp)やKUROさん(HOME MADE 家族)などを含む7組のアーティストと次々に演奏を繰り広げるパフォーマンスを約35分間にわたり披露しました。武藤さんが共演者に合わせ色とりどりの音色を操る「EYE XY PAD ver.2」を中心に披露されるダンスや歌唱などに対し観客からはスタンディングオベーションで大きな歓声が湧き上がり、ライブ終了後には「圧倒された」や「何もかもが進化していて、本当に凄い」「めちゃくちゃパワーアップしてて最高だった」などの冷めやらぬ興奮と共にその感動が語られました。

■武藤将胤さんによるソロパフォーマンス 
　EYE VDJコラボレーションライブ冒頭では、武藤将胤さんによるソロパフォーマンスを実施。目線だけで巧みに「EYE XY PAD ver.2」を操作し、さまざまなエフェクトを加えた音色を演奏。新機能のクロスフェーダーを使用することで、今まで実現できなかった曲と曲をミックスした音楽演奏を実施し、アーティストとのスペシャルコラボパフォーマンスへの盛り上がりを作りました。

■各シーンで活躍するアーティストたちとのコラボパフォーマンス

　観客が盛り上がりを見せる中、7組のアーティスト(M PLUSPLUSさん、田川ヒロアキさん、NOBUさん、KUROさん(HOME MADE 家族)、内澤崇仁さん(androp)、せきぐちあいみさん×内澤崇仁さん(androp)、和合由依×FLY DANCERS×内澤崇仁さん(androp)) とコラボレーションを実施。各アーティストのエネルギッシュなパフォーマンスに合わせるように、オリジナル楽曲を演奏。途中、田川ヒロアキさんの準備が整わないまま曲がスタートするトラブルに見舞われましたが、2回目の演奏では完璧なパフォーマンスを実施し、会場の盛り上がりは最高潮に。パフォーマンスが終わると武藤さんと7組のアーティストに盛大な拍手が贈られました。

「MOVE FES. 2023 Supported by AIRU」実施概要
・イベント名：「MOVE FES. 2023 Supported by AIRU」
・開催場所：EX THEATER ROPPONGI（東京都港区西麻布1-2-9）
・形式：会場LIVE+オンライン配信＋メタバースのハイブリッド開催
 

• Dentsu Lab Tokyo 村上晋太郎のコメント

　本プロジェクト「ALL PLAYERS WELCOME」では、音楽をはじめとする表現活動が全ての人々に開かれたものであるべきだという信念から、あらゆる人々がプレイヤーになれる手法やツールを開発してきました。その過程で、武藤さんからチーム全体に多大なインスピレーションとパワーをいただきました。今回、ひとつの節目として、この舞台を武藤さんと共に実現できることを大変嬉しく思います。私たちは、ツール「EYE XY PAD」を今回のパフォーマンスに向けてアップデートしましたが、このツールはALSの患者専用のものではなく、すべての人が使える普遍的なツールになることを目指して制作しています。本プロジェクトではこれからも表現をすることの喜びをすべての人々と分かち合い、多くの新たな「プレイヤー」を生み出していきたいと考えています。
 

• 「EYE XY PAD ver.2」を使用したパフォーマンスを終えた武藤将胤さんのコメント

　今は”UNREAL”だと思われるかもしれませんが、僕は、いつか必ずALSが治せる未来に、たくさんの仲間たちと共にたどり着きたいと思っています。そのために僕は、音楽やエンターテイメントの力で、僕らが掲げる『NO LIMIT, YOUR LIFE.』のメッセージをBORDERLESSに世界に発信し続けることで、日本中、世界中に継続的なALS支援の輪を広げていきたいと思います。また、僕の挑戦や作品が、ALSをはじめとしたさまざまなハンディキャップと闘っている仲間たちの希望になることを、心から願っています。
 

• 武藤将胤さんとコラボパフォーマンスを実施したアーティストのステージコメント

androp　内澤崇仁さん
　コラボ曲は、いつも武藤さんから歌詞やメッセージが送られてきてそれに応える形で曲を制作しています。武藤さんが色々乗り越えてきたからこそ言える強い言葉があるなと感じるため、それに曲をつけることにプレッシャーを感じます（笑）

HOME MADE 家族　KUROさん
　2016年から皆勤賞で参加させてもらっています。武藤さんには、継続は力なりに収まらない、進化しながら継続していくことが大事だと感じます。動けなくなっても彼より動ける人を見たこと無いし、声を失っても、彼より多言でメッセージを送っている人を見たこと無いですし、心だけは誰にも止められないんだな、ということを彼を見ていると感じます。
 

• Dentsu Lab Tokyoについて

　Dentsu Lab Tokyo（デンツウラボトウキョー)は、研究・企画・開発が一体となったクリエーティブのR＆D組織です。「PLAYFUL SOLUTION」「おもいもよらない」をフィロソフィーとしながら、デジタルテクノロジーとアイデアによって、人の心を動かす表現開発や、いま世の中が求める社会の課題解決を実践しています。
https://dentsulab.tokyo/