シンガポール経済開発庁、企業庁と4億4,000万シンガポールドル(約510億円)の追加拠出により、世界的なベンチャーキャピタルとの提携を通じてディープテックの成長を促進
シンガポールからスタートアップの規模拡大を支援するワンストップセンター「ステージ・ワン」を立ち上げ
このプレスリリースは、10月28日にシンガポール企業庁 (EnterpriseSG)、シンガポール経済開発庁(EDB)、シンガポール・ウィーク・オブ・イノベーション・アンド・テクノロジー(SWITCH)が共同で発表したものです。
ヘン・スイキャット(Heng Swee Keat)副首相は10月28日にSWITCH 2024の開幕演説で、シンガポールのハイテク・スタートアップのエコシステムをさらに強化する新たな取り組みを発表しました。シンガポール企業庁などが主催するSWITCHは、ディープテックとイノベーション創出に向けた先端的技術に焦点を当てたスタートアップの代表的なイベントで、10月28日から30日まで、サンズ・エクスポ&コンベンションセンターで開催されました。
ディープテックを推進するスタートアップSGエクイティに追加資金
「スタートアップ SGエクイティ[1]」スキームに4億4,000万シンガポールドル(SGD)(約510億円)の追加拠出を行うことが発表されました。このスキームは、シンガポール企業庁とEDBが運営[2]するもので、政府が民間投資家と連携して、グローバル展開の可能性が高い革新的なシンガポール拠点のディープテック系スタートアップに投資を行う仕組みです。これにより、より多くの世界的に著名なベンチャーキャピタルをシンガポールに誘致し、提携することができるようになります。これらのベンチャーキャピタルは、深い技術的専門知識、商業的知識、グローバルネットワークを有しており、スタートアップの革新的技術の研究開発から最終市場に投入するまでを支援します。また、バイオテクノロジーや量子テクノロジー、宇宙テクノロジーなどの新興テクノロジーの分野でも、新たな革新的ソリューションを生み出すことに重点を置いています。
また、スタートアップのアーリーステージの初期から成長段階にある[3]ディープテック系スタートアップの開発を支援するため、共同投資の上限が各スタートアップにつき800万SGD(約9.3億円)から1,200万SGD(約14億円)に引き上げられました。これにより、将来性の高いディープテック系スタートアップは、技術の検証や商業化など開発の初期段階で追加的な支援を受けてソリューションの規模を拡大することで事業の成功率をより高めることができます。
これまでに、本スキーム下で30億SGD(約3,480億円)近くが330以上のスタートアップに投資されており、その内25億SGD(約2,900億円)以上が民間資金です。
[1] スタートアップ SGエクイティは、280億SGDを投じた「研究・イノベーション・企業(RIE)2025計画」の一環
[2] このスキームのファンドマネージャーとしてSEEDS Capital、EDBI、SGInnovateが任命されている
[3] 一般的にはスタートアップ成長ステージにおけるシードからシリーズB/Cに相当
シンガポールと世界のスタートアップ・コミュニティをつなぎ、シンガポールを足がかりとした海外進出を支援する新たな取り組み「ステージ・ワン」が発足
国内外のテック系スタートアップを一元的につなぎ、企業やイノベーション・パートナーとの協業を促進するための新たなワンストップ・プラットフォーム「ステージ・ワン」が2025年第1四半期に、拠点の開設とともに正式に発足します。
本プラットフォームでは、スタートアップがシンガポールを拠点に事業を立ち上げ、事業成長に必要な能力開発の推進や市場への参入、そしてグローバル展開を支援するプログラムやサービスを提供します。また、グローバルなスタートアップがシンガポールのエコシステムに溶け込み、地元のスタートアップコミュニティとのアイデアや人材の交流を促進する活動も含まれます。
この取り組みは、シンガポール企業庁とEDBが共同で推進し、アクションコミュニティ・フォー・アントレプレナーシップ(ACE.SG)が指定運営者となっています。また、ジュロンタウンコーポレーション(JTC)の支援を受けて、JTCのローンチパッドでステージ・ワンの海外スタートアップの新規事業の立ち上げを促進するためのグリーンレーンも用意されています。
シンガポール企業庁のイノベーション担当アシスタント・マネージング・ディレクターのエミリー・リュウ(Emily Liew)氏は、次のように述べています。
「イノベーションはシンガポールの未来を切り開く鍵であり、ポジティブなインパクトを生み出す新たな変革的ソリューションの開発を促進するために、多角的なアプローチが必要です。また、私たちはディープテック系スタートアップの強力な基盤を育成しなければならないのと同時に、世界最高レベルの人材を惹きつけることができるようなグローバル志向のスタートアップエコシステムを構築する努力を加速させなければなりません。これらの新たな取り組みは、イノベーション主導型経済の構築へのシンガポールの強いコミットメントを示しています。シンガポール企業庁は、この分野における成長を促進するために、地元企業やグローバル企業とのパートナーシップをさらに深めていきます」
シンガポール企業庁、新たなディープテック・ベンチャーを促進するためのパートナーシップを締結
SWITCHの場において、シンガポール企業庁はシンガポール発のディープテック系スタートアップの開発を加速させるために、国内外のベンチャービルダーとの新たな提携を発表しました。英国を拠点に気候技術など複数の領域に重点を置くベンチャースタジオ兼アクセラレーターのFounders Factoryや、シンガポールを拠点に垂直ロボット工学やAI Generated Content(AIGC)対応ハードウェアのスタートアップ育成を専門とする新設ベンチャービルダーのKreo Ventureなどが含まれます。さらに、Blue Incube、elev8、Singapore Deep-Tech Alliance (SDTA)、Xora Innovationなどのベンチャービルダーとの継続的なパートナーシップを更に深め、ディープテック系スタートアップの構築と拡大に向けた取り組みを強化しています。
*1SGD=約116円(2024年10月28日現在)
シンガポール経済開発庁(EDB)とは
EDBは1961年に設立された貿易産業省傘下の政府機関で、シンガポールの産業育成、投資誘致を担っています。「外資系企業誘致のワンストップセンター」として、海外20カ所以上に事務所を持ち、外国企業に投資先としてのシンガポールの情報を提供するだけでなく、世界の経済、技術、市場動向を把握することで、シンガポールで競争力を持ちえる産業や分野を育成するための経済戦略を立案しています。日本には、東京に事務所を構え、日本企業のシンガポール投資をサポートしています。
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