AVL社とローデ・シュワルツが、実走行条件におけるEMC試験の自動化と高速化で協力
AVL社とローデ・シュワルツが、実際の走行条件のもとで電動トライブトレーンの電磁環境両立性(EMC)データ解析に対応した画期的なソ リューションを提供
電気自動車には多くの電子部品が搭載され、干渉の恐れがある電磁波が放射されることになります。これが自動車の性能や運転性に悪い影響を与えかねません。そこで、その開発プロセスを容易かつ高速にするため、いずれも自動車関連テストシステムの世界的なトップサプライヤであるAVL社とローデ・シュワルツは、実際の走行条件のもとで電動トライブトレーンの電磁環境両立性(EMC)データ解析に対応した画期的なソ リューションをご用意しました
自動車の電動化により、半導体のスイッチング周波数が高まったうえ、高電圧・大電流であるため放射も大きくなることから、EMCにも関する新たな課題が生まれます。そうした課題にEMS(電磁感受性)とEMI(電磁干渉)試験を通じて対処しつつ、市場投入までの時間に対する要求にも応えるには、試験の自動化がカギになります。加えて、可能な限り現実の状況に則した試験を行わなければなりません。そのため、自動車のEMC試験は静的なものから、EMC試験の実行中に速度やトルクを変えながらドライブトレーンを動作させるというダイナミックな試験へと移行する傾向にあります。
このとき、EMCテストベッドと測定システム、自動化ソフトウェアの間で測定データをリアルタイムに同期させることが、効率的で再現性のあるEMC適合部品や車両の開発に欠かせません。そこで、AVL社とローデ・シュワルツは、一般的な自動車規格をカバーすると同時に、実際の走行条件のシミュレーションによる試験をサポートしたソリューションを開発しました。R&S ELEKTRA EMC試験ソフトウェアによるテストベッド/EMC測定機器間のデータ交換と同期したAVL PUMA 2™自動化プラットフォームが、テストサイクルを制御して、測定データを保存します。特にELEKTRAソフトウェアには、自動かつシームレスにAVL CONCERTO™ソフトウェアと通信できるように改良を施し、従来の手動操作を不要にしました。そのCONCERTO™は、事前の設定した合否基準に従って、測定データの後処理を自動的に行い、完全な試験レポートを生成してくれます。
R&S ELEKTRAがEMCシステム全体を制御し、エミッション(EMI)とイミュニティ(EMS)の認証対象となる被試験機器(EUT)の測定を自動化するため、同ソフトウェアなら、試験システムの構成や一般的な規格に準拠したテスト結果のレポート作成が容易に行えます。そのため、試験の実施速度が増し、総合的な試験レポートの素早い作成が実現します。
「以前から、多くのお客様が当社AVLのEMC試験自動化システムにローデ・シュワルツのEMCアナライザを接続できたらと期待していました。そこで私どもは協力してこれを完全に実現し、電気駆動システムや車両のいっそう充実したEMC評価を素早く行える新しいソリューションとしてご提供できるようにしました」と、AVL List GmbH社の電気自動車テストシステムとEMCアプリケーション部門の責任者であるAlban Hemery氏は説明しています。
「ローデ・シュワルツはEMC関連機器の市場リーダーとして、AVL社との長きにわたる生産的な協力を重ね、自動車産業に向けて先進のテストシステムを開発してきました。今回、R&S ELEKTRAにAVL社のPUMA 2プラットフォームとの互換性をもたせるという改良を行い、とりわけ電動ドライブトレーンについて、実際の走行条件のもとでのEMC試験時間を短縮するという重要なステップをもう一歩踏み出しました」と、ローデ・シュワルツの自動車市場セグメント担当の副社長Juergen Meyerは述べています。
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