全国約2,500店舗のポーラショップに、スマホタッチで即座にオンラインへ誘導するタッチソリューションサービス「MEET」を提供。OMOが一気に加速。
スマホをかざすだけで会員登録やキャンペーンに瞬時に参加が可能。店頭体験機会の創出、体験価値の向上を実現。
国内有数の化粧品メーカーである株式会社ポーラは、2023年4月から全国約2,500店舗(2023年12月末現在)でNFCを活用した次世代コミュニケーションサービス「MEET(ミート)」(ビジネスモデル特許申請済み、特願2021-198527、意願2022-009500)を設置し、リアル店舗の対応を中心に大きな成果を上げています(※1)。MEETの導入によってポーラの課題がなぜ解消され、具体的な成果がもたらされたのかについて、まとめていきます(※2)。
(注記)
※1…「MEET」とは、NFC(Near field communication)と呼ばれる近距離無線通信技術を活用し、スマートフォンでのタッチ動作を起点にするPoint to Digitalサービスのことです。
※2…ここでの内容は、株式会社ポーラとミート株式会社との取り組みに基づきます。また、内容の詳細については本プロジェクトを担当する株式会社ポーラで顧客戦略部 OMO企画運営チームの石田惇貴さん、並びにTB事業企画部 営業企画チームの澁谷京子さんに話をうかがい、構成しています。
国内3事業でバラバラに管理された会員ID…。会員プログラムの全社的な統合が長年の課題
ポーラは国内に主要3事業を抱えています。3事業とは、TB(トータルビューティー)事業部、PS(プレステージストア)事業部、EC事業部を指します。
かねてからのポーラの大きな課題の1つが、事業部ごとに管理、運営されている会員プログラム、会員IDの統合でした。3事業それぞれに会員プログラム(会員ID)が存在し、お客様は各事業部用に会員IDを登録。しかも各事業部は別々のデータベースで管理していたため、1人のお客さまに各事業から異なるコミュニケーションが行われていました。
本社が主導して会員IDを一元化し、お客様一人ひとりの体験価値を向上させる喫緊の課題に対して、当初は来店したお客さまにQRコードをご案内する案が検討されたものの、よりスマートに、そして本社で一元管理できる方法を模索。その中で、両者に対応できる「MEET」の採用をポーラは決断します。
MEETならタッチするだけ! QRコードでは不十分だった理由
当初の専用QRコード案だと、別途POPやポスター、パンフレットなどを用意し、スマートフォンでQRコードを読み込んでもらう手間も生じます。その上、QRコードにスマートフォンのピントが合わず、コンテンツが読み込めないなど、スマホ操作を巡る一定数のトラブルも予想され、店内に常駐する約23,000名のビューティディレクター(以下BD。2023年12月末現在)と呼ばれる美容スタッフへの負担はもとより、ご来店いただくお客さまのご負担は大きな懸案でした。
店頭現場のオペレーションに齟齬が出ず、運用上の手間が最小限になる手段を探した結果、巡り合ったのがNFCを用いた「MEET」でした。「MEET」ならスマートフォンをかざすだけで、用意しているWebページやアプリなどのデジタルコンテンツへと瞬間的にアクセスできます。テスト段階から本社の担当者とともに、店舗のBDたちからも「これほど簡単なら、お客様に不安なくご案内できる」との声が多数寄せられ、全社的な採用へと至ります。
そして2023年4月22日、全国2,555店舗、百貨店67コーナーに顧客接点ツールとして「MEET」が導入されたのです。
「MEET」導入後、会員IDの共通化がスムーズに進行
2023年4月以降、店舗内に「MEET」を設置すると、来店客に対してBDがスマホによる「MEET」へのタッチを誘導。「MEET」にかざした来店客のスマホ画面には、統合のための専用フォームがすぐに表示されます。スマホを「MEET」にかざすだけという手間いらずで、まったく迷わない動作のため、来店客の多くが統合化作業に協力的で、会員IDの共通化は急速に進行。「MEET」の管理画面では、進捗状況にあわせて専用フォームのチューニングなどを行った際も、すぐに対応できるほか、得られた来店データも管理可能な状態になり、顧客とのコミュニケーションに活用されます。
「MEET」を用いた来店施策でオンラインサイト顧客の来店キャンペーン参加者 200%を達成!
ポーラでは「MEET」導入以降の約6か月の間、全国各店舗を中心に会員IDの共有化施策を実施した後、次の展開として、新サービスをご登録いただいたお客さまに対して「MEET」を活用した来店キャンペーンを実施しました。
これまでは、店内オペレーション観点から商品のご購入と連動するキャンペーンを中心に実施してきました。「MEET」はスマホをタッチするだけでキャンペーンに参加できるという仕組みのため、お客さまが気軽に参加でき、またご案内する店頭スタッフもオススメしやすいことから活動が活性化され、一気に全国へ展開されました。
その結果、入店にハードルを感じていた新規のお客さまや、ご利用歴が長くないお客さまの来店にも繋がっただけでなく、オンラインサイト顧客の来店にもつながり、従来の来店促進キャンペーンに対して200%を超える成果につながりました。
こうした来店促進キャンペーンは、顧客あたりの平均的な利用頻度にあわせて、毎回異なるキャンペーンに参加できるように設計するなど、来店すること自体への楽しみを醸成し、従来とは違うポーラとのタッチポイントを創出。また、「MEET」導入によるお客さま個々の来店履歴データの蓄積を生かし、来店動向に基づく分析、施策を実行できるようになりました。
全国約2,500店舗のオペレーションを「MEET」専用管理画面で一元管理
ご来店顧客のためのキャンペーン情報は、「MEET」専用の管理画面上で実施期間などを調整するなど、情報コントロールが可能です。つまり、本社側が管理画面上で全国各店舗のリンク先を一元管理できるため、各店舗側でキャンペーンごとの個別対応が不要に。例えば、各店舗は、本社からの「◯月×日から「MEET」のリンク先が□□□□■のキャンペーンに切り替わります」「キャンペーン期間は●月★日までの予定」といった事前アナウンスさえ把握できていれば、準備完了。従来だと発生していたキャンペーンのQRコードが記載されていたポスターなど印刷物の張り替え作業や、店頭のPOPの差し替え作業も生じません。
「MEET」があれば、各店舗の負担を最小限にしながら時期にあわせた来店客向けキャンペーンを実施できるのです。
「MEET」の独自機能「シェアブロック機能」で、実際に来店したお客様のみに特典を提供!
「MEET」はデータベースに基づく、一人ひとりの会員IDに応じた対応が可能です。そのため、店頭に設置した「MEET」に対して、キャンペーン期間中でも新規顧客には会員登録するためのフォームをご案内し、キャンペーン期間中に複数回の来店があったお客様には、履歴の管理によって重複対応がなされないようにするなど、お客様との接点履歴にあわせた適切な対応が可能です。
また、「MEET」の「シェアブロック機能」によって、来店時に案内されたキャンペーン用URLをコピーして、店舗に来店していない別のユーザーにURLをシェアしてもキャンペーンには参加できない仕組みを実現。もし同様の施策をQRコードで行うと、そもそも施策の違いによってQRコードをはじめ、QRコードを掲載しているポスターやパンフレットなどを使い分ける必要が出てきますし、QRコードの使いまわしを防ぐためにセキュリティ対策などの新たな手間やコストがかかります。しかも、そこまで対応した場合でも、完全に防止できない事態まで想定する必要もあるのです。
ECサイトからリアル店舗ご来店へ「MEET」が一役!
こうして「MEET」を導入して主要3事業の会員プログラム(会員ID)を統合しながら、来店キャンペーンも実施したことで、お客様のオフライン(来店)における行動データの分析も可能に。その結果、多くのオンラインサイト顧客さまにご来店いただいていることもわかってきました。
1施策あたりでのオンラインサイト顧客の来店客数を見ると、「MEET」導入前に比べ導入後は来店顧客数が増加。足を運んでくださった方は高い確率でお店での購買にも結びついています。このことからも、リアル店舗に来店したからこそ参加できるキャンペーンへの関心の高さ、中でもタッチだけで参加できる気軽さへの支持の高さも判明してきており、ECサイトと店舗を繋げるOMO(Online Merges with Offline)施策として「MEET」が重要な役割を果たしている、とも言えます。
ECサイト経由の来店客からは、独自技術「モーションスキャンテクノロジー」を用いた「ポーラの肌分析」(要予約)を体験できたり、BDから直接のアドバイスを受けられたりすることで「求めていた商品との巡り合いにつながった」という声が多く寄せられています。
「MEET」を用いたポーラによる施策の展望
ここまで説明してきた通り、従来は購買に紐づくキャンペーン施策が中心になりがちで、結果的に新規来店者の入店のハードルが自然と高くなっていました。スマホで「MEET」にタッチするだけで、来店にあわせたキャンペーンに参加できる仕組みによって、各コミュニケーション導線にも新たな武器が加わることで各店舗に来店するきっかけづくりへとつながり、購買にとらわれず入店できる動機が生まれました。上記の通り、「MEET」による来店客数増加は現場の共感性も高く、成果を導くキャンペーン施策を主導する本社と各店舗とのリレーションも強化されていきます。
今後は、購買とは異なるアクションも含めたさらなる顧客動向の分析強化が期待されます。例えば、「MEET」へのタッチ回数(=来店回数)と商品の種類や購入金額の相関性を検証し、個々の状況にあわせたキャンペーン内容の出し分けなども検討事項です。このように本社が行った顧客情報の分析結果を店舗ごとにフィードバックしながら、データに基づく効果的なキャンペーン施策の検討に役立てていく予定です。
将来的には「MEET」へのタッチによる来店ポイントの導入をはじめ、ポーラは現状以上に強みであるリアルチャネルへの来店機会を促進する各種の「MEET」施策の準備を進めているところです。
問い合わせ情報
ミート株式会社について
・社名:ミート株式会社
・所在地:東京都世田谷区弦巻1-50-13
・設立:2022年6月30日
・代表者:代表取締役 岩城 功
・URL:https://www.meet-meet.com/
・事業内容
NFCチップ活用及びその周辺領域の事業/広告代理店業、販売促進及びマーケティングに関する企画・制作・コンサルティング/ホームページの企画、制作、販売及び保守/コンピューターソフトウェアの企画、制作、販売及び保守/コンピューターネットワークシステムの企画、設計、開発、販売及び保守
本件についてのお問い合わせ先
ミート株式会社 MEET事務局
Eメールアドレス:inquiry@meet-meet.com
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