個人情報を扱う現場でも、生成AIを安全に。株式会社アテナが「AIセキュリティ環境」を自社構築

Microsoft Entra ID × Amazon Bedrockで実現する、データの国内処理とPC設定の統制。2026年11月より「AIセキュリティ環境構築サービス」として提供開始予定。

株式会社アテナ

株式会社アテナ(本社:東京都江戸川区、以下「アテナ」)は、社員が普段使用しているMicrosoft Entra IDのアカウントでログインするだけで、Anthropic社の生成AI「Claude」を安全に利用できる「AIセキュリティ環境」を、Amazon Web Services(以下「AWS」)のAmazon Bedrock上に自社で構築し、全社展開を開始しました。

個人情報・機密情報を日々取り扱うBPO企業として、AIの処理を日本国内に限定し、情報が外部へ出る経路を遮断したうえで、AWS側だけでなくAIアプリとPCの設定まで一括で統制しています。

本取り組みは、AWS公式ブログでも事例として紹介されています。
▶ 株式会社アテナが Claude Code on Amazon Bedrock で実現した、非エンジニア向け生成 AI 全社展開 | Amazon Web Services ブログ

また、アテナは本環境の構築ノウハウをもとに、同様の環境を必要とする企業向けに「AIセキュリティ環境構築サービス for Amazon Bedrock」を2026年11月より提供開始する予定です。


■背景 ー 人手不足の中で「AIを使いたい」、BPO企業として「情報は絶対に守りたい」

アテナは、ダイレクトメールの発送や物流、カスタマーサポートなど、お客様の業務を受託するBPO企業です。人件費の高騰と人手不足が続く中、業務の省人化・効率化に生成AIを活用することは、当社にとって避けて通れないテーマとなっていました。

一方で、当社はお客様からお預かりした個人情報・機密情報を日々取り扱っており、利便性だけを理由にAIを全社展開することはできません。実際に検討を進めると、一般的な生成AIサービスを全社で利用するには、次のような課題がありました。

  • 費用
    アカウント数契約では利用しない社員の分まで毎月費用が発生する一方、利用頻度の高い社員は利用上限に達して作業が止まってしまう

  • ID管理
    AIのためだけに新たなユーザー管理の仕組みを増やしたくない

  • 認証情報
    APIキーをPCに配布すると、長期間有効な「鍵」が端末に残る

  • 情報の持ち出し
    AIのWeb検索・Webページ取得機能を通じて、業務情報が外部に出るおそれがある

  • データの所在
    入力内容がAIの学習に使われないこと、処理が日本国内で完結することが、お客様との契約上も重要となる

こうした条件を満たす環境を自社で構築・運用している企業は、これまで一部の大手企業に限られていました。アテナは2026年6月に自社での構築に着手し、約3か月で本番環境を完成させました。

■「普段のログインだけで、安全にAIが使える」環境を実現

社員は、いつものAIアプリ(Claude Desktop)を起動し、会社のEntra IDでサインインするだけでAIを利用できます。その裏側では、有効期限付きの一時的な認証情報が毎回発行され、日本国内のリージョン(東京・大阪)で処理される呼び出しだけを許可する仕組みとなっています。

【本環境の3つのポイント】

  1. 情報を外に出さない
    AIの処理は日本国内(東京・大阪リージョン)で完結します。
    入力内容はAIの学習に使われず、Web検索・Webページ取得は禁止しています。利用ログは自社の環境に暗号化して保管しています。

  2. 既存の仕組みにそのまま載せられる
    IDはEntra ID、PCの設定は会社の端末管理(MDM)で配布するため、新たな管理基盤も、PCに配布する「鍵」も不要です。退職者はIDを停止するだけで、AIへの経路も閉じられます。

  3. 使った分だけ、使う人に投資
    アカウント数課金ではなく従量課金を採用しています。
    誰がどのモデルをどれだけ使ったかを可視化できるため、利用上限やモデルの割り当てをデータに基づいて決められます。

【AWS・AIアプリ・PCの三層をすべて自社で設計】

AWS側をどれだけ堅牢に作っても、端末とアプリが統制されていなければリスクは残ります。
アテナは、①AWS側の設定、②AIアプリ(Claude)側の設定、③PC側の設定という三層すべてを自社で設計・検証し、「利用者の作業を妨げないこと」と「情報を外に出さないこと」の両立を追求しました。この三層をすべて押さえた構成は、現時点で企業が生成AIを安全に活用するための現実的な選択肢と考えています。

■社内での導入効果

  • 2026年9月に28台での実証実験(PoC)を実施し、全社展開へ移行

  • 推進担当者の体感で業務の半分程度を削減。社内資料の約9割をAIで作成するようになり、提案・見積りのスピードが向上

  • 非エンジニアの社員がAIへの指示や前提をまとめた設定ファイルを自ら作成し始めるなど、社内のAIリテラシーが自然に底上げ

  • 処理が国内で完結するため、お客様へのAI利用に関する説明が容易に

■全体像(簡略図)・技術的な補足

社員PC(Claude Desktop)→ Microsoft Entra IDでサインイン → Amazon Bedrock(東京リージョンに接続し、処理は東京・大阪の国内リージョン内で完結)→ Claude
※PCの設定はMDMから一括配布 ※利用ログは自社のAWSアカウント内に暗号化して保管

※構成イメージ

層

統制する内容

主な仕組み

①AWS側

どのモデルを、どこで、どう呼び出せるか。記録・監視・費用

Entra IDのOIDCフェデレーションとAWS Security Token Service(AWS STS)による有効期限12時間の一時認証。
日本国内クロスリージョン推論のみを許可。
呼び出しログをAmazon CloudWatch Logs と Amazon S3 に、AWS Key Management Service(AWS KMS)で暗号化して保管。
AWS Budgetsによる予算超過通知、Amazon GuardDuty・AWS Security Hubによる脅威検知・可視化。

②AIアプリ(Claude)側

使える機能と操作時の挙動

チャットとコーディング支援のみを許可。Web検索・Webページ取得を禁止。
業務自動化に必要なブラウザ自動化(Playwright MCP)のみを許可リスト方式で開放。操作の許可・拒否表示を管理設定ファイルで調整

③PC側

接続先・利用モデル・使用量

MDMで配布するレジストリ設定により、接続先(Amazon Bedrock・東京リージョン)の固定、許可モデルの指定、トークン使用量の上限を一括統制。端末に静的なAPIキーを置かない

※設計の詳細やPoCで実測したコストは、下記のAWS公式ブログをご覧ください。

■AWS公式ブログでの紹介

本取り組みは、アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社と共同で執筆したAWS公式ブログ記事「株式会社アテナがClaude Code on Amazon Bedrockで実現した、非エンジニア向け生成AI全社展開」として紹介されています。
設計の考え方やPoCの実測データなど、技術的な詳細はこちらをご覧ください。
▶ 株式会社アテナが Claude Code on Amazon Bedrock で実現した、非エンジニア向け生成 AI 全社展開 | Amazon Web Services ブログ

■「AIセキュリティ環境構築サービス for Amazon Bedrock」を2026年11月より提供開始予定

アテナは、本環境の構築・運用で得たノウハウをもとに、同様の「AIセキュリティ環境」を必要とする企業向けに、「AIセキュリティ環境構築サービス for Amazon Bedrock」を2026年11月より提供開始する予定です。
導入後の利用ルール整備やサポートまで含めてご支援します。

【サービス概要】

項目

内容

サービス名

AIセキュリティ環境構築サービス for Amazon Bedrock

提供開始

2026年11月(予定)

対象

Microsoft 365(Entra ID)とAWSを利用中、または利用予定の企業

提供内容

要件整理、AWS側・AIアプリ側・PC側の構築と設定、利用ガイド・運用ルール整備、展開後のサポート

費用

個別お見積り

【導入の前提(ご準備いただくもの)】
・Microsoft 365(Microsoft Entra ID)の契約
・AWSアカウント(東京リージョンでAmazon BedrockのClaudeを利用できること)
上記2点があれば、当社と同様の環境の導入支援が可能です。
なお、ネットワークを含めたPC環境は事前に確認させていただきます。

【提供内容(予定)】
・要件整理(利用範囲・取り扱う情報の種類・利用ルール)
・AWS側の構築(Entra IDとの認証連携、利用ログの保管・暗号化、予算・脅威検知の設定)
・AIアプリ側・PC側の設定(接続先の固定・機能制限・使用量上限・配布物の作成)
・利用ガイド・運用ルールの整備、展開後のサポート

【導入の流れ(予定)】
お問い合わせ → ヒアリング → お見積り → 構築・設定 → 試験運用 → 全社展開
※期間・費用は環境により異なります。

■こんな企業におすすめ

  • 個人情報・機密情報を扱う業務で生成AIを活用したい企業
    (BPO、金融・保険の事務、自治体業務の受託、コールセンターなど)

  • 生成AIの全社導入を検討しているものの、アカウント数課金・ID管理・情報漏えいへの不安から踏み切れていない企業

  • 社内にAWSの専門人材が少なく、クラウド側とPC側の両面をまとめて相談したい中堅・中小企業


■株式会社アテナについて

株式会社アテナは、ダイレクトメール発送を始め、物流・印刷・コールセンター・データ入力・オフィスワーク・システム開発等の幅広いアウトソーシングを手掛ける総合BPO会社です。
「デジタル」と「リアル」領域をカバーする各種サービス機能を組み合わせた『クロスファンクショナルBPO』をもとにお客様の業務課題を解決するソリューションを提供しています。

<会社概要>

・会社名:株式会社アテナ

・代表者:代表取締役社⻑ 渡辺剛彦

・所在地:東京都江⼾川区臨海町5-2-2
コーポレートサイト:https://www.atena.co.jp/

■本件に関するお問い合わせ

株式会社アテナ デジタル戦略部 担当:河野
TEL:03-3689-3511
お問い合わせフォーム:https://www.atena.co.jp/inquiry_service

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会社概要

URL
https://www.atena.co.jp/
業種
サービス業
本社所在地
東京都江戸川区臨海町5-2-2
電話番号
-
代表者名
渡辺 剛彦
上場
未上場
資本金
1億円
設立
1968年05月