【ノウハウ特別公開】地方都市の”同質性リスク”を越える組織改革|東かがわ市「女性活躍を生存戦略に変える地方経営」講演録
「事務員さん」の制服廃止から始まった組織改革。地方都市が直面する「同質性リスク」を乗り越え、持続可能な地域社会を目指すための実践的ノウハウを提供します。
株式会社日本総険(本社:香川県高松市、代表取締役社長:葛石 智)は、深刻化する地方都市の労働力不足に向けた組織改革の実例として、2026年8月9日に開催された「東かがわ市男女共同参画講演会」にて、当社取締役副社長の葛石晋三が登壇いたしました。
講演では、単なる啓発にとどまらない「社会実装」としての女性活躍推進のあり方について、当社グループの実体験を交えた具体策を提供いたしました。本リリースでは、地域の持続可能な経営を目指す企業様への一助として、当日の講演内容から反響の大きかったノウハウの一部を特別公開いたします。
▼株式会社日本総険 コーポレートサイト
■ 本リリースのポイント
1.地方都市共通の課題である「人口減少と労働力不足」に対する、生存戦略としての女性活躍のあり方を提言。
2.女性社員比率70%で株式上場を達成し、女性役員を輩出する日本総険の「職位が業務を規定するルールの廃止」など具体的な組織改革の実例を公開。
3.世代間で生じる「意識の分断」を可視化し、家庭内や心の中にあるアンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)を払拭する重要性を解説。

■ 登壇の背景:地方都市共通の課題「人口減少」と、東かがわ市の前向きな取り組み
国内の地場産手袋生産シェア約90%を誇る香川県東かがわ市は、長きにわたりものづくりで「外貨を稼ぐ町」として発展してきました。一方で、全国の地方都市と同様に人口減少という大きな課題に直面しており、市の予測データにおいても、将来的な労働力不足への対応が急務とされています。
こうした中、東かがわ市では「これまでの『意識啓発』の段階から、働き方や制度を実際に作り変える『社会実装』の段階へ」という方針を掲げ、地域の持続的な発展に向けた取り組みを推進されています。当社グループは、この前向きな姿勢に深く賛同し、自社が実践してきた「女性活躍」のノウハウが地域の生存戦略の一助となればと考え、今回の登壇および本リリースを通じたエッセンスの一部公開に至りました。
(※出典:経済産業省「令和5年 経済構造実態調査」/東かがわ市 人口ビジョン等より引用)
■ 講演ハイライト:女性活躍を阻む「境界線」を取り払う実務ノウハウ
以下の内容は、2023年8月に女性社員比率70%という体制で株式上場を果たし、現在では女性役員を輩出するまでに至った当社グループの組織改革の実例や、多様性がもたらす組織的メリットについて紹介した、講演のハイライトです。
1.地方経営における「同質性リスク(集積リスク)」の正体
企業経営において、意思決定層が同じ属性や価値観を持つ人間ばかりで構成される状態は、リスクマネジメントの観点から非常に危険です。同じ視点を持つ者だけで物事を決めると、全員が「同じように見落とし」、全員が「同じ方向に見誤る」という事態を引き起こします。
講演では、この現象を「リスクの集中(集積リスク)」であると定義。多様な人材の登用は単なる人材確保ではなく、組織の死角をなくし、予測不能な環境変化を生き抜くための「生存戦略」そのものであると解説しました。
2. 「事務員」という枠組みと制服の廃止
かつて当社でも、女性社員を「事務員さん」と呼び、制服を着用いただいていました。
しかしこれが無意識のうちに女性の可能性を固定化してしまっていたということに気づく出来事を契機として、評価制度を抜本的に見直し「職位で業務を規定する」というルールを廃止しました。
その結果、職位に左右されず多方面で成果を生み出す社員が増え、一人ひとりが主体的に強みを発揮するように。時短勤務やリモートワーク、副業制度といった多様な働き方を維持しながらも、集団としての対応力を向上させる成果を生んでいます。現在では女性役員が誕生しているほか、コンプライアンスや内部監査といった経営の根幹に関わる中核業務までも、女性社員が幅広く担う組織へと発展を遂げています。
3.世代間の意識差を可視化し、家庭内の「無意識のブレーキ」を払拭する
女性の社会参加を促すためには、社内の制度設計だけでなく、背後にある家庭環境にも目を向ける必要があります。当日の講演でも焦点となりましたが、例えば「家事・育児は分担する」という意識について、若年層ほど高い傾向にある一方、親世代では過半数に届かないという、世代間における大きな意識のギャップが存在しています。
地方都市においては、こういった「世代間の価値観の違い」が挑戦への強力なブレーキとなります。本人が「フルタイムで働きたい・新しいことに取り組んでみたい」と望んでも、かつての価値観を持つ親世代や身近な家族から、悪気なく「やめておきなさい」とストップがかかってしまうケースが少なくありません。
まずは企業や地域社会が、「家庭内の役割固定化や、世代間ギャップによる無意識のブレーキが、そのまま地域全体の労働参加率(求人への応募)を押し下げている」という事実を客観視すること。その上で、心の中にある「こうあるべき」というアンコンシャス・バイアスを一つずつ払拭していくアプローチが、真の女性活躍に向けた第一歩であると提言しました。

■ 今後の展望
2026年4月より、従業員101人以上の企業において男女の賃金差や女性管理職比率の公表が義務化されるなど、企業のダイバーシティ推進はより実効性の高い対応が求められるフェーズに入りました。
こうした社会的な課題に対し、当社自身も「性別や職位の境界線を設けない」という方針のもと、多様な働き方を取り入れ、試行錯誤しながら風土づくりに取り組んでまいりました。
上場達成や、グループ2社での「えるぼし認定3つ星」取得は、その着実な積み重ねの過程で得られた結果の一つです。現在では男性社員の比率も高まり、さらに多様な人材が参画したことにより組織の形もアップデートを続けています。
これらの実践を通じて得たノウハウを自社だけの成果に留めるのではなく、地域社会や地方企業へ還元していくことが、当社の役割だと考えています。今後も持続可能な地方経営のサポートを通じて、真の女性活躍の「社会実装」に向けた取り組みを強化してまいります。
■ 登壇概要
日時:2026年8月9日
イベント名:東かがわ市男女共同参画会 テーマ:同質性リスクを超える ‐女性活躍を生存戦略に変える地方経営の実務-
登壇者:株式会社日本総険 取締役副社長 葛石 晋三(かっせき しんぞう)
【グループ情報】
株式会社日本総険 会社概要
代表者役職氏名: 代表取締役社長 葛石 智
本社所在地: 香川県高松市サンポート2番1号
設立: 1996年12月
事業内容: 保険仲立人(保険ブローカー):四国財務局長登録第一号
証券コード: 5840
従業員数: 38名(2026年4月8日現在、連結)
拠点: 香川県
株式会社日本総険inカスタマー 会社概要
代表者役職氏名: 代表取締役社長 葛石 真士
本社所在地: 香川県丸亀市飯野町東二844-1
設立: 2000年4月
事業内容: 保険代理店
株式会社日本総険トラストテクノロジーズ 会社概要
代表者役職氏名: 代表取締役社長 葛石 晋三
本社所在地: 香川県高松市サンポート2番1号
設立: 2013年10月
事業内容: リスクコンサルティング
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