株式会社ケミトックス リチウムイオン電池の安全性試験サービスを強化
株式会社ケミトックス(本社:東京都大田区)は、従来北杜市須玉町で実施していたリチウムイオン電池(LiB)試験を、2025年10月7日に竣工した山梨県北杜市武川町の「北杜LiB試験センター」に移転し安全性評価試験サービスを大幅に拡充した。
試験サービス拡充の背景

昨今、リチウムイオン電池を原因とする事故や火災が社会的に大きな問題となっている。特に、リチウムイオン電池セルで構成されるモバイルバッテリの事故が増加しており、過充電、外部短絡、高温、衝撃、劣化セルの使用などが火災の要因として報告されている。発火時には 1000℃を超える高温の炎が噴き出すことがあり、周囲の可燃物への延焼や航空機内での重大インシデントにつながるケースも確認されている。
モバイルバッテリは、需要拡大に伴い、大容量化・多セル化が進む一方で、発火時の危険性も増している。航空会社では運航の安全対策として、預入荷物への収納禁止のみならず、手荷物棚への保管も禁止されるなど、従来以上に厳しい対応が求められる。
北杜LiB試験センターでは、これらの社会的背景を受け、安全性評価試験のさらなる拡充を行い、お客様のニーズに迅速に対応するため、設備増強および評価項目の追加を行った。
主な強化ポイント
1.新設:RC部屋(鉄筋コンクリート試験室)による安全性試験の強化
北杜LiB試験センターに新設されたRC部屋(鉄筋コンクリート構造の安全試験室)では、最大1200Whまでのリチウムイオン電池に対する各種安全性試験が可能となった。高エネルギーセルの熱暴走、発火、爆発に関わる試験を安全に実施できる環境を整備し、より幅広い電池評価ニーズに対応。
2.国際規格および国内規格に対応した安全性試験の拡大
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UN38.3
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IEC 62133
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JIS C8715 / JIS C8714(定置用・携帯機器用)
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自動車関連規格(例:ISO 12405、ISO 6469 等)
3.評価設備
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釘刺し・圧壊試験装置(釘刺し試験であれば、5営業日で完了)
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過充電・過放電試験設備
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外部短絡試験設備
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高温・低温環境試験チャンバー
釘差し試験以外でも、RC部屋の空き状況に応じて迅速に試験を開始できる体制を整えている。



北杜LiB試験センターの特長
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セル単体を中心とした安全性試験に特化した評価環境
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防爆対策を施し安全性を確保した試験棟
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専門技術者による安全性評価のサポート体制
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試験計画の策定からレポート作成まで一貫対応
今後の展開
ケミトックスは、電池メーカー、電動モビリティメーカー、蓄電システム事業者など、多様な産業分野の技術革新を支えるため、北杜LiB試験センターのさらなる拡張を進めていく方針である。
施設所在地
北杜LiB試験センター
〒408-0307 山梨県北杜市武川町柳澤2966-8
TEL:0551-45-6133
【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社ケミトックス 北杜LiB試験センター
渡邊仁、坂本清彦
E-mail: h-watanabe@chemitox.co.jp, k-sakamoto@chemitox.co.jp
TEL: 0551-45-6133
【当該企業の概要】
名 称 : 株式会社ケミトックス
代 表 者: 代表取締役CEO 中山 紘一
所 在 地: 東京都大田区上池台1-14-18
設 立 : 1975年9月3日
資 本 金: 98百万円
主な事業:
太陽電池の安全性・信頼性評価
リチウムイオンバッテリーの安全性、信頼性評価
全固体電池の研究開発
パワーデバイスの試験・評価
高分子材料等の燃焼性、耐熱性、機械特性などの各種特性評価
有害化学物質の環境分析、プリント基板の故障解析および信頼性試験
UL認証など、海外の認証取得コンサルティング
生分解性試験、及び生分解性認証取得サポート
鉄道車両、航空機、建材、水道関連製品、食品接触材料等に関する海外規格試験実施、及び規格対応コンサルティング
リサイクル材認証取得サポート
通訳・翻訳サービス
ホームページ : https://www.chemitox.co.jp/
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