特別な贈り物にも、毎日使う道具にも。銀にほれ込んだ「銀師(しろがねし)」が、江戸時代から受け継ぐ技術で仕上げる美しい銀製品。宮内庁晩餐会にも使用される一級の品々が、暮らしに輝きを与える。
優れた製品・技術を持つ事業者広く認定し、区内外へPRする「足立ブランド」。認定企業である有限会社坂巻製作所も掲載された「足立ブランド認定企業紹介冊子」が2024年3月末日にリニューアルされます。
■ 足立ブランド認定企業紹介冊子をご希望の方に送付します
足立ブランド認定企業である有限会社坂巻製作所も掲載された「足立ブランド認定企業紹介冊子」のリニューアルを記念して、「足立ブランド認定企業紹介冊子」を有限会社坂巻製作所から10名様に送付させていただきます。
送付依頼は文末の応募フォームをご利用ください。
■江戸時代から受け継がれる「銀師」の技
白く輝く美しい銀食器や銀細工。テーブルに銀食器が置かれると、その場や料理を明るく演出してくれます。
銀製品には、西洋の高貴なものというイメージもありますが、実は日本でも古くから、金、銀、銅で鍛金が行われており、装飾品や武器の飾りなどに銀が使われてきました。
現代も坂巻製作所では、江戸時代から銀細工の技法を受け継ぐ「銀師(しろがねし)」と呼ばれる職人が、その伝統を守り続けています。
坂巻製作所が得意とするのは、「銀盆」と呼ばれる銀でできたお盆。銀盆は、もともとは茶器などを載せる道具でしたが、現在では国際的なスポーツ大会の賞杯としても使われています。ゴルフ大会の表彰シーンで、入賞者が銀盆を掲げている姿を目にしたことはないでしょうか。
この銀盆には、銀細工のあらゆる伝統技術が集結しています。一枚の銀の板をハンドプレスし、その周りに細やかな銀の装飾を取り付け、さらに表面が滑らかになるよう美しく磨き上げる。どの工程にも高い技術が求められるため、現在、日本でも限られた銀師にしか銀盆を作ることはできません。
坂巻製作所では、このような優れた伝統技術と銀のすばらしさを多くの人に知ってもらいたいという思いから、銀盆の他にも、日用品としてのおろし金や、「玉盃」と呼ばれるオリジナル酒器の制作にも取り組んでいます。
■実は扱いやすい銀は、デイリー使いにも
「銀製品は管理が難しい」と思っている方も少なくないのではないでしょうか。たしかに、銀はステンレスに比べて、空気に触れると酸化しやすいという特徴があります。
しかし、この変色こそが、銀の魅力の一つでもあるのです。
銀は使い込むと、つや消しをしたような黒っぽい色に変化していきます。この色を「いぶし銀」と呼びます。人柄に深みがあり、実力がある人への褒め言葉としても「いぶし銀」が使われますよね。
銀は、新品の時の華やかさから、渋く奥行きのある色合いへと変化するその過程を楽しむことができる素材なのです。
あまり知られていませんが、銀のお手入れ方法はとてもシンプルです。アルミホイルを敷いた鍋に水を入れ、塩か重曹を入れて銀を煮込めば、新品のような輝きに戻ります。
また、使う頻度が高いほど変色が起こりにくい性質があるため、実は日用品に適した素材なのです。
■特別な贈り物にも
何十年も前の銀食器がアンティークとして重宝されるように、銀は、長い年月をかけ大切に持ち続けることができるものです。そのため、特別な贈り物にも最適。職人の手仕事によって作られた銀製品であれば、他にはないギフトとして喜ばれるでしょう。
ヨーロッパでは、赤ちゃんが生まれた時に銀のスプーンを贈る文化がありますが、これには「生まれた子が一生食べ物に困らないように」という願いが込められています。銀が丈夫で長持ちする性質であることに関係しているのです。
さらに、銀の優れた性質として、熱伝導率が高いことと、水を浄化する作用があることも挙げられます。このことから、銀で作られた酒器は冷たいお酒の味わいを引き立てます。日本酒だけでなく、ビールやワインなどにもぴったり。
坂巻製作所オリジナルの酒器「玉盃」は、水を入れると玉が浮かび上がるような特殊な仕掛けが施されています。日々の晩酌がいっそう楽しい時間となることでしょう。父の日の贈り物に選ばれることも多い人気の商品です。
⚫︎開発者 坂巻 亨氏より
「玉盃」は昔から業界では知られていた盃なのですが、商品化はほとんどされていなかった。しかし私自身が実際に使ってみるととても良かったため、ぜひ皆さんにも普段使いしてほしいと思い商品化に至りました。
当社の玉盃は、裏に鎚目(つちめ)の模様をつけ、高さを低めにしてあります。高さが低いと、うつわの重心が下に来るので持ちやすいんです。
足にあたる甲台(こうだい)にも模様をつけているのですが、表面が凸凹になるため、うつわ部分につけるのが難しい。それでも手間をかけて、よそに負けない玉盃を作りました。
父の日の贈り物などにもいいと思います。ぜひ毎日使ってほしいです。」
■伝統技法が集結!「銀盆」の制作工程
現在、銀盆を製造できるメーカーは国内でもごくわずか。坂巻製造所に残された技術はとても価値の高いものとして注目されています。
銀盆は、一枚の銀の板をプレスし、そのふちに装飾をつけて制作します。全ての工程が手作業で行われ、特に職人の手によってなめらかに磨き上げられる仕上げ作業には高い技術が求められます。
坂巻製造所が得意とする銀盆の制作工程を紹介します。
*「足立ブランド企業紹介動画」内で、製造過程を紹介しています。
有限会社坂巻製作所
https://www.youtube.com/watch?v=SxmubXJLgVY&t=82s
1 ふち・底の成形
一枚の銀板を、手動の機械でプレス成形する。
2 装飾作り
ふちの装飾模様を作るためのパーツを作成する。
3 装飾付け
バーナーを用いて、装飾のパーツを盆に取り付ける。
4 切り落とし
銀盆の余分な部分を糸のこぎりで切り落とす。
5 ヤスリ掛け
切り落とした部分を、装飾に沿ってヤスリを掛ける。
6 炭研ぎ
炭を用いて銀盆の面を研ぎ、細かな傷を取りなめらかにする。
■職人の思い
ものづくりにおいて大切なのは、探求し続けることだと思っています。思うような作品を作り上げるには長い時間がかかります。「玉盃」の開発も、今の形に仕上がるまで3年ほどかかりました。自分が納得できるまで探求を続けることが不可欠です。
こうした日々の積み重ねも、私は嫌になったことはありません。どんな仕事でも、初心を忘れずに制作できてこそ、職人といえるのではと考えています。
そしてやはり、私は銀が大好きなのです。使い込んで初めて生まれる「いぶし銀」の風合いが特に好きですね。毎日使ってこそ、本来の美しさを見せてくれる銀にほれ込んでいます。
今後も玉盃やおろし金のように、伝統的なものだけでなく、日常で使えるような新たな製品を作っていきたいです。
最近では、子どもたちに銀食器の使い方や手入れの仕方を教える取り組みも始めています。この活動を通じて、より多くの子どもたちに銀の良さを伝えていきたい。自分の技術を深めるとともに、銀の魅力を発信していきたいと思っています。
*坂巻製作所の銀製品は、以下のオンラインショップにて購入可能です。
宮本商工
https://www.miyamoto-shoko.com/
伝統工芸青山スクエアー
■ 足立ブランド認定企業紹介冊子・送付希望の方へ
足立ブランド認定企業である有限会社坂巻製作所も掲載された「足立ブランド認定企業紹介冊子」を有限会社坂巻製作所から10名様に送付させていただきます。
送付ご希望の方は下記の応募フォームをご利用ください。
※ 部数に限りがございますので、ご希望者多数の方はPDF送付になる旨をご了承ください。
足立ブランド認定企業紹介冊子 / パッケージアート株式会社・応募フォーム
https://forms.gle/AUwii73oe4gCM69K9
企業情報
有限会社坂巻製作所
会社名:有限会社坂巻製作所
住 所:東京都足立区千住緑町三丁目8番21号
電話番号:03-3881-1341
代表者:坂巻 亨
事業内容:銀器制作
取材など掲載情報に関するお問い合わせは、「足立ブランド」の運営事務局でもある産業経済部産業振興課ものづくり振興係でも受け付けております。
産業経済部産業振興課ものづくり振興係
電話番号:03-3880-5869
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