自社技術「MIRACR構法」の改定に関する建築技術性能証明を取得
~段差梁や使用材料などで適用範囲が追加~
鉄建建設株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:伊藤 泰司)は、柱RC梁S混合構造*1で高い機能性と施工性を持つ自社技術「MIRACR構法」について、新たに実施した構造実験データを基に適応範囲の拡大を申請し、2025年4月14日に一般財団法人日本建築総合試験所より、建築技術性能証明を取得しました。これに併せて、「MIRACR構法 設計施工指針」も改訂し、以下の内容で適応範囲が追加されました。
■建築性能証明 取得番号(一般財団法人日本建築総合試験所 GBRC)
・GBRC 性能証明 第06-13号 (2006年11月 7日)
・GBRC 性能証明 第06-13号 改1(2025年 4月14日)
■追加の改定内容
・設計方法の追加(段差梁、偏心梁)
・使用材料の適用範囲拡大(コンクリート強度60N/㎟、鉄筋強度490級、鋼材強度520級)
・建築物の適応範囲拡大(高さ60m以下)
MIRACR構法は、物流倉庫などの建築物において工期短縮や施工費削減を目的に開発された柱RC梁S混合構造*1です。これまでのMIRACR構法では、段差梁や偏心梁へ容易に適応できる技術として確立しておらず、また近年使用が増加している高強度材料に対応していないため、高層化・大スパン化した大規模建築物への適用が難しいことが課題でした。
※1 柱RC梁S混合構造
高い軸力保持能力と剛性を有する鉄筋コンクリート(RC)造の柱と、ロングスパンに対応可能な鉄骨(S)造の梁を組み合わせたもので、構造合理性に優れた架構形式として普及しています。
■MIRACR構法の概要
MIRACR構法は、柱RC梁S混合構造*1の接合部において、梁端部と柱の接合箇所をFBP(Face Bearing Plate)、接合部内を中板及び三角スチフナ、柱外周面をふさぎ板で構成しています(図1参照)。構成部材のFBP、中板及び三角スチフナでは、梁から柱梁接合部への応力伝達を期待し、ふさぎ板はコンクリート打設時の型枠を担うとともに、内部コンクリートを拘束し接合部の耐力上昇を期待しています。

■期待する効果
MIRACR構法は、設置したFBPを介して接合部内の中板及び三角スチフナへ応力伝達する形状であるため、FBPで梁段差を吸収できる納まりです。このことから本構法は、従来の柱RC梁S混合構造で採用される梁貫通形式に比べ、柱主筋と梁フランジの干渉を避けることが容易にでき、さまざまな接合形状にも対応が可能な合理的で優れた構造となっています。また、構造実験で得たデータを基に適応範囲が追加となり、適用できる材料強度を高くしたことで、より広い建物ニーズに対応できるようになりました。
■今後の展開
今後も当社では、取得した建築技術性能証明の利点を活かした合理的な設計・施工を取り入れ、大型の物流施設、商業施設、データセンター、生産施設などさまざまな建築物への「MIRACR構法」適用を図っていきます。
◇技術に関するお問い合わせ先
鉄建建設株式会社
建設技術総合センター研究開発センター環境G 石渡
〒286-0825 千葉県成田市新泉9-1
TEL:0476-36-2371
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