東京消防庁と連携し防災教育を実施

～クロスロードゲームで“命を守る判断力”を育む～

社会福祉法人絆友会

2025年12月1日 07時56分

令和7年10月24日（金）、東京都内の防災館にて中学生を対象とした防災教育イベントが開催されました。一般社団法人絆友会は、東京消防庁主催による本取組に協力し、クロスロードゲームを担当しました。

実施概要

日　時：令和7年10月24日（金）

場　所：東京消防庁本所防災館（墨田区）

対　象：都内中学校の生徒（約86名・全11グループ）

防災館（都民防災教育センター）は、都民の皆さんの安全な暮らしを目指し、楽しみながら地震の揺れの体験、初期消火や応急救護、火災の煙からの避難要領など、防災に関する知識や技術を学んでいただく体験施設です。こうした体験は、町会・自治会の防火防災訓練や、学校や企業新入社員に対する防災教育などにも活用され、効果を上げています。

講座内容（クロスロードゲーム）

「防災について考え、学び、体験する」時間として、地震の揺れ体験・火災による煙体験・暴風雨体験・都市型水害体験（扉や車のドアが水圧で開かない体験）などを実施され、その後のグループワークでは、一般社団法人絆友会が防災教育プログラム「クロスロードゲーム」を担当し、災害時の意思決定や助け合いについて学びました。

クロスロードゲームは、阪神・淡路大震災の実話をもとに作られた防災教育ゲームで、災害対応におけるジレンマ（難しい選択・あちらを立てればこちらが立たない状況）にどう向き合うかを考える内容です。災害対応には「絶対的な正解」があるわけではありません。みんなの意見を聞いて学ぶゲームです。

『もし、あなたがその場にいたら、どう行動しますか』という問いに対して自分ならどうするだろうと考えます。同じ状況においても様々な意見があり、同じYesでもNoでもそれを選んだ理由も様々です。

講師コメント

クロスロードゲームを通して、命を守る行動について考え、互いの価値観を知り、災害時の意思決定の難しさや話し合いを通じて意思のすり合わせや多様性を理解することの難しさを実感していただけたようです。

また、「自分の住んでいる地域の災害リスクを確認したい」「家具の転倒防止や備蓄を家族と話し合いたい」「避難所では配慮が必要な人もいることを知った」「自分たち中学生にもできることがたくさんある」といった声も聞かれました。

「こうでなければならない」という絶対的な正解はないことを事前に伝えたことで、少数意見も出しやすい雰囲気が生まれたようです。一斉にカードを出す場面では、かなりの盛り上がりが見られました。

リーダーが意見を聞く順番をテキパキと回していたグループは、よりスムーズに話し合いが進んでいたのが印象的でした。

HUGなど他の災害ゲームもありますが、クロスロードは事前準備や片付けが比較的簡単で、取り組みやすい点も魅力です。

今回は、事前にさまざまな災害体験を経てからの講座だったこともあり、生徒たちはより積極的に、そして“自分事”としてゲームに取り組めていたように感じました。
災害はいつ自分の身にふりかかってくるかわかりません。災害を他人事ではなく自分事として捉え、日頃からの備え、自宅や学校周囲のリスクを知っておくことが早めの避難に繋がります。こういった講座が皆さんの防災意識を高め、学校や家庭で災害について考え、話し合うきっかけになれば幸いです。

［講師プロフィール］

田原ひとみ(アークネクスト代表)
日本防災士会会員／日本災害医学会会員／朝霞市地域防災アドバイザー／埼玉県イツモ防災インストラクター。

東京大学生産技術研究所附属災害対策トレーニングセンター（DMTC）にて「災害対策論」教育プログラムを修了。

また、医療的ケア（喀痰吸引・経管栄養）教員講習も修了。

防災教育のほか、全国各地で保育士等キャリアアップ研修や職員研修の講師としても活動。

行政・教育機関・地域団体などと連携し、実践的な防災啓発および人材育成に取り組んでいる。

防災教育の広がりに向けて

災害は、いつ自分の身に降りかかってくるかわかりません。

災害を他人事ではなく自分事として捉え、日頃から備えを整え、自宅や学校周辺のリスクを知っておくことが、早めの避難や安全な行動につながります。

こうした講座が、皆さんの防災意識を高め、学校や家庭で災害について考え、話し合うきっかけとなれば幸いです。

研修委託・講座開催のご相談について

絆友会では、学校や地域団体、企業などを対象にした防災教育・体験型研修の委託実施を随時受け付けています。
クロスロードゲームをはじめ、避難所運営（HUG）や防災ワークショップなど、対象や目的に合わせたプログラムの企画・講師派遣が可能です。