2025年12月 関西地方の5G通信速度実測調査
■ 全108地点の下り通信速度は、auがトップ。4社平均は139.9Mbps。
■ 「駅ホーム」に比べて「駅以外」の 5G受信地点比率が高い傾向。
■ 全108地点のレイテンシは、楽天モバイルが12.5ミリ秒でトップ。
■ 下り速度の最速地点はノエビアスタジアム神戸(339Mbps)、最遅は銀閣寺(15Mbps)。
株式会社 ICT総研 (東京都中央区)は12月12日、関西地方の5G通信速度実測調査の結果をまとめた。7月に発表した北海道・東北地方、8月に発表した中国・四国地方、10月に発表した中部地方、11月に発表した九州・沖縄地方での調査と同様の調査であり、今回は対象地域を関西地方とした。具体的には、京都府、大阪府、兵庫県、滋賀県、奈良県、和歌山県の2府4県である。対象事業者はNTTドコモ、au(KDDI)、ソフトバンク、楽天モバイルの4社のMNO(移動体通信事業者)。
測定端末は、スマートフォン Google Pixel 7a。速度測定サイト「インターネット速度テスト」(Google)にて、1地点あたり下り(ダウンロード)と上り(アップロード)の通信速度を3回ずつ実測した。併せて、レイテンシ(遅延時間)も記録。測定地点は、関西地方2府6県の駅ホーム、県庁・市庁、大学、空港その他のランドマークとなっている地点など全108地点。優先ネットワークは「5G優先」設定とした。調査日は2025年11月8日~22日である。朝夕のラッシュ時間帯を避けた「閑散時間帯」に調査した。
■ 全108地点の下り通信速度は、auがトップ。4社平均は139.9Mbps。
調査の結果、関西地方 全108地点の下り通信速度は、auが172.6Mbpsでトップ。NTTドコモ 170.5Mbps、ソフトバンク 167.4Mbps、楽天モバイル 48.9Mbpsと続いた。4社平均の下り通信速度の平均は、139.9Mbpsである。過去の調査では北海道・東北地方、中国・四国地方、中部地方ではソフトバンクが下り速度がトップ、九州・沖縄地方ではNTTドコモがトップであった。関西地方では、大手3社の下り通信速度の差が小さく、僅差の争いとなっている。
府県ごとに見ると、京都府でauがトップ、大阪府、和歌山県ではソフトバンクがトップ、兵庫県、滋賀県、奈良県ではNTTドコモが下り通信速度トップであった。
また、全108地点の上り通信速度はソフトバンクが31.7Mbpsでトップ。au 29.5Mbps、楽天モバイル 23.4Mbps、NTTドコモ 18.7Mbpsという結果であった。上り速度の事業者間の差の小ささは、他の地方と同様の傾向である。

■ 「駅ホーム」に比べて「駅以外」の 5G受信地点比率が高い傾向。

全108地点の5G受信地点比率は、4社平均で75.5%。これは、過去の調査と比べると、九州・沖縄地方の73.7%を超えて、最も高い数値である。これを「駅ホーム」(全48地点)と「駅以外」(全60地点)に分けて見ると、「駅ホーム」は4社平均68.8%、「駅以外」は80.8%。「駅ホーム」よりも「駅以外」の5G受信地点比率が高い傾向がみられる。
「駅ホーム」の5G受信地点比率は、ソフトバンクが77.1%でトップ、「駅以外」はauが93.3%でトップであった。
■ 全108地点のレイテンシは、楽天モバイルが12.5ミリ秒でトップ。
レイテンシ(遅延時間)は値が小さい方が利用にあたって快適だとされるが、全108地点のレイテンシ(遅延時間)は楽天モバイルが12.5ミリ秒で最短であった。NTTドコモ(19.9ミリ秒)、ソフトバンク(22.0ミリ秒)、au(22.3ミリ秒)と続いている。他の地方と同様に、楽天モバイルの遅延時間の短さが目立っている。
全108地点のレイテンシの4社平均は、19.2ミリ秒。これは、他の地方と比べて最も短く、良好な数値である。

■ 下り速度の最速地点はノエビアスタジアム神戸(339Mbps)、最遅は銀閣寺(15Mbps)。
測定地点ごとに見ると、今回調査における下り通信速度の最速地点は兵庫県のノエビアスタジアム神戸であり、4社平均下り速度は339.1Mbpsであった。他に300Mbpsを超えた地点は、近江八幡駅(317.2Mbps)、サンガスタジアム(316.1Mbps)、姫路駅(314.7Mbps)、神戸市役所(313.7Mbps)、キーノ和歌山(302.3Mbps)である。一方で、4社平均の下り速度が最も遅かったのは、銀閣寺(15.0Mbps)であった。他に30Mbpsを下回った地点は、奈良公園バスターミナル(15.8Mbps)、東大寺南大門(19.6Mbps)、金閣寺(21.2Mbps)、阪急梅田本店(21.7Mbps)、法隆寺(23.1Mbps)、心斎橋駅(25.8Mbps)である。関西地方は他の地方と比べて、4社平均の下り通信速度が極めて速い地点も多いが、遅い地点もまた多い結果となった。
ICT総研では今後も、「つながりやすさ」や「通信速度」について、ユーザーが利用するさまざまなシーンを想定し、ユーザーにとって指標となる実測データを定期的に提供していく方針である。






* 朝夕のラッシュ時間帯(7:00~9:00、17:00~20:00)を避け、閑散時間帯に測定した。
* 通信速度が制限されない通信プランを選択している。
* auの「5G Fast Lane」は利用していない。
* 本資料における全ての文章、数値、表、データは、調査実施時点のものである。
* 通信速度は、同じ地点であっても、測定日時や天気、測定端末の向き・高さ、ネットワークの混雑状況
などにより、大きく変動するものであり、注意されたい。
* 本資料に記載された文章、グラフ等を報道、各種ホワイトペーパー、セミナー資料、学術研究資料等
に転載する場合は、「ICT総研調べ」「出典:ICT総研」などの表記を加えて下さい。
ICT総研ホームページ
https://ictr.co.jp/report/20251212.html
■株式会社ICT総研について
ICT総研は市場調査会社・シンクタンク出身者を中心に2011年に設立された独立系調査会社です。
主な事業内容:ICTおよびその他分野に関する市場調査、コンサルティング、出版
資本金:1000万円
代表者:代表取締役 齊藤 和
従業員数: 企画スタッフ・リサーチャー・アナリスト 合計20名(契約スタッフを含む)
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