台湾文化センターと誠品生活日本橋で台湾の話題作「フォルモサに咲く花」をめぐってイベント開催

原作者の陳耀昌氏(左)と訳者の下村作次郎氏(右)原作者の陳耀昌氏(左)と訳者の下村作次郎氏(右)

2019年の台湾文学フェスタ兼台湾カルチャーミーティングのイベントとして、台湾で話題となった歴史小説「フォルモサに咲く花(原題:傀儡花)」(東方書店)の日本語版の刊行にあわせて、著者・陳耀昌氏を台湾から招き、台北駐日経済文化代表処台湾文化センターで10月18日にトークが、誠品生活日本橋で19日に新書発表会がそれぞれ開催され、大勢の観客でにぎわった。

「フォルモサに咲く花」は、1867年に台湾・屏東の恒春半島で起きた米船の座礁事件「ローバー号事件」を題材に、台湾で長く医師として活躍し、作家に転身した陳氏が2016年に台湾で発表した作品であり、現在、台湾の公共テレビでドラマ化の制作が進行している。

18日のトークでは、これも恒春半島で1971年の琉球船の漂着をきっかけに起きた「牡丹社事件」をテーマにしたノンフィクション作品「牡丹社事件 マブイの行方」を今年刊行したノンフィクション作家、平野久美子氏をゲストに招き、日本が台湾統治を始める1895年の前に起きた2つの原住民社会と外国との国際紛争が、その後台湾の社会や国家の運命に大きな影響を与えたことを語り合った。聴衆からは、なぜ、それぞれの事件で原住民が遭遇した外国人を殺害したに至ったかについて質問が上がり、陳氏、平野氏がそれぞれの見解を語るなど、活発な議論となった。

19日の新書発表会では「フォルモサに咲く花」の翻訳者で、長年台湾文学や原住民文学を研究してきた下村作次郎・天理大学名誉教授が、作品の背景やストーリーの解説を行った。下村氏は、ローバー号事件が台湾史や清朝史でほとんど注目されなかった出来事であることを説明し、陳氏の作品が新しい台湾史の一面に光を当てる貴重な作品であると指摘した。

陳氏は「夢が実現するとき」と題して講演し、両親が日本語話者であったこと、日本のNHKの大河ドラマから着想を得て、本作を執筆したことを披露。政治的なイデオロギーにとらわれない人物評価を心がけたことを強調した。陳氏は、他界した両親が日本語話者で日本の教育を受けたことから、「日本語版の刊行を最も喜んでいるのは両親、特に母親でしょう」と語った。

陳氏は1949年台湾・台南市生まれ。国立台湾大学医学部名誉教授で、骨髄移植を台湾で初めて成功させた。主要著作に『島嶼DNA』(印刻出版、2015年、巫永福文化評論賞受賞)、小説『福爾摩沙三族記』(遠流出版、2012年)、『傀儡花』(印刻出版、2016年、 台湾文学賞 図書類長編小説金典賞受賞)、『獅頭花』(同、2017年、新台湾和平基金会台湾歴史小説賞佳作受賞)、『苦楝花Bangas』(同、2019年)などがある。
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