MSCが持続可能な漁業を推進するための海洋プロジェクトを助成
オブザーバーの安全性の強化と混獲削減に向けた取り組み等に対し、総額65万英ポンドの助成金を授与
MSC(海洋管理協議会)は持続可能な漁業を可能にし、支援するために設立した海洋管理基金から、世界の20の漁業と研究プロジェクトに対して、それぞれ最大6万英ポンドを授与します。
助成の対象は、RSPB(英国王立鳥類保護協会)、WWF(世界自然保護基金)インド、EDF(環境防衛基金)のほか、南北アメリカ、ヨーロッパ、アジア、オーストラリアの漁業です。助成金の約4分の1は、開発途上国の漁業を支援するために授与されます。
2021年度は、漁業オブザーバーの安全性を高めるための研究を優先対象としました。漁業オブザーバーは、責任ある漁業を実証するデータや根拠の収集に不可欠な役割を果たしています。海洋管理基金の一部は、漁業オブザーバーの育成・派遣企業ソルトウォーターとITコンサルティング企業コーデータが共同で取り組んでいる「ワンタッチ」コミュニケーション・プラットフォームの構築に対して授与されます。このプラットフォームによって、漁業オブザーバーは本部と安全に連絡を取り合ったり、危険な労働環境について緊急サービスに通報したりすることが可能になります。
また、海洋の生物多様性を減少させる主な原因である混獲の削減を目的とした3つの研究プロジェクトにも助成金が授与されます。ほかには、漁業の漁獲方策や餌釣り漁業を改善するプロジェクトが優先対象となっています。
以下のプロジェクトにも助成金が授与されました。
· RSPBとISF(アイスランド持続可能漁業会)のランプフィッシュ漁業は協働で、浮き沈みする浮標に目の模様を描くことでどれだけ効果的に漁網から海鳥を遠ざけられるかを調査します。これは混獲を削減するためのシンプルで費用対効果の高い方法となる可能性があります。
· オーストラリアのマグロ・カツオ類漁業組合Tuna Australiaは、IUU(違法・無報告・無規制)漁業の脅威にさらされているアルゼンチンマツイカの代わりとなる餌について、人工餌も含めて研究を行います。オーストラリア東部マグロ・カジキ漁業だけでなく、餌を使用する他の漁業にとっても有益となる結果が期待されます。
· インドネシアの国立大学、IPB(ボゴール農科大学)の大学院の学生は、環境DNA分析を用いて、ジャワ海のワタリガニ漁の混獲種を特定する研究を行っています。このデータは、持続可能な漁業への移行を主導するAPRI(インドネシア・ワタリガニ協会)の漁業改善プロジェクトにとって不可欠なものとなるでしょう。
この基金では、漁業管理の改善を始めて間もない漁業に対しても支援を行っており、助成金の4分の1近く(157,724英ポンド)を占めています。対象となった6件は、インド・ケララ州のホッコクアカエビ・トロール漁業、インドネシアのマドゥラ島のワタリガニ漁業、メダンのイカ漁業およびマカッサル海峡のフエフキダイ、ハタ漁業など、開発途上国の漁業改善プロジェクトに参加している漁業です。
MSCの最高責任者、ルパート・ハウズは次のように述べています。
「2021年度海洋管理基金の受賞者の皆様にお祝い申し上げます。2018年に設立された本基金は、海洋漁業のあり方を真の意味で改善し、世界中の漁業が持続可能性への道へと進んでいくために、信頼性の高いプロジェクトや取り組みに対して助成金を授与するものです。
各プロジェクトから得られた知見が、助成対象の枠を超えた広い範囲に応用されて、持続可能な漁業に向けた大規模な取り組みを促進するための起爆剤となることを願っています。
今年度の助成申請はいずれも質の高い素晴らしいものばかりでした。海洋管理基金が、共同プロジェクトを優先対象とすることによって、革新と創造性を促進すると確信しています。海洋への負荷と水産物の需要が高まる中、私たちが力を合わせることで、資源豊かで回復力のある海にすることができます。しかし、2030年までに国連の掲げるSDGs(持続可能な開発目標)を達成するためには、さらに多くのことを緊急に行う必要があります。」
海洋管理基金はこれまで35件、総額130万英ポンドの助成金を授与しています。MSCは、これらのプロジェクトの成果がSDGsの目標14「海の豊かさを守ろう」の実現に貢献することを期待しています。
2020年度の助成金交付実績についてはこちらをご覧ください。
https://www.msc.org/jp/media-centre/press-releases/200528
注記:
· ISFのランプフィッシュ漁業ISFとオーストラリア東部マグロ・カジキ漁業はMSC認証漁業ですが、インドネシアのワタリガニ漁業とメダンのイカ漁業は認証に向け、漁業改善プロジェクトに参加している漁業です。これらの漁業は、オランダの郵便番号宝くじの資金提供を受けたMSCのFish for Goodプロジェクトの対象漁業でもあります。
· 海洋管理基金の助成対象者はすべて、助成募集の際に提示された必要条件を満たしていなければなりません。
MSC(海洋管理協議会)について
将来の世代まで水産資源を残していくために、認証制度と水産エコラベルを通じて、持続可能で適切に管理された漁業の普及に努める国際非営利団体です。本部をロンドンとし1997年に設立され、現在は約20カ国に事務所をおき世界中で活動しています。MSCジャパンは2007年に設立。MSC「海のエコラベル」の付いた水産品は世界約100カ国で45,000品目以上、日本では約900品目が承認・登録されており、イオングループ、生協・コープ、セブン&アイグループ、西友、マクドナルドなどで販売されています。
持続可能で適切に管理された漁業のためのMSC漁業認証規格は、世界で広く認知されており、最新かつ確実な科学的根拠に基づき策定されたものです。漁業がこの規格を満たすためには、(1)水産資源が持続可能なレベルにあり、(2)漁業による環境への負荷が抑えられており、(3)長期的な持続可能性を確実なものにする管理システムが機能していることを、独立した審査機関による審査を通じて実証することが求められます。
詳しくはMSCウェブサイトをご覧ください:https://www.msc.org/jp
MSC「海のエコラベル」について
MSCの厳格な規格に適合した漁業で獲られた水産物にのみ認められる証、それが「海のエコラベル」です。
助成の対象は、RSPB(英国王立鳥類保護協会)、WWF(世界自然保護基金)インド、EDF(環境防衛基金)のほか、南北アメリカ、ヨーロッパ、アジア、オーストラリアの漁業です。助成金の約4分の1は、開発途上国の漁業を支援するために授与されます。
2021年度は、漁業オブザーバーの安全性を高めるための研究を優先対象としました。漁業オブザーバーは、責任ある漁業を実証するデータや根拠の収集に不可欠な役割を果たしています。海洋管理基金の一部は、漁業オブザーバーの育成・派遣企業ソルトウォーターとITコンサルティング企業コーデータが共同で取り組んでいる「ワンタッチ」コミュニケーション・プラットフォームの構築に対して授与されます。このプラットフォームによって、漁業オブザーバーは本部と安全に連絡を取り合ったり、危険な労働環境について緊急サービスに通報したりすることが可能になります。
また、海洋の生物多様性を減少させる主な原因である混獲の削減を目的とした3つの研究プロジェクトにも助成金が授与されます。ほかには、漁業の漁獲方策や餌釣り漁業を改善するプロジェクトが優先対象となっています。
以下のプロジェクトにも助成金が授与されました。
· RSPBとISF(アイスランド持続可能漁業会)のランプフィッシュ漁業は協働で、浮き沈みする浮標に目の模様を描くことでどれだけ効果的に漁網から海鳥を遠ざけられるかを調査します。これは混獲を削減するためのシンプルで費用対効果の高い方法となる可能性があります。
· オーストラリアのマグロ・カツオ類漁業組合Tuna Australiaは、IUU(違法・無報告・無規制)漁業の脅威にさらされているアルゼンチンマツイカの代わりとなる餌について、人工餌も含めて研究を行います。オーストラリア東部マグロ・カジキ漁業だけでなく、餌を使用する他の漁業にとっても有益となる結果が期待されます。
· インドネシアの国立大学、IPB(ボゴール農科大学)の大学院の学生は、環境DNA分析を用いて、ジャワ海のワタリガニ漁の混獲種を特定する研究を行っています。このデータは、持続可能な漁業への移行を主導するAPRI(インドネシア・ワタリガニ協会)の漁業改善プロジェクトにとって不可欠なものとなるでしょう。
この基金では、漁業管理の改善を始めて間もない漁業に対しても支援を行っており、助成金の4分の1近く(157,724英ポンド)を占めています。対象となった6件は、インド・ケララ州のホッコクアカエビ・トロール漁業、インドネシアのマドゥラ島のワタリガニ漁業、メダンのイカ漁業およびマカッサル海峡のフエフキダイ、ハタ漁業など、開発途上国の漁業改善プロジェクトに参加している漁業です。
MSCの最高責任者、ルパート・ハウズは次のように述べています。
「2021年度海洋管理基金の受賞者の皆様にお祝い申し上げます。2018年に設立された本基金は、海洋漁業のあり方を真の意味で改善し、世界中の漁業が持続可能性への道へと進んでいくために、信頼性の高いプロジェクトや取り組みに対して助成金を授与するものです。
各プロジェクトから得られた知見が、助成対象の枠を超えた広い範囲に応用されて、持続可能な漁業に向けた大規模な取り組みを促進するための起爆剤となることを願っています。
今年度の助成申請はいずれも質の高い素晴らしいものばかりでした。海洋管理基金が、共同プロジェクトを優先対象とすることによって、革新と創造性を促進すると確信しています。海洋への負荷と水産物の需要が高まる中、私たちが力を合わせることで、資源豊かで回復力のある海にすることができます。しかし、2030年までに国連の掲げるSDGs(持続可能な開発目標)を達成するためには、さらに多くのことを緊急に行う必要があります。」
海洋管理基金はこれまで35件、総額130万英ポンドの助成金を授与しています。MSCは、これらのプロジェクトの成果がSDGsの目標14「海の豊かさを守ろう」の実現に貢献することを期待しています。
2020年度の助成金交付実績についてはこちらをご覧ください。
https://www.msc.org/jp/media-centre/press-releases/200528
注記:
· ISFのランプフィッシュ漁業ISFとオーストラリア東部マグロ・カジキ漁業はMSC認証漁業ですが、インドネシアのワタリガニ漁業とメダンのイカ漁業は認証に向け、漁業改善プロジェクトに参加している漁業です。これらの漁業は、オランダの郵便番号宝くじの資金提供を受けたMSCのFish for Goodプロジェクトの対象漁業でもあります。
· 海洋管理基金の助成対象者はすべて、助成募集の際に提示された必要条件を満たしていなければなりません。
MSC(海洋管理協議会)について
将来の世代まで水産資源を残していくために、認証制度と水産エコラベルを通じて、持続可能で適切に管理された漁業の普及に努める国際非営利団体です。本部をロンドンとし1997年に設立され、現在は約20カ国に事務所をおき世界中で活動しています。MSCジャパンは2007年に設立。MSC「海のエコラベル」の付いた水産品は世界約100カ国で45,000品目以上、日本では約900品目が承認・登録されており、イオングループ、生協・コープ、セブン&アイグループ、西友、マクドナルドなどで販売されています。
持続可能で適切に管理された漁業のためのMSC漁業認証規格は、世界で広く認知されており、最新かつ確実な科学的根拠に基づき策定されたものです。漁業がこの規格を満たすためには、(1)水産資源が持続可能なレベルにあり、(2)漁業による環境への負荷が抑えられており、(3)長期的な持続可能性を確実なものにする管理システムが機能していることを、独立した審査機関による審査を通じて実証することが求められます。
詳しくはMSCウェブサイトをご覧ください:https://www.msc.org/jp
MSC「海のエコラベル」について
MSCの厳格な規格に適合した漁業で獲られた水産物にのみ認められる証、それが「海のエコラベル」です。
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