【7/30は #人身取引反対世界デー】人身取引は組織犯罪 ― アジアで被害が多発する搾取を終わらせよう
国連IOMは、世界各地で人身取引対策に取り組んでいます。国連が定める7月30日の「人身取引反対世界デー」を機に、人身取引の被害や状況について知ってください。

犯罪行為を強要する人身取引被害が、東南アジアで急速に拡大
世界各地で、サイバー詐欺や資金洗浄といった犯罪への加担を強要される人身取引が急増しています。
特に東南アジアでは、今日も何十万人もの人々が偽の雇用を信じて本来暮らしていた場所を離れ、詐欺拠点に誘導されていると見られています。
被害者には、移民や若者、子ども、障害のある人など、ITリテラシーが高くても経済的に脆弱な立場の人々が多く含まれています。
人身取引被害者を罰するのではなく、保護するために
こうした人身取引は年間およそ400億米ドルの利益を生み出し、犯罪組織や汚職の温床となっています。
そして犯罪行為を強要された人々が、拠点を逃れ生き延びた後、罪に問われることで、本来罰せられるべき人身取引業者に利する構造が温存されてしまいます。
国連IOMは、各国政府や関連機関、市民社会との連携のもと、被害者の特定と保護、そして安全な帰国と社会復帰のために取り組み、人身取引の「被害者」が正しく認識され、支援につながる社会をめざしています。
成田空港から広がるメッセージ「#みんなで人身取引を終わらせよう」
国連IOMは、ANAホールディングス株式会社及び成田国際空港株式会社と連携し、成田空港内のサイネージで人身取引の啓発動画を掲示しています。成田空港を訪れる皆さまには、この動画を通じて、人身取引の現状や、被害者となった方々への理解と支援の大切さについて考えるきっかけにしていただきたいと願っています。


・期間:2025 年 7 月 25 日(金)~2025 年 8 月 31 日(日)
・場所:成田国際空港ターミナル1( 4 階 6 か所)、ターミナル2(3階 6 か所)、ターミナル3(2 階 1 か所)
・協力団体:出入国在留管理庁、国連IOM、国際航空運送協会、成田国際空港株式会社、日本航空株式会社
人身取引被害者は日本でも保護されています。
被害に遭っていると思われる方を見聞きした際は、危険のない方法で最寄りの警察署などに通報してください。


国連IOMについて
国際移住機関(IOM) は、1951年に設立された、紛争や自然災害による避難民への対応などを始めとした、世界的な人の移動(移住)の課題を専門に扱う国連機関です。「正規のルートを通して、人としての権利と尊厳を保障する形で行われる人の移動は、移民と社会の双方に利益をもたらす」 という基本理念に基づき、移民個人への直接支援から関係国への技術支援、移住に関する地域協力の促進や調査研究などを通じて、移住にまつわる課題の解決に努めています。

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