Verbex、相槌と本当の割り込みを識別する「Adaptive Interruption」を強化
相槌やうなずきによる不要な会話停止を抑制し、「虎ノ門市場」の受注AIで業務KPIを達成。AIのみで受注を完結する割合を大幅改善

音声対話AIプラットフォームを提供する株式会社Verbex(以下、Verbex)は、利用者の相槌やうなずき、咳、周囲の雑音などと、会話を止めようとする意図的な割り込みを識別する「Adaptive Interruption(適応型割り込み処理)」を強化しました。
本機能を活用した株式会社テレビ東京ダイレクトの通販サービス「虎ノ門市場」の受注AIでは、実運用において設定していた業務KPIを達成。人による折り返し対応を必要とせず、AIだけで受注処理を完結した「折り返し無し架電受注率」は、従来の40~50%程度から65%超まで向上しました。
Verbexは、音声認識や音声合成の精度だけでなく、人間同士の会話に近い自然なリアルタイム対話AIを実現することでより高い業務完結率の向上を目指します。
開発の背景:音声対話AIが相槌のたびに話を止めてしまう問題
人間同士の会話では、相手の話を聞きながら「はい」「ええ」「なるほど」「うん」といった相槌を入れることが一般的です。これらは、多くの場合、相手に話を止めてほしいという意思表示ではなく、「話を聞いている」という反応です。
一方、一般的な音声対話AIでは、Voice Activity Detection(VAD:音声区間検出)によって、利用者側から一定以上の音声が検出されると、AIの発話を停止する仕組みが採用されています。
VADは音が発生したことを素早く検知できますが、その音が意図的な割り込みなのか、単なる相槌や咳、笑い声、テレビや周囲の会話などの背景音なのかまでは判断できません。
そのため、検知感度を高くすると相槌や雑音のたびにAIが発話を止め、感度を低くすると利用者が本当に話したい場面でもAIが話し続けてしまうという課題がありました。
音の有無ではなく、「会話を止める意図」を判断
VerbexのAdaptive Interruptionは、VADによる音声検知の直後に独自の音響モデルを動作させ、検出された音声がAIの発話を止めるべき割り込みかどうかを判断します。
具体的には、利用者の音声について、以下のような音響的特徴を解析します。
・音声がどの程度急激に始まったか
・発話が一瞬の相槌か、継続的な発話か
・声の高さやリズム
・会話を遮ろうとする発話特有の音響パターン
文字起こしの完了を待つのではなく、発話開始直後の音声波形から判断するため、低遅延を維持しながら、相槌と本当の割り込みを識別できます。
音声の立ち上がり方、継続時間、抑揚などを解析し、最初の数百ミリ秒で割り込み意図を判断する仕組みを構築しました。
例えば、利用者がAIの説明中に「はい」「うん」「なるほど」と発話した場合は、AIは説明を継続します。一方、「ちょっと待って」「それではなくて」「住所を変更したい」といった会話の修正や方向転換を伴う発話では、速やかにAIが発話を止め、利用者の話を聞く状態に移行します。
「虎ノ門市場」の実運用で設定した受注完結KPIを達成
テレビ通販の受注電話では、氏名、住所、電話番号、商品、数量、配送希望など、複数の情報を会話の中で正確に確認する必要があります。
特に、AIが住所や注文内容を読み上げて確認する場面では、利用者が「はい」「ええ」と相槌を打つことが多くあります。従来の割り込み処理では、こうした相槌によってAIの発話が途中で停止し、確認内容の再読み上げや会話のやり直しが発生することがありました。
Verbexは、株式会社テレビ東京ダイレクトが運営する「虎ノ門市場」の受注AIにAdaptive Interruptionを適用。相槌やうなずきに起因する不要な発話停止を抑え、注文確認までの会話が途切れにくい状態へ改善しました。
その結果、人間のオペレーターによる折り返し対応を必要とせず、AIのみで受注処理に成功した割合を示す「折り返し無し架電受注率」は、導入前の40~50%程度から65%を超える水準まで向上しました。
改善前
利用者の「はい」「うん」などの相槌でAIが発話を停止
商品や住所の確認を途中からやり直すケースが発生
会話の流れが崩れ、AIだけでは受注を完了できない電話が発生
人間のオペレーターによる折り返し対応が必要
改善後
相槌や短い反応を、会話を止める意図のない発話として判定
AIが確認事項を最後まで自然に読み上げ
本当の訂正や質問があった場合には速やかに発話を停止
AIだけで注文を完結できる電話が増加
折り返し無し架電受注率が65%超まで向上
音声認識精度だけでは、業務を完結できる音声AIにはならない
音声対話AIの品質は、音声を正確に文字へ変換できるかだけでは決まりません。
AIが発話を開始するタイミング、利用者の発話を待つ時間、相槌を受け流す判断、訂正や質問があった際に発話を止める速度など、会話全体を制御する技術が必要です。
相槌のたびに発話を停止するAIは、音声認識の精度が高くても、利用者に機械的で不安定な印象を与えます。反対に、利用者が会話を止めようとしているにもかかわらず話し続けるAIも、実用的とはいえません。
Adaptive Interruptionは、「音が聞こえたか」ではなく、「その音に会話を止める意図があるか」を判断します。
Verbexは、このような対話制御技術を、Speech-to-Text、Text-to-Speech、対話シナリオ、業務システム連携と一体で改善することで、単に受け答えができるだけではなく、受注、予約、問い合わせ受付などの業務を最後まで完結できる音声対話AIを提供します。
VerbexのAdaptive Interruptionの主な特徴
1.相槌とうなずきを適切に無視
「はい」「うん」「なるほど」など、話者交代を求めていない短い反応を識別し、AIの発話を継続します。
2.本当の割り込みには速やかに反応
訂正、質問、制止など、利用者が会話を遮ろうとする発話を検知し、AIの発話を停止します。
3.文字起こしを待たず、音声から判断
発話開始時の波形、継続時間、声の高さ、リズムなどを分析し、低遅延で判断します。
4.実際の会話環境を前提に設計
咳、笑い声、生活音、テレビ、周囲の会話などが含まれる電話環境でも、不要な発話停止を抑制します。
5.業務完結率の向上に直結
会話の中断ややり直しを減らし、受注、予約、問い合わせ受付などをAIだけで完結できる割合を高めます。
株式会社Verbexについて
Verbexは、「声で世界をつなぐ」をミッションとして、独自の音声対話技術を研究開発しているAIスタートアップです。
STT(Speech to Text)/TTS(Text to Speech)/Speech Engineなど音声対話に必要な機能やデータのトレーニングメソッドを独自研究開発し、極めて自然で低遅延な対話を実現するため音声AIプラットフォームを提供しています。
経営メンバーはバングラデシュと日本のシリアルアントレプレナーがチームを組んでおり、国際ハイブリッドなスタートアップとして、アジア・日本発の音声AIの実用化を推進しています。
すでに日本を含む25カ国で56件の特許を保有し、独自技術の研究開発を進めながら、グローバルな事業展開を見据えて活動してきました。
WEBサイト:https://jp.verbex.ai/
本件に関するお問い合わせ先
株式会社Verbex 沖津
Email:contact@verbex.ai
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