第39回日本美容皮膚科学会総会・学術大会にて優秀演題賞を受賞

~新規化粧品原料であるフェアリー化合物の有効性・安全性~

ビタミンC60バイオリサーチ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長 林 源太郎)は、第39回日本美容皮膚科学会総会・学術大会(2021年7月31日~8月1日@京都国際会館)において、同社が実用化に向けて開発を進めている新規化粧品原料でフェアリー化合物と呼ばれる2-aza-8-oxohypoxanthine (AOH)の有効性および安全性評価研究結果に関する発表を行い、優秀演題賞を受賞しました。
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    フェアリー化合物とは
公園やゴルフ場の芝草がリング状に繁茂したり、芝草の成長が抑制されたりした後、そこにキノコが生える現象があります(写真1)。中世の時代、そのキノコの上で妖精が踊るという神話が有り、英語でフェアリーリングと呼ばれています。しかし、なぜこのような現象が起こるのか、その原因は長い間謎のままでした。

写真1 フェアリーリング (撮影場所:関西学院大学キャンパス内)写真1 フェアリーリング (撮影場所:関西学院大学キャンパス内)

2010年、静岡大学・河岸洋和教授は、フェアリーリングを形成するキノコの一種であるコムラサキシメジの培養液から、芝草の成長を促進させる物質2-アザヒポキサンチン(AHX)を発見しました。その後、芝草の成長を抑制するイミダゾール-4-カルボキシアミド(ICA)やAHXの代謝物として2-アザ-8-オキソヒポキサンチン(AOH)も発見されました。これらの物質を取り上げたNature誌に記載されていた「Fairy Chemicals」を引用して、3つの化合物は「フェアリー化合物」と呼ばれるようになりました。さらに最近の研究から、フェアリー化合物は、三大穀物(米・麦・ともろこし)や野菜にも含まれていることが明らかになってきました。
  • 機能性化粧品原料としてのフェアリー化合物
予備検討の結果、3種類の中で、AOHが最も化粧品原料に適した物質であることが分かり、AOHに着目して研究を進めてきました。AOHを機能性化粧品原料として製品化するために必要な有効性評価や安全性評価に関する研究結果をまとめ、本学会で発表しました。
  • AOHの有効性
ヒトの細胞にAOHを添加したところ、AOHが、表皮細胞を活性化することが分かりました。そのため、DNAマイクロアレイ解析*1を行うことにより、AOHの皮膚に対する有効性を検証しました。その結果、AOHは皮膚バリア機能を強化・改善する可能性が高いことが分かりました。ヒト効果効能試験(臨床試験)を実施したところ、0.1%AOHを8週間塗布することにより、角層水分量が増加。さらに、皮膚からの水分蒸散量を示す指標であるTEWL*2が統計学的有意に減少することが明らかになりました(図1)。臨床試験の結果から、DNAマイクロアレイの結果を裏付ける証拠が得られました。

図1 臨床試験前後の角層水分量(左)、TEWL(右)図1 臨床試験前後の角層水分量(左)、TEWL(右)

 
  • AOHの安全性
近年、動物愛護の観点から、化粧品・化粧品原料の安全性・有効性を評価するための動物実験が禁止されています。そのため、OECD*3テストガイドライン*4に準拠したin vitro安全性試験およびヒト試験を行うことにより、AOHの安全性を検証しました。実施した全ての安全性試験において毒性は認められず、AOHの高い安全性が確認されました。
 
  • 機能性化粧品原料としての製品開発
以上の結果から、AOHは、皮膚バリア機能に働きかけることで、皮膚の恒常性を保つために有望なスキンケア成分として、効果と安全性の高い機能性化粧品原料になると考えられます。AOHを化粧品原料として販売するために必要なINCI名*5と化粧品表示名称の登録は、既に完了しています(図2)。また、純度99.9%以上の高純度なAOHを製造する技術を開発し、製造方法も確立し、2021年度中の販売開始を予定しています。AOHが配合された化粧品により、ユーザーの肌が健やかに美しく保たれることが期待されます。

図2 AOHの性状・構造・化粧品原料としての名称図2 AOHの性状・構造・化粧品原料としての名称

 

【用語の説明】
*1:DNAマイクロアレイ解析:細胞内の遺伝子発現量を測定するために、多数のDNA断片をプラスチックやガラス等の基板上に高密度に配置した分析器具を使用して、短時間で数多くの遺伝子の発現を解析する手法
*2:TEWL:Transepidermal Water Loss(経皮水分蒸散量)
*3:OECD:Organization for Economic Co-operation and Development(経済協力開発機構)
*4:OECDテストガイドライン:化学物質やその混合物の安全性を評価するための国際的に合意された試験方法のコレクション
*5:INCI名:PCPC(米国パーソナルケア製品評議会)の国際命名法委員会が、化粧品原料国際命名法(INCI:International Nomenclature of Cosmetic Ingredient)に基づき作成する化粧品成分の国際的表示名称

概要
社名:ビタミンC60バイオリサーチ株式会社
代表取締役社長: 林 源太郎
所在地:東京都中央区日本橋2-2-6 日本橋通り2丁目ビル4F
設立日:2003年7月29日
URL:http://www.vc60.com/

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会社概要

URL
https://www.mcls-ltd.com/index.html
業種
製造業
本社所在地
東京都千代田区有楽町一丁目1番3号 東京宝塚ビル14階
電話番号
-
代表者名
岸本 好司
上場
未上場
資本金
-
設立
2003年07月