田中貴金属工業、高い分散安定性により高濃度調製可能な「金ナノシェル粒子」を開発
従来品と比べ100~1,000倍高い濃度の分散液を実現 光学ディスプレイや光センシング、バイオセンサーなどの光学機器への応用に期待
田中貴金属グループの製造事業を展開する田中貴金属工業株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長執行役員:田中 浩一朗)は、高い分散安定性により高濃度調製可能な「金ナノシェル粒子(※1)」を開発したことを発表します。
本製品は、シリカなどの粒子表面を厚さ約10 nmの非常に薄い金の層(シェル)で覆うように設計しており強い表面プラズモン共鳴(※2)を示します。また水溶液中および極性溶媒中での高い分散安定性により、現在市販されている金ナノ粒子に比べ 100~1,000 倍高い濃度での分散液を調製することが可能です。
金ナノシェル粒子全体の大きさは80 nm ~ 250 nmの範囲で制御でき、幅広い光学特性を持たせることが可能です。特に高濃度に調製された粒子径数百nmサイズのコロイドはコロイド結晶など三次元的に集積・構造化することが容易であり、様々な光学材料への応用が期待できます。
<本製品の特長>
田中貴金属工業は今回、SERS励起光の波長付近に表面プラズモン共鳴を持つ金ナノシェル粒子をデザインし、高濃度分散液を乾燥させるだけでホットスポットが密集したSERS基板が作製できることを確認しました。
本製品のサンプル提供については、個別に順次対応していく予定です。
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(※1)金ナノシェル粒子:無機材料コロイド、金属コロイドもしくは高分子コロイドなどをコア粒子とし、コア粒子表面に厚さがナノメートルオーダーの金の層(シェル)を形成させた粒子。 シェルの厚さ、コアの大きさそしてコアの材質によって純粋な金ナノ粒子とは違った様々な光応答を示す。
(※2)表面プラズモン共鳴: 金属ナノ粒子の表面で金属中の自由電子の振動と入射光が共鳴する現象。金ナノシェル粒子が鮮やかな色彩を呈するのはこの現象による。
(※3)SERS(表面増強ラマン散乱):光を物質に照射したとき、入射光とは異なる波長が物質から散乱される。この入射光とは異なる波長の散乱光はラマン散乱光と呼ばれ、各物質はそれぞれ特有のラマン散乱スペクトルを示す。よってラマン散乱スペクトルを測定すればどのような物質が存在するのかという情報を得ることができるが、微量な物質を検出するためにはラマン散乱光を増強する必要がある。
SERS(表面増強ラマン散乱)とは、凹凸を持った貴金属表面や貴金属コロイド間の隙間といった箇所に物質が吸着したときラマン散乱光の強度が増幅される現象。ラマン散乱の増強に適する貴金属表面を設計すればより少ない分子の検出が可能となるため、麻薬検出やガン診断などの分野での応用が期待されている。
■田中貴金属グループについて
田中貴金属グループは1885年(明治18年)の創業以来、貴金属を中心とした事業領域で幅広い活動を展開してきました。国内ではトップクラスの貴金属取扱量を誇り、長年に渡って、産業用貴金属製品の製造・販売ならびに、宝飾品や資産としての貴金属商品を提供しています。貴金属に携わる専門家集団として、国内外のグループ各社が製造、販売そして技術開発において連携・協力し、製品とサービスを提供しています。
2020 年度(2021 年 3 月期)の連結売上高は1兆4,256億円、5,193人の従業員を擁しています。
■産業事業グローバルウェブサイト
https://tanaka-preciousmetals.com
■製品問い合わせフォーム
田中貴金属工業株式会社
https://tanaka-preciousmetals.com/jp/inquiries-on-industrial-products/
金ナノシェル粒子全体の大きさは80 nm ~ 250 nmの範囲で制御でき、幅広い光学特性を持たせることが可能です。特に高濃度に調製された粒子径数百nmサイズのコロイドはコロイド結晶など三次元的に集積・構造化することが容易であり、様々な光学材料への応用が期待できます。
<本製品の特長>
- 厚さ10 nmの金ナノシェル
- 水および有機溶剤中で安定に分散
- 高濃度の金ナノシェル分散液を乾燥させるだけでSERS基板の作製が可能
田中貴金属工業は今回、SERS励起光の波長付近に表面プラズモン共鳴を持つ金ナノシェル粒子をデザインし、高濃度分散液を乾燥させるだけでホットスポットが密集したSERS基板が作製できることを確認しました。
本製品は前述の特徴により、コロイド結晶、表面増強ラマン散乱、光熱変換材料など可視光から近赤外光領域の光に応答する光学材料としての利用と、高画質を求める液晶に採用される光学ディスプレイや光センシング、プラズモニックナノアンテナ、がん検査などに用いられるバイオセンサーなどの光学機器への応用が期待できます。
本製品のサンプル提供については、個別に順次対応していく予定です。
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(※1)金ナノシェル粒子:無機材料コロイド、金属コロイドもしくは高分子コロイドなどをコア粒子とし、コア粒子表面に厚さがナノメートルオーダーの金の層(シェル)を形成させた粒子。 シェルの厚さ、コアの大きさそしてコアの材質によって純粋な金ナノ粒子とは違った様々な光応答を示す。
(※2)表面プラズモン共鳴: 金属ナノ粒子の表面で金属中の自由電子の振動と入射光が共鳴する現象。金ナノシェル粒子が鮮やかな色彩を呈するのはこの現象による。
(※3)SERS(表面増強ラマン散乱):光を物質に照射したとき、入射光とは異なる波長が物質から散乱される。この入射光とは異なる波長の散乱光はラマン散乱光と呼ばれ、各物質はそれぞれ特有のラマン散乱スペクトルを示す。よってラマン散乱スペクトルを測定すればどのような物質が存在するのかという情報を得ることができるが、微量な物質を検出するためにはラマン散乱光を増強する必要がある。
SERS(表面増強ラマン散乱)とは、凹凸を持った貴金属表面や貴金属コロイド間の隙間といった箇所に物質が吸着したときラマン散乱光の強度が増幅される現象。ラマン散乱の増強に適する貴金属表面を設計すればより少ない分子の検出が可能となるため、麻薬検出やガン診断などの分野での応用が期待されている。
■田中貴金属グループについて
田中貴金属グループは1885年(明治18年)の創業以来、貴金属を中心とした事業領域で幅広い活動を展開してきました。国内ではトップクラスの貴金属取扱量を誇り、長年に渡って、産業用貴金属製品の製造・販売ならびに、宝飾品や資産としての貴金属商品を提供しています。貴金属に携わる専門家集団として、国内外のグループ各社が製造、販売そして技術開発において連携・協力し、製品とサービスを提供しています。
2020 年度(2021 年 3 月期)の連結売上高は1兆4,256億円、5,193人の従業員を擁しています。
■産業事業グローバルウェブサイト
https://tanaka-preciousmetals.com
■製品問い合わせフォーム
田中貴金属工業株式会社
https://tanaka-preciousmetals.com/jp/inquiries-on-industrial-products/
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