『人生100年時代 いつまでも自分の足で歩くために「爪の健康」に関するプレスセミナー』を開催
~その実態から予防法まで、フットケアのスペシャリストである皮膚科医が解説~
当日は、日本臨床皮膚科医会 会長・あたご皮フ科 副院長の江藤隆史先生と埼玉県済生会川口総合病院 皮膚科主任部長の高山かおる先生にご登壇いただき、16年ぶりに実施した「足白癬・爪白癬の実態と潜在罹患率の大規模疫学調査(Foot Check 2023)」や「楽天シニア」内で行ったアンケート調査の結果を交えながら、爪が健康であることの重要性について解説いただきました。
■ 科研製薬と楽天シニアが共同で取り組む「“足の健康”を守る疾患啓発活動」
今回のセミナーについて、主催の科研製薬からは営業本部長の小関智之が登壇しました。『超高齢化社会が進むなかで、健康寿命をサポートする楽天シニアと一緒に「歩く健康」をテーマとした爪白癬の疾患に関する疾患啓発活動を共同で行っていくことになりました。第一弾は1月7日の爪切りの日に合わせ、爪の切り方の解説やフットケアスペシャリストの高山かおる先生監修のコラム記事を公開しました。また、今回のセミナーでは江藤先生より16年ぶりに行われた疫学調査の結果や、皮膚科医から見た足白癬・爪白癬についての、現状について解説いただきます。爪白癬の治療の重要性をはじめ、足の健康を守ることの重要さを深めていただけたらと思います。』とコメントしました。
「楽天シニア」事業長の平山優からは、『シニアの方々の健康寿命とコミュニティの創出をミッションに掲げ、シニアの方々が毎日を健康に楽しく暮らせるプラットフォームサービスである「楽天シニア」を運営しています。科研製薬との共同の取り組みとして、爪白癬などの爪に関するコラムを掲載し、読者にコラムを通して知識を学んでもらうとともに、アンケートにも回答していただきました。
これから高山先生に発表していただくアンケート調査になりますが、現在のシニア層の爪の状態についてとても興味深いデータがありますので、楽しみにしていてください。楽天シニアは今後も科研製薬と一緒に、健康促進を目的に足に関するさまざまな疾患の啓発活動、予防、健康意識の向上を目指し社会貢献を行っていきたいと思います。』と、今回のアンケート調査や今後の展望についてコメントしました。
■ キーワードは6、7、13!若者からシニアまで罹患する足白癬・爪白癬について皮膚科医が解説
「爪白癬」は別名「爪水虫」とも言われる疾患であり、“白癬菌”というカビの一種が爪に感染することで起こります。足白癬(水虫)を治療せずに放置したために爪の中に白癬菌が侵入し発症に至るケースが多く、主な症状は爪が白色や黄褐色になる、分厚くなるなどです。
日本臨床皮膚科医会 会長であり、あたご皮フ科 副院長の江藤先生は、爪白癬について『足の趾の間に水虫ができる方が一般的です。そこにずっと潜んだ水虫菌が、爪を含めた体のあちこちにうつる可能性があります。また、足ふきマットやスリッパなどから家族にうつることもあります。そのため、足水虫を発見した場合、早く治すことが大切です。』と説明し、早期治療の重要性について呼びかけました。また、爪白癬の見た目について、『爪の根元の半月状の白い部分がきれいであっても、よく見たら水虫だった!というような、一見きれいな爪に見えても実は水虫のこともあります。爪白癬に多い症状として爪に白い筋が出ることがあります。自分では気が付かなくても、ネイルサロンに行ったときにネイリストから爪水虫では?と指摘される女性も多いようです。』と実際の診療の経験を踏まえながらコメントされました。
さらに、16年ぶりに実施した、足白癬・爪白癬の実態と潜在罹患率の大規模疫学調査(Foot Check 2023)の結果について『足・爪の疾患について調査をしたところ、足の疾患で一番多いのが足白癬で18.2%。爪の疾患で一番多いのが爪白癬で10.5%という結果となりました。この結果、日本人の7人に1人は足白癬であり、13人に1人は爪白癬に罹患しています。また、6人に1人は足に何らかの白癬を有していることが明らかになりました。ちなみに足白癬・爪白癬ともに男性の方が罹患率が高く、足白癬は男性は60代、女性は70代がピークです。』とその実態について解説されました。
また、日本と海外での感染経路の違いについて『日本の家庭内では素足での生活が主体なのでスリッパや床などから家族内感染することがありますが、裸足で生活する文化ではない海外ではスポーツジムで感染することが多いので、足水虫のことを“アスリートフット”と呼んでいます。』と紹介されました。
『日頃から靴下を脱いで家族で足や爪をチェックしてみてください。そして少しでも「変だな?」と思ったら気軽に皮膚科へ受診してください。』と締めくくられました。
■ 人生100年時代、爪と心身の健康についてフットケアのスペシャリストが説明!
続いて、埼玉県済生会川口総合病院 皮膚科主任部長の高山かおる先生が登壇し、「楽天シニア」内で行ったアンケート調査を基に、一般の人がイメージする爪白癬について解説されました。
人生100年時代と謳われる現代において、『歩かなくなるとご飯が食べられなくなります。そうなると、いつ何を食べたかがだんだん分からなくなり、それが認知症に繋がっていきます。若年層を含めた一般の方は1日におよそ7000~8000歩、そして中程度の活動時間を20分程度設けるとがんや骨粗鬆症を始めとしたさまざまな病気を予防できるというデータがあります。なお、高齢者はおよそ5000歩と中程度の活動時間を7.5分程、具体的には少し息が切れるくらいの早さで歩くことが良いとされています。そうすることで、要支援、要介護、認知症や脳卒中を予防できるので生活に取り入れていただきたいです。』と歩くことが健康につながることについて紹介されました。
正しい歩き方についても、『右足と左足を交互に出して、踏み出した足にしっかりと体重を乗せて体重移動を行うことが“歩行”です。実は“歩く”なかで、足の指の骨が踏み込むときに力を伝えてくれますが、指先の部分は骨がないため、その役割を爪が担います。地面を踏み込む・蹴りだすときに必ず爪が介在しているため、しっかりと指先まで力を伝えるためには足の爪の長さが非常に重要となっています。』と爪が“小さな運動器”として歩行の際に重要な役割を担っていることを説明されました。
また、爪の病気と転倒について実際の症例を用いながら解説されました。『現在、要支援・要介護に至る原因の第4位に転倒がありますが、その要因のひとつが爪白癬です。爪白癬で爪が肥厚・変形すると歩行時に踏み込みやけり出しの動作を行うと痛みが生じ、力が乗らなくなります。この動作を避けることで不適切な歩き方が習慣化してしまい、バランス機能が低下し転倒につながってしまいます。』と爪白癬が転倒の原因になることについて紹介されました。
その後、「楽天シニア」内で行ったアンケート結果を紹介され、「コラム記事を読む前に爪水虫(爪白癬)のことをご存知でしたか?」という質問に対し、「いいえ」という回答が約40%だったことに対し『私たち皮膚科医にとってかなり一般的な疾患だと思っていたのですが意外でした。啓発活動が足りないと思いましたが、逆にこのアンケート調査を通じて爪白癬を知ってもらうことができたという有意義さもありました。』とコメントされました。また、「現在の爪の状態で該当するものをすべて選択してください。」という質問に対して約40%が「爪が欠けている、爪の色が濁っているなど」何らかの異常を抱えている人が多くいることが分かりました。
■ 今日からできる足の洗い方や爪の切り方も紹介!日頃から注意するのは“つめにへんか”
セミナーの後半では、江藤先生も再び登壇し、フットケアの方法について紹介されました。フットケアの基本中の基本であるという足の指の洗い方に関して、『爪の周りは非常に垢がたまりやすく、白癬菌があると爪に入ってきやすいです。足用のブラシ(写真左)を用いて泡を使いながら爪の間や指の間を洗うことが大切です。』と高山先生が動画を用いて紹介され、江藤先生の『歯磨きみたいだね!』というコメントに対し『そうですね、ほぼ歯磨きだと思います。歯垢をかきだすように、爪の周りの垢をかきだしていただきたいです。』と説明されました。
爪の長さや正しい切り方について『足の爪は深爪にしがちですが、機能的にもトラブルを予防するためにも指先と同じくらいの高さで切っていただきたいです。切り方については真ん中から「パチッ!」と切っている方がすごく多いと思いますが、端から端まで、5回くらいに分けて切ってください。最後は切りにくいので、反対の手で持って切るときれいにできます。また、爪切りは刃がまっすぐなものを選んでください。そして最後に爪やすりを使って、外から内へと一方向に整えた後に、仕上げに上から下かけると滑らかな爪になります。これで靴下に穴が開くことや、外傷性の出血も少なくなります。ぜひともお試しください。』と実際に道具を紹介しながらレクチャーされました。
終盤には、爪のチェックポイントとして、「つ・め・に・へん・か」というキーワードを紹介され、『「つみかさなる・分厚くなる、めりこんで痛い、にごる・色が変わる、へんけいしている、かけている」を覚えていただき、このような症状があった場合セルフケアで間違えているところがないか確認し、皮膚科に受診していただくのが良いと思います。』と呼びかけられました。
<プレスセミナー概要>
名称 :人生100年時代 いつまでも自分の足で歩くために 「爪の健康」に関するプレスセミナー
開催日時:2024年5月20日(月)13:00~14:15
主催 : 科研製薬株式会社
登壇者 :科研製薬株式会社 営業本部長 小関 智之
楽天モバイル株式会社 「楽天シニア」事業長 平山 優
あたご皮フ科 副院長 江藤 隆史 先生
埼玉県済生会川口総合病院 皮膚科主任部長 高山 かおる 先生
<登壇者プロフィール>
あたご皮フ科 副院長 江藤 隆史 先生
日本臨床皮膚科医会会長。日本臨床皮膚科医会は、皮膚疾患に悩む方々が最善・最適な医療を受けられるよう1984年に設立。このたび、足白癬・爪白癬の実態と潜在罹患率の大規模疫学調査(Foot Check 2023)を16年ぶりに実施した。あたご皮フ科では、爪白癬などの一般的な皮膚疾患をはじめ難治性のアトピー性皮膚炎、乾癬の治療などの診療も行っている。
埼玉県済生会川口総合病院 皮膚科主任部長 高山 かおる 先生
日本フットケア・足病医学会理事。体の土台である足の問題を根本から解決するために2015年に足育研究会を立ち上げ、フットケアの重要性について日々啓発活動を行っているフットケアのスペシャリスト。2015年4月より埼玉県済生会川口総合病院にて勤務し、足と爪のケア外来を立ち上げ日々爪切難民の診療等を行っている。
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