教職員アンケート結果を公開!職員の親睦会、どう思う?
強制的な参加を促すような雰囲気や、勤務時間外での実施を問題視する声が多く上がった一方、何気ない交流や、お互いに胸襟を開く対話の大切さを伝える声も。
コロナ禍を通して、親睦会や忘年会の自粛、または機会の見直しを図る組織が全国的に増えました。
親睦会は、職員同士の相互理解を深めることのできる貴重な機会です。しかし、その多くが勤務時間外の飲み会として行われることや、学校によっては参加を断りづらい雰囲気があることも事実。ベテラン層と若手層との間で意見が食い違っている学校もあるようです。
そんな学校の親睦会の必要性について、全国の学校教職員に聞いてみました。
アンケートの概要
■対象 :全国の小〜高校年齢の児童生徒が通う一条校に勤務する教職員
■実施期間:2024年8月23日(金)~2024年10月7日(月)
■実施方法:インターネット調査(実施時の設問はこちら)
■回答数 :104件
アンケート結果
Q1. 私の学校では、職員の親睦会が存在し、飲み会をしたいベテランとやりたくない若手で意見が割れています。職員の親睦会は必要だと思いますか?
年代別に見ると、40代の肯定的意見が一番多く、全体の65%が「必要だと思う・どちらかというと必要だと思う」と回答しました。次に肯定的な意見が多かったのは30代以下で、否定的意見が過半数を占めたのは50代のみでした。
また、校種による働き方の違いを反映してか、小学校では17%の回答者が「必要だと思う」と答えたのに対し、中学校では10%、高等学校では0%と結果にばらつきが見られました。
肯定的意見の主な理由
<コミュニケーション、相互理解の機会に>
・コミュニケーションを深めることに特化した時間が必要であるから。【小学校・教員】
<勤務時間内では現実的に難しい>
・多忙な勤務時間では報・連・相で会話は終了。同じ学年部でもお互いの家族構成すら知らない。もし授業の緊急入替があっても、理由がわかると「お大事に」という気持ちになる。そんな気持ちを共有できる組織だと、よい影響を広げていく。経験者として断言できる。【中学校・教員】
・子供が小学生の頃までは、休憩は取らずに最低限の仕事をするにとどめて、定時に帰ることが求められました。そうすると、同僚とコミュニケーション・雑談をしている時間が全くありません。雑談をすると仕事が終わらず、土曜日に来て帳尻を合わせていました。飲み会があると、普段は話せない人と話せたり、深くゆっくり話せたりします。そうすると、普段の仕事上での信頼関係も得られやすく、仕事がしやすくなると私は考えています。【小学校・教員】
<強制はよくないが、利点も多い>
・強制はしない方がいいと思うが、歓送迎会ぐらいはあった方が、お互いのことを知る機会として必要かなと思う。それをきっかけにコミュニケーションが円滑になることもあると思う。【小学校・教員】
Q2. 上記の内容に関連して、あなたが思っていることや考えていることを教えてください。
<交流や対話の機会として必要>
・採用になって最初の半年ぐらいは、私も参加したくありませんでした。参加して、褒められたり、励まされたりしているうちに、明日につながる手ごたえを感じるようになり、積極的に参加するようになりました。【小学校・校長】
・異年齢、異世代と交流することで知識も広がるし、模範も反面教師も見つかると思う。参加不参加は個人の自由だが、開催はしたほうがいい。雑談の中に教訓は生まれる。【中学校・教員】
<勤務時間内に適切なコミュニケーションを>
育児や介護をしている職員、持病がある職員はどうしても夜の会には参加できない。そもそも日中の仕事で疲れ切っている。夜の飲み会には親しい間柄だけで行い、「職場の親睦」は勤務時間内に行えるかたちが望ましい。【中学校・教員】
<飲み会に代わる交流機会が必要>
放課後の時間で雑談の中で相談とか話が出来れば飲み会をしなくても親睦は深まっていくのではないかと思います。ただ、現状働き方改革の中で授業準備等で放課後に皆さん雑談をする余裕がないのも現実です。【小学校・教員】
<会計面での負担や不平等感がある>
・組織化するとタスクが増える。毎年、会計を持たされる事務職としてはなくしてほしい。せめて平等にしてほしい。【小学校・事務職員】
<私の現場ではこうしています>
・私が所属する地域では、親睦会というと、歓送迎会、退職のお祝い会、運動会の打ち上げ、忘年会というのが一般的です。コロナの影響で最近は歓送迎会だけというように、最小限の回数になっています。【小学校・教員】
<その他の意見>
親睦会で出し物はやめてほしい。考える余裕がないし、お笑い的なことを求められるのも苦痛。あと親睦会の準備をする担当になると大変。【小学校・教員】
▼まとめ
アンケートの結果からは、親睦会そのものよりも、強制的な参加を促すような雰囲気や、勤務時間外での実施を問題視する声が多く上がりました。
昨今は業務の多忙化と同時に働き方改革が推し進められていることもあり、職場での対話を生むような余白が、極端に減っているであろう現状も伺えます。
一方で、何気ない交流や、お互いに胸襟を開く対話の大切さは、多くの人がその価値を認めていることもわかりました。「相互理解」「仲間づくり」「チームワーク」「コミュニケーションが円滑に」など、様々な言葉でその価値が伝えられています。
どんな状態の職場が「心地よい」と感じるかは、人によって違いますし、世代や立場の違いによる感覚のズレがあることもありますが、その違いを分断につなげるのではなく、何気ない交流や対話による相互理解を経て、お互いの尊重につなげていくことが大切なのかもしれません。
現状に余裕を生むのは難しい面もあることと思いますが、本記事内で紹介した回答者の声や交流の実例を、少しでも参考にしていただければ幸いです。
※WEBメディア「メガホン」の記事( https://megaphone.school-voice-pj.org/2024/11/post-5536/ )より、自由記述の内容がご覧いただけます。また全回答がデータもDLしていただけます。
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