夏休みが終わる頃「『この世から消えたい』と感じたことがある」93.1%。学校が「しんどい」10代216人へのアンケート調査。
学校が「しんどい」と感じている全国の10代 216人へのアンケート調査 夏休みが終わる頃「『この世から消えたい』と感じたことがある」93.1%:夏休みが終わり、新学期が始まるのが「苦しい」73.1%

令和6年版「自殺対策白書」によると、小中高生の自殺者数は夏休み明けの9月1日に最も多くなります。
特定非営利活動法人第3の家族(横浜市認定NPO法人、理事長:奥村春香)は、2025年7月30日~8月11日にかけて、全国の10歳~18歳のうち、学校が「しんどい」(学校生活が「つらい」または「つまらない」)と感じている216人を対象にしたアンケート調査を行いました。
その結果、「夏休みが終わり、新学期が始まること」が「苦しい」と感じている人が73.1%でした。
また、夏休みが終わる頃に「この世から消えたい」と感じたことがある人は93.1%でした。
「この世から消えたい」と感じる理由に多く挙げられた回答は「漠然とした不安」88.0%、「勉強のこと」76.9%でした。「学校がしんどい理由」に多くあげられた回答は「人の目が怖い」79.6%、「学校の雰囲気が息苦しい」71.3%でした。
「悩みを相談できる人」について、最多の回答は「ネット上の人」53.2%、「相談できる人はいない」は42.6%でした。
【主な調査結果】
①回答者「学校がしんどい」の内訳 学校生活が「つらい」70.4%、「つまらない」29.6%
②「学校が居場所だと思わない」79.7%
③「夏休みが終わり、新学期が始まること」が「苦しい」と感じている人が73.1%
④夏休みが終わる頃に「この世から消えたい」と感じたことがある人は93.1%
⑤「この世から消えたい」と感じる理由に多く挙げられたのは「漠然とした不安」88.0%
⑥「学校がしんどい理由」に多くあげられたのは「人の目が怖い」79.6%、「学校の雰囲気が息苦しい」71.3%
⑦悩みを相談できる人 最多は「ネット上の人」53.2%、「相談できる人はいない」は42.6%
①回答者「学校がしんどい」の内訳 学校生活が「苦しい」70.4%、 「つまらない」29.6%
Q.学校生活をどう感じていますか。(単一回答)
本調査は第3の家族が10代の若者を対象に「学校生活がしんどい」人に協力を呼び掛け、回答者の中から、「学校生活がしんどい」の内訳として、学校生活が「苦しい」70.4%、「つまらない」29.6%のいずれかに当てはまる人の216人を抽出しました。

<学校が苦しい・つまらない理由>(自由回答の一部抜粋)

分類 |
自由回答の抜粋 |
---|---|
クラスメイト・友人とのトラブル |
・イライラしすぎて友達を失った ・トラウマで、なぜかわからないが怖い、怯えてしまう ・クラスメイトが怖い ・一人ほんとに嫌いで喧嘩した子がいて、相手が100%悪いのに逆切れしたり、ハブこうとしたりその子が生きてるだけで嫌だから ・仲がいい男友達と話してるとその彼女(元親友)が嫉妬してきて、彼女の仲良い子が男友達と話すことをよくないと言って止めてくる ・休み時間に大声を出しているようないわゆる「目立つ」子達が苦手 ・友達だった人にネット上で私の悪口を言われた。なのにその子はうちらのせいで不登校になったと先生に主張していて、なんでか私がわるいと思われている。 ・友達や親友とすれ違いが起きて、一方的に嫌いになったから ・引っ越しをしていまの学校での友達が少ない(する前はいた) ・男子が怖い ・部活での先輩の威圧感が怖い |
人間関係 |
・陰口が苦しい ・人との接し方がよくわからないし、苦手だから少し苦しい。あと、楽しい時があっても心は空っぽのようでつまらなく感じる。 ・人と関わることが苦手。話すことが将来必要だとはいえ苦しい ・人の陰口が聞こえてくるのが怖い、うるさい、人間関係がめんどくさい、イライラする ・人間嫌い、理解者がいない ・友達関係や人間関係が保てない。 ・人を好きになりたいし、仲良くしたいけど気持ち悪くてブレーキがかかってしまって、その結果変な雰囲気になってしまう。 ・場面緘黙症を患っている |
いじめ・いじめの記憶 |
・いじめを受けてて、今は止まったけど、影でいじめがあって怖い。 ・前にいじめられたことを思い出して全てが怖く感じる。 |
学校の雰囲気に合わない |
・教室に行くと息が詰まったり息がしにくくなる ・学校の風潮と合わない。スマホを持っていなくて、孤独を感じる。 |
先生 |
・先生に話しにくい、理不尽 ・先生や友達が私をどう思っているのが気になりすぎて ・先生はお気に入りフィルターがひどく、ずっと自分のことを嫌っていて、他の人と明らかに対応が違うのが見ていてつらい。 |
不安・劣等感・ネガティブ志向 |
・みんなに自分は嫌われているんじゃないかと不安になる ・もう人に裏切られたくない自分のメンタルを守りたい ・楽しいけど、周りに迷惑かけてないかいつも不安 ・自分だけ運動も勉強もできないから ・気分が塞がってる感じがしてやる気が出ない |
まわりに合わせる・演じる・プレッシャー |
・家でもそうだけど、頑張って笑顔を作り続けなきゃいけないから ・自分のキャラを演じなくてはいけない ・無理に元気なふりをしないといけないのがきつい ・取り繕いの疲れ ・なんでも頼られ責任を押し付けられるから ・成績をよくとらなきゃとか、先生といい関係を保たなきゃとか、 |
LGBTQ+に関する悩み |
・LGBTだから男女分けられるのがつらいから ・制服が嫌だ。スカートを履きたくない、自分で居られない ・性別・LGBTQ+に対する理解がない ・制服も女子はセーラー服。スカートなんて履きたくない。 |
感覚過敏 |
・うるさい、においが混じって気持ち悪い。 ・感覚過敏でとにかくキツイ。給食は臭いだけで吐きそうになる。 ・音が多くて頭痛くなる |
親 |
・親からの圧が怖い。 ・親に馬鹿だといわれるから。人と話すのがとても疲れるから。 ・親のことを思い出す瞬間が多いから |
その他 |
・嫌なことしか起きないから。頑張っても報われないから。 ・保健室に原則1時間までしかいられないから(精神的に疲れた時やつらい時に休める場所がない)。 |
②「学校が居場所だと思わない」79.7%
Q.あなたは学校が居場所だと思いますか。(単一回答)
「居場所だと思わない」55.6%、「どちらかというと居場所だと思わない」24.1%、2つの合計は79.7%です。
「居場所だと思う」1.4%、「どちらかというと居場所だと思う」10.6%、2つの合計は12.0%です。

「夏休みが終わり、新学期が始まること」が『苦しい』と感じている人が73.1%
Q.あなたは夏休みが終わるころ、もうすぐ新学校が始まることについてどのように感じますか。(単一回答)
「苦しい」73.1%、「つまらない」14.4%、
2つの合計で87.5%
「ふつう」6.0%、「楽しみ」1.9%。

夏休みが終わる頃に「この世から消えたい」と感じたことがある人は93.1%
Q.これまでに、夏休みが終わるころ、新学期が始まることを考えると、「この世から消えたい」と思ったことがありますか。(単一回答)
「毎年感じる」38.0%、「よく感じる」31.0%、「たまに感じる」24.1%。
「感じたことがある」は3つの合計で93.1%。
「ない」4.2%。

この世から消えたい」と思う理由に多く挙げられたのは「漠然とした不安」88.0%
Q.(対象:「この世から消えたい」と感じたことがある人)「この世から消えたい」と思うのはどのような理由からですか。あてはまるものをすべて選んでください。(複数回答)
「漠然とした不安」88.0%、「勉強のこと」76.9%、「家庭のこと」53.7%、「仲が悪い児童・生徒のこと」53.7%。

<この世から消えたいのはなぜか>(自由回答の一部抜粋)

分類 |
自由回答の抜粋 |
---|---|
学校生活が苦しい |
・しんどい生活に戻るんだと思うと怖くて涙が出るくらい嫌なことだから ・つまらないような苦しいようなあの日々がまた来ると思うと、全部投げ出して消えてしまいたくなる。あと、誰かと関わるのが怖い。 ・トラウマによる恐怖 ・制服を着なければいけないこと ・何のためにつまらないことを、苦しいことするのか分からないから。 ・学校での息苦しさを考えるとしんどい。 ・学校は楽しいけど進路のこと考えないといけないし、往復2時間だし嫌いな人多いしいろんなことで疲れるから。 ・何でもかんでもルールに縛られているような気がする。 ・スマホもないし、門限も厳しいからクラスで浮きやすくなった。転校生だから学校では少し煙たがられる。自分の顔が嫌すぎて人と会いたくない。 ・家にいたくないから夏休みも嫌だけど、学校も同じくらい苦しい。 |
クラスメイト・友人とのトラブル |
・仲が悪いわけじゃないけれど、クラスメイトに会ったりすることが嫌 ・仲のいい子が取られたのが辛くて消えたい ・仲の良い生徒は本当は自分のことを嫌っているのではないかと言う不安 ・好きな人をバラした友だちと会うこと ・自分の性別が気持ち悪いといわれる不安。 ・教室のみんなが怖いから |
人間関係 |
・集団の空気感に自分が合わないのなら、自分が悪いのではないかと思って消えたくなります ・ありがた迷惑と言われる。勇気がない。 ・人と会いたくない、人間関係の問題 ・他の人からのリアクション ・取り繕いの疲れ |
孤独 |
・(ひとり)ぼっちに対する不安 ・またひとりで苦しまなきゃならないから ・クラスのほとんどから嫌われてる |
LGBTQ+に関する悩み |
・LGBTのことを全く考えてくれないから ・性別・LGBTQ+への理解がないこと |
持病・体調 |
・腹痛(過敏性腸症候群?と言われています) ・適応障害とADHDグレーゾーンという持病を理解されないで普通の人として扱われるせいでうまくできない |
親 |
・受験の親の期待 ・新学期だから学校に行けと親に圧をかけられるから |
毎年悩んでいる |
死ぬならこの日、みたいな意識だから嫌なこと全部考えて生きられるか毎年悩んでる |
⑥「学校がしんどい理由」に多くあげられたのは「人の目が怖い」79.6%、「学校の雰囲気が息苦しい」71.3%
Q.(対象:学校生活がしんどい(「つまらない」または「苦しい」)人)学校生活が「しんどい」(つまらない/苦しい)のはなぜですか。(複数回答)
回答が多いのは「人の目が怖い」79.6%、「学校の雰囲気が息苦しい」71.3%、「仲の悪い生徒がいる」46.8%。

⑦悩みを相談できる人 最多は「ネット上の人」53.2%、「相談できる人はいない」42.6%
Q.あなたが悩みを相談できる人は誰ですか。(複数回答)
回答が多いのは「ネット上の人」53.2%、「相談できる人はいない」42.6%、「友達」26.4%、「家族」11.6%、「カウンセラー・病院の先生」11.6%。

<「その他」の自由回答の一部抜粋>
・とあるNPO法人のスタッフさん ・チャットGPT。gedokunの中の人。
・ネットの相談サイト ・心の中の自分
・友達やネットの仲間にも言えない事がある ・恋人
・推しキャラのグッズ ・掲示板
・自分にとって一番大切な人(大好きな人)。 ・自分の中の別の人格
・みんな心の中では私のことが嫌いなんだと思う。 ・親友とAI(アンドロイド)
・相談しても何も解決しないしまったく楽にならない
・愚痴を吐ける相手は居るけど、死にたいと思ってる、レベルの踏み込んだものは言えない
・薄〜い悩みなら言えるけど、消えたいとか、そういうのは誰にもいえない
■回答者属性



第3の家族 理事長 奥村春香によるコメント

第3の家族では、しんどい少年少女が集まる裏の居場所を運営しています。そこに悩む少年少女たちはいるのに、現実社会ではどこか「いなかったこと」にされているように感じていました。
地域の支援は増えたように見えますが、「一歩踏みだすハードル」「大人への不信感」「周囲の目」「親を裏切りたくない気持ち」などから、そこを頼らない・頼れない少年少女がいます。現実世界は難しくても、ネットの中なら本音を言える。でも、大人たちにその声は届かないから、現実世界では彼ら彼女らの声はなかったことにされていたのではないでしょうか。
今回は、そんな少年少女たちの声をアンケートと言う形で社会に発表することにしました。夏休みが終わる頃に「『この世から消えたい』と感じたことがある」人が93.1%という結果について、私たちもその割合の多さに驚かされました。また、「悩みを相談できる人はいるか」の質問に対し、「相談できる人はいない」が42.6%である一方、「ネット上の人」が53.2%と過半数に達しており、ネットのプラス面も示されていると感じています。
本調査により、大人の皆さんが「大人に聞こえるだけはない子どもたちの声」を聞く機会が増えることを願います。
第3の家族では日常的に少年少女の裏の居場所gedokunの開発・運営と、この夏休みに合わせた、こどもの自殺予防を目的とした応援キャンペーン「Give a Yell for Youth(#GY4Y)」を行っています。
#GY4Y(Give a Yell for Youth)のご案内

URL:https://gy4y.daisan-kazoku.com/
少年少女の裏の居場所gedokun 及び今回の調査の概要
■少年少女の裏の居場所gedokun
こどもや若者が匿名で悩みを書き込めるコミュニティサイト。投稿には共感のリアクションが送られ、返信機能はなし。専門的な相談窓口とは異なる「寄り添わない支援」。月間利用者数5,000人程度。2024年度リピートユーザー1万人以上。
URL:https://daisan-kazoku.net/gedokun
■調査概要
調査方法: 掲示板gedokunでの呼びかけによるインターネット調査
調査期間:2025年7月30日~8月11日
調査対象者:全国の10歳~18歳のうち、学校が「しんどい(学校生活が「つらい」または「つまらない」)」と感じている216人
調査監修:株式会社インフォデザイン
■本調査データの報道でのご使用について
本プレスリリースのデータを報道で使用される場合は、下記の「問い合わせ先」にご一報いただき、出典を【NPO法人第3の家族 調べ】と明記のうえご使用ください。報道以外のご使用については、下記の「問い合わせ先」にご相談ください。
団体概要(調査主体)
特定非営利活動法人第3の家族は、はざまの少年少女(支援制度から取りこぼされる若年層)を対象に、「寄り添わない⽀援」を行う団体です。
はざまの少年少⼥が、自ら道を切り拓き、自分の人生を歩める社会を目指しています。
掲⽰板「gedokun」(https://daisan-kazoku.net/gedokun)
情報サイト「nigeruno」(https://daisan-kazoku.net/nigeruno)
調査事業「家庭環境デー タ」(https://katei-data.daisan-kazoku.net/)
イベント 「裏母の日」(https://daisan-kazoku.com/service/urahaha)
イベント「音楽ライブ」(https://daisan-kazoku.com/service/daisan-live)
クリエイターが少年少女に“本気の言葉”を届けるYouTubeチャンネル
GY4Y(Give a Yell for Youth)URL: https://gy4y.daisan-kazoku.com/
【代表】奥村春⾹
【法人設⽴⽇】2023年3⽉23⽇
【活動拠点】全国(オンライン)・東京・神奈川
【住所】神奈川県横浜市中区相生町三丁目61番地泰生ビル2階
【受賞歴】Forbes JAPAN 30 UNDER 30 2023・横浜市男女共同参画貢献表彰など
【団体公式サイト】https://daisan-kazoku.com
【利用者数】gedokunユーザー月間5,000人
本件に関するお問い合わせ先
特定非営利活動法人 第3の家族
メールフォーム:https://daisan-kazoku.com/contact
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