「ガスを入れれば直る」とは限らない――エアコン修理の相談は5年で2倍超。ハウプロが「原因から診断できる」修理技術者を育成
国民生活センターは「原因を調べずに冷媒ガスを充填する業者」への注意を呼びかけています。ハウプロは冷凍サイクルの基礎から診断・充填・動作確認までを実機で学ぶ修理研修を提供しています。
株式会社志事人(本社:東京都中央区銀座、代表取締役:鶴原利彦)が運営する訪問サービス専門アカデミー「ハウプロ」は、エアコンの冷媒ガス充填(ガスチャージ)を含む家電修理の技術者育成に取り組んでいます。

背景にあるのは、猛暑のたびに増えるエアコン修理のトラブルです。
国民生活センターが2026年6月3日に公表した資料によると、エアコンの修理に関する相談件数は、2021年度の451件から2025年度は1,251件へと、2倍以上に増加しました。
(出典:国民生活センター「エアコン修理のトラブルに注意!-ネット広告で「安い」「即日対応」の業者に修理依頼したけど直ってない!-」2026年6月3日公表 https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20260603_1.html )
同資料は消費者へのアドバイスとして、故障原因を調べたり修理内容を説明したりせずに、いきなり「冷媒ガスが減っているので充てんする」などと言って作業を始める業者にも注意が必要だと呼びかけています。
冷媒ガスの充填は、エアコン修理で実際に必要となる作業です。同資料も、漏れている箇所を確認するために充填する場合があると注記しています。問題は作業そのものではなく、原因を特定しないまま行われることにあります。
ハウプロは、エアコンの構造と冷凍サイクルの基礎から、故障診断、部品交換、動作確認、お客様への説明までを実機で一連して学ぶ修理研修を提供しています。
1週間で18,591人が熱中症で搬送、その4割が「住居」――エアコンが止まることの重み

総務省消防庁によると、2026年7月20日から26日までの1週間に、全国で熱中症により救急搬送された人は18,591人(速報値)でした。
このうち発生場所で最も多かったのは住居で7,600人(40.9%)。年齢区分では高齢者が10,765人(57.9%)を占め、初診時に死亡が確認された人は45人でした。
(出典:総務省消防庁「熱中症情報」令和8年7月20日~7月26日 速報値 https://www.fdma.go.jp/disaster/heatstroke/post3.html )
屋外だけでなく、家の中でも熱中症は起きています。
気温そのものも記録的です。気象庁の観測では、岐阜県多治見市で7月21日に40.3℃、22日に40.0℃、23日に40.2℃、25日に40.7℃と、7月だけで最高気温40℃以上の日が4日観測されました。
(出典:気象庁「過去の気象データ検索」多治見・2026年7月の日ごとの値 https://www.data.jma.go.jp/stats/etrn/view/daily_a1.php?prec_no=52&block_no=1058&year=2026&month=07&day=&view=p1 )
気象庁は2026年4月17日、最高気温が40℃以上の日の名称を「酷暑日」に決定したと発表しています。
(出典:気象庁「最高気温が40℃以上の日の名称を『酷暑日』に決定」令和8年4月17日 https://www.jma.go.jp/jma/press/2604/17a/40degree_name.html )
こうした環境で、エアコンは快適さのための家電ではなく、住まいの安全を支える設備に近づいています。だからこそ、故障したときに「すぐ直してほしい」という気持ちが強く働きます。
「最安4,000円~」「即日対応」――急いで探した先で起きていること

国民生活センターの報告書には、次のような相談事例が挙げられています。
・ネットで検索した業者に依頼したところ、室外機のガス圧を調べて「ガス圧が低いのでガスを充てんする」と言われて作業してもらったが、結局直らなかった
・「ガス漏れだろう」と言われてガスを充てんし、約5万円を支払ったが冷えず、その後、業者と連絡が取れなくなった
・故障原因や作業内容の説明も見積もりもないまま作業が始まり、約7万円を請求された
同センターは、相談事例からみた問題点として、夏はメーカーの修理対応も繁忙期となるため、少しでも早く直してほしいという一心でインターネット広告の情報だけで業者に依頼してしまう傾向を指摘しています。
(出典:国民生活センター 報告書本文 https://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20260603_1.pdf )
ここで重要なのは、冷媒ガスの充填は本来、必要な修理作業だということです。
同報告書も脚注で、「冷媒ガスが漏れている箇所を確認するために、冷媒ガスを充てんする場合もあります」と補足しています。
つまり、ガスを入れること自体が悪いのではありません。原因を調べずに入れること、入れた後に直ったかどうかを確認しないことが問題なのです。
同報告書は、修理業者が帰る前に一緒に動作確認をするよう勧めており、冷房の場合は冷媒ガスを充てんして稼働させた後、5~10分経過すれば冷たい風が出てくることを確認できる、としています。
裏を返せば、その場で確認できる技術と、確認する姿勢を持った人が現場にいれば、トラブルの多くは起きにくくなります。
「直せる人」を地域に増やすという課題

国民生活センターは、消費者へのアドバイスのひとつとして、急な故障に備え、地域の電気工事店などの情報を日頃から集めて「困ったときにはここに連絡する」という情報を家族内でも共有しておくことを挙げています。
しかしこのアドバイスは、地域に信頼できる担い手がいることを前提としています。
エアコンの修理には、冷凍サイクルの理解、圧力の測定、漏れ箇所の特定、部品交換、動作確認といった複数の技術が必要です。近年の機種は電子制御が複雑化し、独学での習得は容易ではありません。
一方で、エアコンクリーニングを手がける事業者は全国に数多く存在します。分解や養生、室外機まわりの扱いに慣れた人たちです。この層が診断と修理まで扱えるようになれば、地域で「原因から見てくれる人」に出会える可能性は上がります。
ハウプロが取り組んでいるのは、まさにこの接続です。
※本リリースで扱う修理研修は、家庭用エアコン・洗濯機を中心とした内容です。業務用エアコン等の第一種特定製品に冷媒を充填する業務は、フロン排出抑制法に基づく第一種フロン類充填回収業者の登録等が必要となります。
冷凍サイクルの基礎から、診断・充填・動作確認・説明まで。実機で一連を学ぶ


ハウプロは、エアコン・ハウスクリーニングを起点に、訪問サービス分野での独立・開業やスキルアップを支援する実践型アカデミーです。
家電修理の研修では、実機を使い、次の流れを一連で扱います。
①原因を見立てる
エアコンの仕組みと冷凍サイクルの基礎、各部品の名称と役割を押さえたうえで、よくある故障パターンの診断方法、エラーコードの読み方と対処法を学びます。
②手を入れる
室内機の分解・組み立て、水漏れの原因と修理、基板・センサー・ファンモーターなどの部品交換を実機で行います。エアコン修理で需要の多いガスチャージ(冷媒充填)も研修内容に含まれます。
③確認して、伝える
修理判断の基準と、お客様への説明の仕方まで扱います。何が原因で、何をしたのか、直ったことをどう一緒に確認するのか。国民生活センターの相談事例で繰り返し指摘されているのは、まさにこの部分が抜け落ちたときに起きるトラブルです。
研修後も、部品仕入れ先の紹介、会員コミュニティでの技術相談など、現場に出てからのサポートを用意しています。
※コース内容、日数、受講料、開催拠点は変更される場合があります。最新の情報は公式サイトおよび公式LINEでご確認ください。
「信じるしかない」から「確かめられる」へ――技術を見えるようにする

国民生活センターの相談事例に共通しているのは、依頼する前に、その業者の技術力を確かめる手段がなかったということです。
ホワイトカラーの仕事であれば、履歴書や職務経歴書、資格でスキルを説明できます。しかし清掃や修理といった現場技術は外から見えにくく、結果として広告の価格や「即日対応」といった言葉で選ばれてしまいます。
ハウプロは、この課題に対して「くらしのエンジニア」という考え方と、その認定制度に取り組んでいます。
エアコンクリーニングから始めて、洗濯機、水回り、内装、家電修理へと対応できる範囲を一つずつ広げていく。そうして育った技術者が、暮らしの困りごとを相談できる「住まいのかかりつけ」になっていく――という構想です。
一定の基準を満たした技術者には、顔写真と認定番号が入った認定カードを発行しています。複数の領域を身につけた人には上位の称号を設け、技術者本人にもお客様にも、どこまでできる人なのかが伝わるようにしています。制度の詳細・対象カテゴリー・認定条件は公式サイトをご覧ください。
国民生活センターは、消費者へのアドバイスとして急な故障に備えて日頃から信頼できる修理業者を探しておくことを挙げています。そのとき「この人に頼めば大丈夫」と言える相手が地域にいること。それが、ハウプロが技術者を育てている理由です。
全国5拠点の研修体制|地域の担い手不足に直接応える
ハウプロは全国5拠点に研修所を展開し、地域の住宅事情に合わせた実践的なトレーニングで、
その街に根ざしたプロを輩出している。
担い手不足は都市部だけでなく、地方においてより深刻だ。ハウプロの地方拠点は、地域の住宅サービス需要に応える人材を地元で育てるという役割を担っている。
・東京研修所(東京都江戸川区中葛西)
・大阪研修所(大阪府岸和田市)
・福岡研修所(福岡県福岡市南区大橋)
・名古屋研修所(愛知県名古屋市昭和区御器所)
・札幌研修所(北海道札幌市北区あいの里)
どのくらしにも、頼れるエンジニアがいる時代へ。ハウプロが目指すのは、日本のすべての家庭に「住まいのかかりつけエンジニア」がいる未来だ。

株式会社志事人 代表取締役 鶴原利彦 コメント
この暑さのなかでエアコンが止まると、生活の快適さの問題では済みません。現場に出ていると、とにかく早く直してほしいという切実さが伝わってきます。その焦りが、原因の説明もないまま作業が始まってしまう状況を生んでいるように思います。
冷媒ガスを入れること自体は、修理で普通に行う作業です。ただ、なぜ減ったのかを確かめずに入れれば、また同じことが起きます。本当に必要なのは、原因から見て、直ったことをお客様と一緒に確認できる人です。
私たちが研修で一番時間をかけているのは、実はそこです。分解の手順や部品の交換だけでなく、どう見立てて、どう説明するか。エアコンクリーニングをやってきた方が修理まで扱えるようになれば、地域に『まず相談できる人』が増えていきます。暮らしのなかの困りごとに応えられる技術者を、これからも育てていきます。
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