ラボのシェアリングサービスで研究開発を加速するCo-LABO MAKER、約1.9億円の資金調達を実施。アズワンとの協業を開始し、ラボの拡大と共同サービスの提供へ
〜ラボの拡大とPoC支援の強化で、ディープテックスタートアップの開発速度・事業化を加速〜
今回調達した資金は、ラボの対応地域・研究分野の拡大、及び顧客増加のための体制強化と、アズワン社との協業によるサービス開発、ディープテックスタートアップ振興のためのPoC支援機能強化に充てる予定です。
当社は、研究リソースのシェアリングプラットフォーム「Co-LABO MAKER」を運営する東北大学発のベンチャー企業です。研究開発したい研究者と、研究リソースをもつラボ(研究室)をマッチングし、機動的な研究開発を支援します。大学の研究室等は、「Co-LABO MAKER」を通して保有している設備や人材・技術をリソースとして提供し、資金獲得・連携先獲得・研究成果獲得の機会を得ることができます。利用者である企業等は、自社に設備や技術がなくても外部のリソースを活用することで、短期間かつ低予算で研究開発を進めることができます。また、設備・技術の探索だけでなく、契約条件を含めた調整を当社が担うことで、研究開発関連の受発注の手間を大幅に削減できます。
現在、全国300件以上のラボを中心に、5,000件以上の研究リソースを登録いただき、大手メーカーから一般企業、学校、団体など、400件以上のマッチングを実現しています。
研究開発現場の課題および資金調達の背景
化学、材料、製薬会社等のメーカーは、新商品を開発する際に専門的な設備が必要であり、研究環境を整えるためには多大な資金と時間がかかるという課題があります。その課題を解決するべく、当社は、大学・民間企業が保有する既存のラボを他者へシェアする「ラボシェアリングサービス」を生み出し、圧倒的に速く投資対効果の大きいアジャイル研究開発をサポートしてまいりました。
本サービスは同時に、一部の大学・研究室に資金が集中し、それ以外の研究室の研究・教育機会が損なわれるという課題の解決にも繋がっています。
民間から大学まで研究開発そのものをアップデートできる可能性を秘めた当社のサービスを、より急速に拡大させ研究開発業界に貢献するために、今回の資金調達と業務提携締結に至りました。
アズワンとの協業を開始
アズワン社は「研究者が研究に専念できる環境をサポートする」「研究・医療に関わる人に最適な環境を提供する」という当社と非常に近い志を持ち、900万点を越える商品データベースを持った、研究者にとって既になくてはならないサービスを提供しています。今回、カタログやECでラボラトリー領域において大きな存在感を持つアズワン社との協業により、アズワンネットワークを活用したラボ・顧客の増加や、当社の保有するラボとアズワン社が保有する設備および資材をセットで提供できる「丸ごとラボレンタルプラン(仮称)」などの共同サービスの開発・提供を進め、事業成長を加速します。
今後の展望
今回出資いただいたアズワン社やディープテック投資家、各地方大学との連携を強化し、ラボ数の拡大および顧客の増加を加速します。現在は関東を中心に約300カ所のラボを展開していますが、対応する地域と研究分野を広げ、2年後には全国に5,000カ所まで増やすことを目指します。
また、国を挙げてディープテックスタートアップ振興を進める中で、スタートアップが速やかにPoCを進めるための資金やネットワーク形成、連携契約などの支援機能を強化していきます。加えて、ディープテックスタートアップを支援するVC・アクセラレーター・公的機関といった支援者へ、当社の保有するラボデータベースやノウハウを活かした「ディープテックスタートアップ支援プラン」を提供します。本プランを活用することでPoCにかかる費用や時間を大幅に抑えることができるため、PoCがネックで次のフェーズに進めていないスタートアップを、支援者と連携してサポートいたします。そのために必要な体制を構築すべく、人材の採用を強化いたします。
そして、事業を通して得られるラボ・R&Dを行う企業のデータ・ネットワークを用い、研究開発を加速するインフラとなるサービス群を構築していきます。
Co-LABO MAKER 代表 古谷 優貴 コメント
今回、研究開発をアップデートしていく新たな投資家を迎えられたことをとても嬉しく思っています。ディープテックスタートアップ、研究開発、ラボについて深い理解とネットワークのある皆様に認められ、ご参画いただけたことは、私たちとしても大きな自信になりました。
研究開発の民主化を進めて、日本をもう一度イノベーションを起こせる国にすべく、一丸となって事業に取り組んでいきます。
代表取締役CEOプロフィール
古谷 優貴(Yuki Furuya)
2011年に東北大学工学研究科修了。修士2年間で主著論文8本執筆。 昭和電工株式会社にて、パワー半導体(SiC)の研究開発・事業立上げに従事。自らの体験を元に、研究開発の民主化を志ざし、2017年4月にCo-LABO MAKERを起業。ラボシェアを中心とした研究開発リソースのシェアリングサービスを展開。 2020年東北大学客員准教授に就任。研究のポテンシャルを最大化し、産業と大学が共に発展していく新たな研究開発エコシステムの形成に挑戦中。
引受先からのコメント
アズワン株式会社 取締役 コーポレート本部長 西川 圭介 氏
Co-LABO MAKERのラボシェアリング・プラットフォームは、研究機器へのアクセスが困難な研究者の課題を解決し、研究成果を出すまでの時間を短縮、また研究機器を有効利用することでラボの稼働率向上を実現する等、アズワンが目指す方向とも非常に近く、以前から親近感を持って古谷様と積極的に対話をしてまいりました。研究の発展を一層支援できるよう、協業を通じてともに成長できる具体的な取り組みを進めていきたいと思います。
株式会社ディープコア Deputy Senior Director 澤﨑 萌 氏
従来固定費であった研究開発部門のアウトソースによる変動費化は世界的な潮流であり、フレキシブルな研究開発体制を求める企業側の姿勢は今後ますます先鋭化すると見ています。将来、Co-LABO MAKERのラボシェアリングが研究開発の現場において当たり前の選択肢の一つになる世界を想像して出資させていただきました。さらに今後はAI適用でマッチングやプライシングも最適化し、ラボシェアリング・プラットフォームとしての価値最大化に貢献させていただきます。
QBキャピタル合同会社 シニアアソシエイト 具島 三佳 氏
研究開発系ベンチャーへの投資を行う中で、ラボの立ち上げは手間も時間もコストもかかることを実感しており、その課題を解決する研究開発シェアリングプラットフォームを運営しているCo-LABO MAKERに価値を感じ、投資させていただきました。九州を中心とした各地域の大学と連携し、大学発ベンチャーに投資を行うQBキャピタルが、Co-LABO MAKERの活動を支援することにより、研究を志す人が誰でも自由にラボを借りられる「ラボの民主化」を共に進めていきたいと思います。
株式会社Kips 代表取締役 國本 行彦 氏
ディープテック分野で最先端を行く東北大学はもちろん、全国の大学及び研究施設に対してレンタルラボ業務を行い、更に人材と技術交流を広げ、イノベーションを生もうという古谷代表のビジョンに共感して出資をさせていただきました。私どもも、インデペンデンツクラブのネットワークを通じてCo-LABO MAKERと共にディープテック系スタートアップを支援していきます。
ガバナンス・パートナーズ株式会社 代表取締役 丸山 俊 氏
Co-LABO MAKERのラボシェアリングは、研究開発施設・機器というハードのシェアリングを通じて、研究開発やイノベーションに関する情報、研究開発人材といった「知」のデータベースになっていくポテンシャルを有していると思っています。Co-LABO MAKERが明日の世界をつくる研究・技術開発のプラットフォームに成長していくことを信じ、ステークホルダーの一員として伴走してまいりたいと思います。
アズワン について
アズワンは「カタログ」と「WEB」を使って理化学機器、産業機器、医療・看護用品等を販売している専門商社です。 また、ファブレス企業として自社で商品の企画・開発も実施。 独自の販売チャネル、オリジナル性の高い商品と企画、他社に負けない物流力などにより、日本の科学技術の発展に貢献しています。
Co-LABO MAKER について
Co-LABO MAKER(コラボメーカー)は、機動的な研究開発を可能にする研究リソースシェアリングプラットフォームです。利用者は、自社に設備や技術がなくても、早く安く外部の研究開発リソース(ラボ・設備・人材)を活用し、研究開発を前に進めることができます。提供者は、既に保有している設備や人材・技術を活用して、資金獲得・連携先獲得・研究成果獲得の機会を得られます。
取締役にCOO 杉ノ内萌が就任
社内体制強化のために、杉ノ内を取締役COOとして新たに経営陣に迎えました。
不動産会社での事業開発やスタートアップ、また数学者を目指した経験があることから研究への理解を持っており、その経験と知見を生かし、更なる事業規模の拡大、海外への進出なども見据えた、今後より一層の体制強化を行ってまいります。
<取締役COO 杉ノ内 萌 プロフィール>
早稲田大学卒業、名古屋大学大学院数学専攻中退。AI教育を普及させる東大発ベンチャー、 株式会社 Aidemy での事業開発を行い急拡大フェーズを経験。東急不動産ホールディングス株式会社の新規事業の立ち上げや、プロジェクト・マネジャーを経験した後、2021年より株式会社 Co-LABO MAKER に参画。業務改善と資金調達をリードし、現在は組織拡大に伴って採用活動に奮闘中。スタートアップの「1→10」を作り上げることが強み。
採用情報
Co-LABO MAKERでは、事業拡大のため共に研究開発の新しい常識を創っていくメンバーを募集しています。
▼採用に関する詳細情報はこちら
https://www.wantedly.com/companies/co-labo-maker/projects
会社概要
会社名 :株式会社Co-LABO MAKER
本社 :仙台市青葉区国分町1丁目4−9 enspace
代表者 :代表取締役 古谷 優貴
事業内容 :Lab as a Service「Co-LABO MAKER」の開発・運営
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