【全国の経営者150人に聞く2020年最新のM&A動向と2021年予測レポート】2020年はコロナ禍で売り手のディールの約8割が延期または中止 一方で2021年はM&A積極派が消極派を上回る結果に
〜売り手の4人に1人の経営者がWebで積極的に相談〜
■調査結果サマリー <新型コロナの影響が再び強まるなか、買い手側・売り手側ともに需要が高まり2021年はM&Aが活発になる可能性が高い> ―2020年のM&A動向:コロナ禍においてM&Aディールの延期や中止が多数 ①2020年にM&A(買収)を検討していた買い手側のうち半数(50.0%)が延期もしくは中止を選択 ②2020年内に企業や事業の売却を検討していた売り手側の約8割(77.7%)が成約に向け進めていたディールが延期もしくは中止になった、また検討したが話が具体的に進まなかったと回答 ―2021年のM&A動向予測:買い手・売り手ともにM&Aに対して積極的に ③買い手側において、2021年内のM&Aに積極的という回答(29.4%)が消極的という回答(20.0%)を上回る ④買い手側が2021年に買収したい企業・事業の業種として最も多いのは「メーカー」、次いで「サービス・インフラ」、「金融」が続く ⑤事業売却検討企業の約4割(38.5%)が2021年以内の速やかな売却を希望 ⑥4人に1人(26.3%)の経営者が、第三者からの提案ではなく自らWebを通じて、積極的に仲介会社に相談 |
近年、国内では後継者不足により廃業に追い込まれる企業が多く存在し、雇用の喪失や将来的なGDPの減少などが危惧され、またこうした問題が新型コロナの影響で深刻化し、現在大きな社会課題となっています。
そんな中、今回の調査結果から、こうした事業承継問題を解決する選択肢の一つであるM&Aに対して経営者の意識の変化が見られ、2021年はM&Aが活発になる可能性が高いことがわかりました。
今回の調査でM&Aにおいての買い手側及び売り手側の経営者の、46.6%が「新型コロナが業績にネガティブに影響した」、「ややネガティブに影響した」と回答し、新型コロナの発生がM&Aを検討する企業の意識に強い影響を与えていることがわかります。
また2020年内にM&A実施の予定があったと回答した買い手側のうち50.0%が延期もしくは中止していると回答。さらに同様に売り手側では、予定通り売却できる見込みという回答は全体の22.2%に留まり、77.7%が「進めていたディールが延期もしくは中止になった」、「具体的に進まなかった」という回答しました。
一方、2021年におけるM&Aの方針を尋ねたところ、買い手側の20.0%が消極的と回答したのに対し、29.4%が積極的と回答。また回答者に2021年に買収を検討したい・している企業の業種を尋ねたところ、28.2%が食品・建設・機械などの「メーカー」と回答し、次いで22.3%が「サービス・インフラ」、15.2%が「金融」と回答しました。
さらに売り手側の38.5%が2021年内に売却を希望していると回答しており、そうした売り手は「サービス・インフラ」業界に最も多く、新型コロナが売上に強いマイナス影響を与えていると考えられます。
また売り手の経営者のうち、26.3%の経営者が、自社もしくは事業の売却にあたって、「Webを通じて直接M&A仲介業者に問い合わせた」と回答し、依然として税理士や会計士を通じて相談する場合が多いものの、第三者からの提案ではなく自ら積極的に仲介会社に相談するケースも多数存在しています。
こうした調査結果から、再び新型コロナの影響が強まっている中でも、2021年には買い手側に一定の需要の高まりが見られるとともに、売り手側は速やかな企業・事業売却を希望しており、2021年内のM&Aが活発になる可能性が高いと考えられます。さらに売り手側の経営者においては、従来のような第三者の提案を待つのではなく、自ら能動的にM&Aに取り組んでいく動きが高まると予想されます。
■調査概要
名称:「M&Aに関する最新の意識調査」
調査対象者:20歳〜79歳までの会社経営者(男女)
サンプル数:150名
調査地域:全国
調査方法:インターネット調査
調査期間:2020年11月20日(金)〜2020年11月23日(月)
■調査結果
<新型コロナの影響で2020年は多くのM&Aディールが延期もしくは中止に>
全国の経営者のうち、M&A(買収)を検討した、検討している買い手側の85名を対象に2020年内のM&A事業を尋ねたところ、2020年内にM&A実施の予定があったという経営者のうち半数(50.0%)が中止もしくは延期したと回答。新型コロナの影響で、様々な企業の業績に影響が出ており、買収予定だった企業の先行きに不透明感が見られたことが大きいと考えられます。
2020年内に自社もしくは事業の売却を検討していた売り手側の経営者27名のうち、22.2%が「検討しており、年内に売却できる見込み」と回答したのに対し、77.7%が「検討しており、成約に向けて話が進んでいたが延期もしくは中止になった」、「検討していたが、成約に向けて話が具体的に進まなかった」と回答しました。
<再び新型コロナの影響が強まる中で2021年に向けて注目が高まるM&A>
買い手側の経営者85名に対して、2021年におけるM&A(買収)の方針について尋ねると、全体の29.4%が「2020年よりも積極的に考えている」と回答し、50.5%が「2020年と特に変わらない」、20.0%が「2020年よりも消極的に考えている」と回答しました。再び新型コロナの影響が拡大している状況下でも、3割近くの経営者が積極的な姿勢を、50%以上が2020年と変わらない姿勢を見せています。
買い手側の経営者85名に対して2021年に買収を検討したい/している企業の業種を尋ねると、「メーカー」が最も多く全体の28.2%、次いで「サービス・インフラ」が22.3%、「金融」が15.2%と続きました。
<休廃業を最小限に留めるためには、速やかなM&A成約が重要に>
売り手側の経営者83名に対して2021年内に条件が合えば自社もしくは事業の売却をしたいと考えていますかと尋ねたところ、38.5%が「はい」と回答し、31.3%が「いいえ」、30.1%が「わからない」と回答しました。
中でも「はい」と答えた経営者に対し売却の目的を尋ねたところ、「不採算事業の精算」が40.6%と最も高く、次いで、「後継者不足による事業承継」が28.1%、「新規事業に向けた資金調達」が同じく28.1%を占めました。
2020年に延期や中止となったM&Aディールが多かった反動や、新型コロナによる業績悪化からの回復が芳しくないなどの理由から2021年内には売却を希望する経営者が増加していると考えられるため2021年内のディールの増加が見込まれます。
<経営者のM&Aに対する姿勢が変化>
M&A仲介業者に実際に相談した経営者においては、44.7%が税理士や会計士を通じて相談し、26.3%が経営者が自らWebを通じて直接仲介会社に相談しています。
従来的な税理士や会計士に相談する方法4割以上を占め、依然として最もポピュラーな相談方法だといえますが、約3割がWebを通じて直接M&A仲介業者に相談するしており、営業マンや銀行員に相談するケースよりも高い割合を占めています。このように第三者の提案を待たず、自ら能動的にM&Aに取り組む経営者も多いことがわかりました。
さらに売り手側の経営者83名に対して自社もしくは事業の売却を検討するにあたってM&A仲介業者の料金体系として最も相談しやすいものを尋ねたところ、48.1%、が「完全成功報酬型」と回答し、40.9%が「特に気にしない」、6.0%が「月額報酬型(別途成功報酬あり)」、4.8%が「着手金or中間金型(別途成功報酬あり)」と回答しました。
大手M&A仲介事業者において完全成功報酬型を設けている企業が少ないことから、中・小規模の仲介業者に対する相談件数の増加が見込まれます。
【本調査における業種の分類について】
・「メーカー」:食品・農林・水産、建設・住宅・インテリア、繊維・化学・薬品・化粧品、鉄鋼・金属・鉱業、機械・プラント、電子・電気機器、自動車・輸送用機器、精密・医療機器、印刷・事務機器関連、スポーツ・玩具、その他メーカー
・「サービス・インフラ」:不動産、鉄道・航空・運輸・物流、電力・ガス・エネルギー、フードサービス、ホテル・旅行、医療・福祉、アミューズメント・レジャー、その他サービス、コンサルティング・調査、人材サービス、教育 等
・「金融」:銀行・証券、クレジット、信販・リース、その他金融、生保・損保 等
・「小売」:百貨店・スーパー、コンビニ、専門店 等
・「ソフトウェア・通信」:ソフトウエア、インターネット、通信 等
・「商社」:総合商社、専門商社 等
・「広告・出版・マスコミ」:放送、新聞、出版、広告 等
【会社概要】
会社名:株式会社M&A総合研究所
事業内容:M&A仲介事業
資本金:4.1億円(資本準備金含む)
本社:東京都港区六本木5-2-5 鳥勝ビル3F
代表者:代表取締役社長 佐上 峻作
HP:https://masouken.com/
採用HP:https://recruits.masouken.com/
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