落合陽一×日本フィルプロジェクト VOL.8 《変幻する音楽会》開催決定!
Orchestra of alternation - 境界線がほどけていく
2024年は「佐渡の風土と鬼太鼓」に着目。
生成AIを用いた演出で作曲家の “プロンプト”に新たな化学反応を。
人とデジタル、演奏家と聴き手、自然と人間の境界線もほどけていく
開催日:2024年8月20日(火)会場:サントリーホール
(チケット発売6月6日(木)、クラウドファンディング5月31日(金)開始)
公益財団法人日本フィルハーモニー交響楽団(東京都杉並区、理事長:平井俊邦、以下日本フィル)は2024年8月20日(火)、「落合陽一×日本フィルハーモニー交響楽団プロジェクトVOL.8《変幻する音楽会》」を開催します。
落合陽一×日本フィルプロジェクトは、テクノロジーによりオーケストラの鑑賞体験をアップデートし、芸術文化により多様性の高い社会の構築と日本文化の発信を目指すプロジェクトです。音楽は耳で聴くものという常識にとらわれず、「五感で感じる、身体で聴く音楽」をコンセプトに生の音楽の喜びを追及し、2018年以来デジタルとリアルの融合に取り組んできました。
2023年からは、英国在住で日本を代表する作曲家・藤倉大氏とコラボレートし、オーケストラによる日本文化探訪「承前啓後継往開来」を開始。日本各地の伝統的な音素材をオーケストラのフォーマットとテクノロジーの演出により新たな光をあてて紹介しています。
「琉球古典音楽」に続く2年目の今回は、佐渡の風土と一体となった「鬼太鼓」に着目します。土地と深く根付いた芸能で、地域を繋ぐ絆の象徴ともいえる鬼太鼓を通し、「地域を繋ぐ文化」を考え、佐渡の深い魅力を紹介します。
公演の演出には、昨年に続き生成AIを取り入れます。本公演で演奏する「幻想交響曲(抜粋)」に作曲者自身が残したプログラム・ノートを「プロンプト」と見做し、人間と生成AI、音楽と視覚が一体となった表現を目指します。それはまさに“現実と非現実の境界は揺らぎ、幻想と妄想が入り混じる不思議な宴”となるでしょう。
舞台と客席との「境界線」も揺らぐ体験をご提供するこのコンサート。
4月には公演に先立ち佐渡でのフィールドワークを実施しました。さらに、公演終了後には室内楽サテライト公演を佐渡市他で開催予定。東京のみならず、日本各地へ「喜び」を共有します。
■公演概要
落合陽一×日本フィルハーモニー交響楽団プロジェクト VOL.8《変幻する音楽会》
・日時:2024年8月20日(火) 18:00 ロビー開場・18:20 本開場 / 19:00 開演
・場所:サントリーホール
・HP:https://japanphil.or.jp/concert/20240820
■キャスト
・演出:落合陽一
・指揮:海老原光
・映像の奏者:WOW
・鬼太鼓:畑野熊野神社祭典青年鬼組(佐渡市)*
・トークゲスト:松田祐樹[NPO法人 佐渡芸能伝承機構理事長]
・進行アシスタント:江原陽子
・管弦楽:日本フィルハーモニー交響楽団
■公演プログラム
・畑野の鬼太鼓*
・藤倉大:Demon Dance [承前啓後継往開来Ⅱ、日本フィル委嘱世界初演]*
・ベルリオーズ:幻想交響曲より「野の風景」「断頭台への行進」「魔女の夜宴の夢」
ほか
※コンサート当日に会場ロビーにて、佐渡を体感するコーナーをご用意します。
■ VOL.8《変幻する音楽会》の特徴
●日本探訪企画第2弾は佐渡の鬼太鼓
鬼太鼓をキーワードに、鬼太鼓と西洋のクラシックの融合という壮大なチャレンジ(承前啓後継往開来Ⅱ)を通して、「地域を繋ぐ文化」を考えます。
●「オニ」から考える豊かさ—「オニは内、福は内」
佐渡の「鬼」は決して排除すべき存在ではなく、むしろ神の使いとして捉えられています。「オニ」を排除せず受け入れる暖かさと風土、鬼太鼓は土地に根差した人の豊かさの象徴とも思えます。
今回の公演は、このようなオニからいろいろなインスパイアを受けて選曲しました。
●テクノロジーで新たな「生音楽の喜び」を。生成AI×ベルリオーズの「プロンプト」
生成AIを用いた演出の取組は2年目となります。今年は、作曲家ベルリオーズが残したプログラム・ノートを「プロンプト」と見做し、人間と生成AI、音楽と視覚の隔たり、そして人をとりまくもの、こととの境界の意識を廃したところに浮かぶ宴を描きだします。
■あらゆる人々へ、地域へ、世代へ、世界へーオーケストラの可能性を追求
今年も、聴覚障害のある方への振動を用いたデバイス席、子供料金やダイバーシティ割(障害者割引)、託児サービスなどを用意します。
■料金・発売日・購入方法
発売日:6月6日(木)10:00
料金[全席指定・消費税込]:
SS席 ¥12,000(優先入場特典・お土産つき)
S席 大人¥8,000、子供¥2,500
A席 大人¥6,500、子供¥1,000
Ys席(25歳以下)・ダイバーシティ席(障害者手帳保持者)¥2,000
チケット購入先 https://japanphil.or.jp/concert/20240820
ほか各プレイガイド
※子供:小学生~高校生(未就学児は入場できません)、Ys席:25歳以下の方対象/A席
※Ys席・ダイバーシティ席は日本フィル・サービスセンターのみで取り扱います。
※聴覚障害のある方にはXmodを用いた振動デバイスをご用意します。
(限定20席程度、対象席は後日販売開始予定、日本フィルのみ取扱)
※託児サービス(事前申込制、有料):
イベント託児®マザーズ TEL : 0120-788-222(平日10:00~17:00)
■サポーター募集:クラウドファンディングで仲間になりませんか?
フィールドワークやワークショップを通した「音楽の喜びあい」を支援してくださるサポーターも募集しています。コンサート前後に公演の喜びを拡げるイベントやアイテムをつけたご支援を呼び掛けています。
ご支援はクラウドファンディング「READYFOR」で承っています。皆様とともに、音楽による芸術ならではの喜びを拡げていきます。
・URL:https://readyfor.jp/projects/vol8
・期間:8月27日(火)23:00まで
■関連イベント
・コンサートを楽しむイベント
開演前のロビーにて「佐渡を楽しむコーナー」を計画しています。
また、クラウドファンディングREADYFORでは公演のGP(最終リハーサル)見学や関係者との交流会に参加いただけるリターンをご用意しています。
・サテライト公演(本公演終了後巡回します)
2024年10月21日(月)佐渡市にて計画中
2025年2月 計画中
■主催・企画・制作:公益財団法人日本フィルハーモニー交響楽団
*令和6年度日本博2.0事業(補助型)(独立行政法人日本芸術文化振興会/文化庁)
■共催:佐渡市
■協力:ジセカイ株式会社、WOW inc.、TBWA_HAKUHODO、サントリーホール、ほか
■機材協賛:株式会社プリズム
■お申込、お問合せ:日本フィル・サービスセンター
TEL03-5378-5911(平日10時~17時)/FAX03-5378-6161(24時間) https://eticket.japanphil.or.jp/
■落合陽一 × 日本フィルプロジェクトのこれまでの公演
・VOL.1《耳で聴かない音楽会》2018年4月22日 https://youtu.be/wJEKht0zix0
・VOL.2《変態する音楽会》2018年8月27日 https://youtu.be/PJ6gJrnMRSs
・VOL.3 Part1《耳で聴かない音楽会2019》2019年8月20日 https://youtu.be/aqDy9_Km5aM
・VOL.3 Part2 《交錯する音楽会》 2019年8月27日 https://youtu.be/jn5cg4YhRtk
・VOL.4《__する音楽会》 2020年10月13日 https://youtu.be/Ww9fLCB6-j0
・VOL.5《醸化する音楽会》 2021年8月11日 https://youtu.be/Ek-M4d_oGU8
・VOL.6《遍在する音楽会》 2022年8月25日 https://youtu.be/N9C74aZlo6I
・VOL.7《帰納する音楽会》 2023年8月23日 https://www.youtube.com/watch?v=cB1KYHPuju4
■落合陽一によるステートメント
長らく続けてきた落合陽一×日本フィルハーモニー交響楽団のプロジェクトを振り返っていた。我々がテーマにしてきたことは「耳だけで聞かない」こと、オーケストラの形態が「変態」すること、西洋と東洋、デジタルとアナログ、過去と未来、あらゆる二項対立が「交錯」すること、五感を通じたあらゆるカルチャーが「醸化」し発酵すること、コンサートホールの中と外、演奏と休止の如何に囚われず音楽があらゆるところに「遍在」すること、そして計算する万物が「帰納」しうる文化を探索すること。そういったテーマの全ては個別に存在することはなく、我々の文化を形作る全てのベクトルはつながっており、またこれからも繋がっていくのだろう。
オーケストラの奏でる楽曲はときに一神教的でもあり、多神教的でもある。禅的でもあれば、無宗教的でもあり、あるときは超現実を奏で、あるときは祭りと俗謡を奏でてきた。楽曲構成や演出の構成の中で、たびたびジョンケージの引用やナムジュンパイクの引用を行ってきた。そのプロセスの中で社会彫刻的なアプローチを行うこともあれば、プルリバーサルで多元的な価値観も取り入れつつ縄文からコンテンポラリーまで多くの要素が垣根なく混ざり合ってきた。その様子は「定在遊牧的」でもあり、「テクノ民藝的」でもあった。「事事無碍」でもあり、「物化する計算機自然の祝祭」でもあった。
このプロジェクトの標榜する「オーケストラの人の意地」は人間中心の輝きに限らない、美しい星々の光の一つだ。人間の意地が恒星の燦々たる輝きを与え、計算機自然的な現在において日本で奏でるオーケストラの意味を風土性と土着性の中に、西洋音階と東洋音階、静寂とノイズの間に探してきた。今年のテーマは祭りであり神事であり、農耕と祝祭からインスパイアされた遍在する神々と人の垣根ない変容である。「今ここ」は、すぐに「遠くどこか」になるとともに、「今ここ」でもあり続ける。風は笛、水は太鼓、言葉は変換とジャンプを生み、その言語行為の主体はすでに人間のみの手を離れている。計算機自然の祝祭はどのような交錯の響きを生み出すのだろうか。
農耕と祝祭、酒を酌み交わし、音楽に身を委ねるたびに、現実と非現実の境界は揺らぎ、幻想と妄想が入り混じる。それは、東洋と西洋の文化が融合する不思議な宴のようでもある。しかし、この曖昧さ、不安定さこそが、世界の本質なのかもしれない。私たちは、秩序という一時の幻想の中で生きているが、その根底には常に渾沌が潜んでいる。だからこそ、時には自由に混じり合い、溶け合う場を必要としている。この自由は西洋から輸入された自由ではない。万感が自然であるということであり、この自然も明治以降に作られた里山像や自由像の中で遊ぶという意味でもない。
私たちの行動や判断は、音楽に影響を与え、同時に音楽から影響を受ける。計算する主体であると同時に、計算される客体でもあるのだ。その主体と客体が高速に入れ替わる計算機自然の世界像は今醸成され続けている。この自然の遷移は、人間と機械、自然と技術の境界を曖昧にする。祭りの音色は、この新しい世界観を象徴している。笛の音は風となり、太鼓の響きは雨となる。自然と人間、幻想と現実、東洋と西洋、そしてアナログとデジタルが不安定のまま融合する。そこに描き出される姿は私たちの魂が、世界の計算に参加し、響き合い、世界像の不安定さを照らし出す瞬間だ。そこでは、秩序と無秩序、偶然と必然が入り混じっている。始まりと終わりの境界すら意識することがなく進んでいく、その祝祭とともに漂う喜びを抱いて、音楽会に参加してくだされば僥倖である。
■プロフィール
落合陽一(おちあい・よういち)
1987年生まれ、東京大学大学院学際情報学府博士課程修了(学際情報学府初の早期修了)、博士(学際情報学)。筑波大学デジタルネイチャー開発研究センターセンター長、准教授・JSTCREST×Diversityプロジェクト研究代表。2020-2021年度文化庁文化交流使、大阪・関西万博テーマ事業プロデューサーなどを歴任。(photo: Ninagawa Mika)
海老原光 (えびはら・ひかる)
鹿児島生まれ。鹿児島ラ・サール中学校・高等学校、東京芸術大学を卒業、同大学院修了。その後、ハンガリー国立歌劇場にて研鑽を積む。2007 年ロブロ・フォン・マタチッチ国際指揮者コンクールで第 3 位を受賞。指揮を小林研一郎、高階正光、コヴァーチ・ヤーノシュの各氏に師事。これまでに、国内主要オーケストラを指揮し、好評を得ている。また、2012 年、2015 年にクロアチア放送交響楽団の定期公演(ザグレブ)に、2019 年にはゲデレー交響楽団(ハンガリー)に客演し、現地で好評を博した。
オフィシャル・ホームページ http://www.hikaru-ebihara.jp/
WOW
人々の心に躍動を生み出す——WOWは、このミッションに2つのアプローチで挑んでいる。
1つはクリエイティブコレクティブとしてのアプローチ。デザイン、アート、テクノロジーを横断した個性溢れるクリエイターたちが、独自のテーマや表現方法を探究。各々の技を磨きながら作品づくりを行い、アートやプロダクトとして発表・販売している。
もう1つは、クリエイターの多様性を活かしたビジュアルデザインスタジオとしてのアプローチ。知性と感性のダイアローグをクライアントと重ね、映像・インスタレーション・UI/UXなど、効率を追求するだけでは生まれてこない豊かな表現として共に紡ぎだす。
我々にとって重要なのは、人々の心を躍動させ、日常を豊かにすること。未知を発掘し、既知の中に新たな感動を見出し、それを形にすることである。
コーポレートサイトhttps://www.w0w.co.jp/
藤倉大 (ふじくら・だい)
大阪生まれ。15歳で単身渡英しベンジャミンらに師事。数々の作曲賞を受賞、国際的な委嘱を手掛ける。2015年にシャンゼリゼ劇場、ローザンヌ歌劇場、リール歌劇場の共同委嘱によるオペラ《ソラリス》を世界初演。 2019年に尾高賞、文化庁芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。2020年にオペラ《アルマゲドンの夢》を新国立劇場で世界初演。数々の音楽誌において、その年のオペラ上演におけるベストに選出された。近年の活動は多岐に渡り、リモート演奏のための作品の発表や、テレビ番組の作曲依頼も多数。録音はソニー・ミュージックジャパンインターナショナルや自身が主宰するMinabel Recordsから、楽譜はリコルディ・ベルリンから出版されている。https://www.daifujikura.com/
ゲスト(鬼太鼓)畑野熊野神社祭典青年鬼組
佐渡市の中心、国中平野に位置し、霊亀2(716)年の創建と伝わる畑野地区の鎮守社 熊野神社の祭礼は毎年10月15日に開催されます。鬼太鼓はこの祭礼の日、広い集落の1軒1軒を門付けして回ります。地区内には約600軒の民家があるため、日付の変わる午前0時から深夜まで、文字通り1日かけて門付けを行います。この1日の祭礼のために準備をする「鬼組」のメンバーは全員、地域に暮らす青年。OBとなる地域の先輩とともに鬼組を毎年継続しています。本公演には15名が、鬼、太鼓、獅子などの役で参加予定です。
江原陽子(えばら・ようこ)
東京藝術大学声楽科卒業。4歳より(公財)ソルフェージスクールにてピアノを始め、ソルフェージ、作曲、室内楽等音楽の基礎を同校で 学ぶ。大学在学中より4年間、NHK『うたって・ゴー』に「歌のおねえさん」としてレギュラー出演。1991年より日本フィルハーモニー交響楽団「夏休みコンサート」に歌と司会で出演する他、東京都交響楽団、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団、仙台フィルハーモニー管弦楽団等の音楽鑑賞教室やコンサートで司会を務める等、クラシックコンサートのナビゲーターとしても活躍している。どんな人にもどんな時にも音楽をとノーマライゼーションの社会をつくるための福祉コンサートにも力を入れ、「美しい日本語の歌」を残す為のコンサートを積極的に展開。また「歌で親子のふれあいの時を」をテーマに、読み聞かせコンサートをする他、合唱団の指導、(財)ヤマハ音楽振興会の教材歌唱や講師への歌唱指導等、後進の指導にもあたっている。洗足学園音楽大学教授、(公財)ソルフェージスクール講師
日本フィルハーモニー交響楽団
1956年6月創立。楽団創設の中心となった渡邉曉雄が初代常任指揮者を務める。
2023年9月よりカーチュン・ウォンが首席指揮者を務め、その独創性と真摯さに裏付けられた音楽作りは非常に注目されている。近年の高い演奏力と積極的なプログラミングは「21世紀の日本のオーケストラが目指すべき方向を明確に示す」と評価され、2023年度ミュージックペンクラブ音楽賞を受賞した。さらに桂冠名誉指揮者小林研一郎、桂冠指揮者兼芸術顧問アレクサンドル・ラザレフ、フレンド・オブ・JPO(芸術顧問)広上淳一をという指揮者陣を中心に年間150回を超えるオーケストラ公演を行っている。
2026年の70周年に向け、芸術性と社会性を両輪とし、「温かさ」「人に寄り添う」土壌を大切にしながら、あらゆる人々へ、世代へ、地域へ、世界へ音楽の持つ様々な力を社会に活かしていくことを目指している。特に、日本フィルが2011年以来東日本大震災の被災地における活動「被災地に音楽を」を継続し、さらにそれが「若い世代への未来への希望を育んでいる」ことに対し、第16回後藤新平賞が授与された。
落合陽一×日本フィルプロジェクト《耳で聴かない音楽会®》により、カンヌライオンズ2019ミュージック部門(「エンターテイメントライオンズ・フォー・ミュージック」)ブロンズ賞受賞・SDG部門(「サスティナブル・デベロップメント・ゴール」)ショートリスト入選、第72回広告電通賞イノベーティブ・アプローチ部門最高賞・特別賞、日本マーケティング大賞 奨励賞、第5回JACEイベントアワード優秀賞を受賞。
毎週水曜日22時54分~23時、BS朝日『Welcomeクラシック』出演中。オフィシャル・ウェブサイト https://www.japanphil.or.jp 公式Twitter @Japanphil プロジェクトTwitter @ochyaijapanphil
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